安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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【管理人よりお知らせ】福島原発告訴団が、明日、1万人の告訴状を添えて第2次告訴を行います

2012-11-14 23:23:04 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

福島原発事故の刑事責任を問うため、全国で1万人を目標に告訴人集めに取り組んできた福島原発告訴団が、明日15日、福島地検に第2次告訴を行います。

直前のご案内になってしまいましたが、明日、福島地検での告訴状提出行動にご参加いただける方は、ぜひお集まりください。なお、福島地検の所在地は放射線量が高いホットスポットとなっております。各自、放射線防護対策をきちんとした上でご参加ください。妊婦、子どもの参加はお控えください。

告訴団参加者の最終集計は今後行われますが、1万人を超え、1万2千人に迫る勢いです。参加者は北海道から沖縄までの全国、さらには海外にまで及んでいます。改めて、東電への怒りの凄まじさを感じます。

なお、参加される方は、明日正午、福島市保健福祉センター前の「森合町緑地」にお集まりください。詳細は、福島原発告訴団ブログ(10月23日付記事)をご覧ください。また、サムネイル画像でチラシもご覧いただけます。

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冬への準備、そして・・・

2012-11-10 21:02:21 | 日記
白河で6シーズン目の冬を迎える今年、スタッドレスタイヤを買い換えた。

職場に社用車運転手の人がいるので、スタッドレスタイヤの寿命について聞いてみると「3~4年が限度。できれば3年履いたら交換が望ましい」というプロの意見だった。その運転手の人に、自分の車は5シーズンずっと同じスタッドレスタイヤを履いている、と言うと「そんなの、もうスタッドレスじゃないよ」と言われてしまった。確かに、昨年の冬は急ブレーキを踏むたびに雪上でタイヤが滑り、とてもじゃないが生きた心地がしなかった。

最近はスタッドレスタイヤもずいぶん安くなった。サイズ、またメーカーにもよるが、軽なら2~3万も出せばたいていのメーカーのものが手に入る。これで今年の冬は安心して走ることができる。

本当はもっと早く交換すべきだったが、ここまで延びてしまったのは、言うまでもなく、そのうち人事異動になるだろうと思っていたことが理由だ。しかし、本部勤務で仕事が厳しいことに加え、原発事故もあって相変わらずここでの勤務希望者は皆無という。私も、昨年までは異動希望を出していたが、なんだかだんだん虚しくなってきたので「提出が強制でないなら今年は出さない」と提出拒否の構えだった。

芸能人やスポーツ選手のような才能ある職業、医療職などの専門職、弁護士などの自由業、そのいずれにもなれない人が食べていくために仕方なく選ぶ職業がサラリーマンだと私は考えている。その職業を選んだ時点で自分に選択権はなく、与えられた環境の中でベストを尽くすのがサラリーマンのあり方だと私はずっと思ってきたから、そもそも希望を出すという発想もなかったし、人事異動に抵抗する人たちを横目に私自身は常に命じられる通りに異動してきた。

それだけに、放射線量の高いここでの生活が健康に良くないことは理解しながらも「どうすればここから異動できるか」考えたところで妙案など何も浮かばない。最近は、郷里の九州に近い場所で2年後に転職することをかなり真剣に考えていて、この職場での異動なんて、できないならできないでかまわない、と開き直りに近い気持ちも生まれていた。

そんな私を見て、10月に赴任してきた上司が危惧したのか、面談の場が持たれた。私は「強制でないなら出さない」と自分の考えを伝えたが、上司は昨年提出した私の希望内容を見て、書き方について私にいくつかのアドバイスをくれた。

この仕事を長く続けてきたが、普通の人は希望を書いて提出しろと言うだけ。「異動するためにはこう書けばいい」なんて助言をしてくれた人は初めてだ。

その助言内容は、正直なところ私にとって半信半疑という内容だが、自分にそれを凌駕するアイデアがあるわけでもなく、騙されたつもりで助言通りに書いてみようかと思い始めた。すでに人事異動に対する興味も薄れてきて(悟りを開いた?)、実現しなくてもおそらく落胆はしないと思う。2年後の転職に向けた準備と並行しながら、星占いかおまじないでも楽しむような感覚で希望を書けたらいいと思っている。

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【転載】出直し都知事選に出馬が取り沙汰されていた湯浅誠氏のメッセージ

2012-11-09 23:54:43 | その他(国内)
以下にご紹介する文章は、出直し都知事選に出馬が取り沙汰されていた元内閣府参与・湯浅誠さんがご自身のブログに掲載したメッセージである。「不出馬」の結論について述べたものだが、大変興味深い内容なので転載する。

やはりこの文章を転載して紹介している、あるブログの管理人さんが「(このメッセージが)そのまま都政ひいては日本の政治の民主的転換にとって何が必要かを語る展望論となって」いる、と書いているが、その通りだと思う。この文章の中には、過去13年間打ち続いた敗北の総括の上に、市民派がポピュリスト(石原的、橋下的なるもの)に勝つために何をすべきかがすべて明らかにされている。

やや拡大解釈すれば、来るべき都知事選における市民派候補は女性でなければならない、というふうにも読める。もし湯浅氏の意図がそこにあるのであれば、当ブログは大筋において同意する。この間の反原発運動において、ほとんどの分野で女性が先頭に立ちリードしてきたことを考えると、男性候補でポピュリストに勝つことは困難であるように思うからである。

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湯浅誠からのお知らせより

■湯浅からのおしらせ

都知事選についてのコメント(11月4日執筆、6日発行)

この間、多くの方から、都知事選についてお問合せなどいただきました。ご推薦いただいた方もおられて光栄かつ恐縮でした。率直に申し上げて、今回の都知事選で私が「勝てる候補」などと言われるのは、ほとんど身の丈に合わない話と思わざるを得ないので、わざわざ態度表明するのもどうかと思っていました。しかし、新聞紙上でも取り沙汰されるようになり、沈黙していることによる不利益も生じかねない情勢になってきたことから、コメントしておきたいと思います。結論から申し上げると、出馬はしません。

以下、この間の経緯や考えたことを書きます。

1)大きな社会状況として、すでに数多くのご指摘があるように、橋下維新、石原新党とつづく世の中の流れには、私も危機感を持っています。石原さんが事実上の後継者として指名した猪瀬直樹さんが石原都政路線を引き継ぐのだとすると、また、出馬を取り沙汰されている東国原さんが橋下さんとの連携を示唆されているのだとすると、この間の流れも踏まえつつ、それに違和感を抱いている人たちの思いを集結させられる対抗馬の擁立(オルタナティブの提示)は必要だと、私も思います。

2)ただし、1000万人を超える有権者を抱える巨大都市・東京都の知事は、広範な人々の利害を調整する官僚機構と良好な関係を保ち、企業から生活者を含めた多様な人々に共感を得る必要があります。イメージとしては、1000万人有権者を自分から近い順に一列に並べたときに、真ん中(500万人目)からちょっと先くらいの人たちに言葉を届けられるくらいの幅の広い陣容を組めるかどうかが重要に思います。

3)では、それは誰か、となるのが選挙です。固有名が出ないことには選挙になりません。ただし、その前段階では「こういう人」というイメージが必要です。私のイメージは以下のようなものでした。

①原発事故以降、飛散する放射能や食の安全に対する不安は高まっています。それは社会運動や市民活動に参加したことのなかった人たちも抱いています。人によっては濃淡があって、人によっては漠然としてもいる不安感を抱く人たちが共感できる人が望ましい。上から降ろしたような脱原発・反原発ではなく、重要なのは「生活者としての共感でしょう。したがって生活者目線を(「生活者目線!」と訴えるだけでなく)体現している人が望ましい。

②加えて、グローバル化が進行する中、グローバルな競争関係にいかに対処するか、という知見も必要です。とりわけ巨大都市で一人勝ち状態の東京では、「東京が牽引役」と漠然と感じている人が多いと思われます。直線的なグローバル批判よりも、多様性(ダイバーシティ)、普遍性(ユニバーサル)をキーワードに、「グローバルとは競争の激烈化とイコールではない」「多様性と普遍性の尊重が発展と成長につながる」という主張を説得的に展開でき、それを体現するグローバルなキャリアを持った人が望ましい。

③石原新党や橋下維新の諸政策を「新自由主義」と断じる人たちは、どんな対抗馬でも票を入れる。しかしそれだけでは数十万票規模にしか達しないだろう。むしろ問題は「あのマッチョな感じについていけない」と肌感覚で違和感を抱いている人たちの共感を得られるかどうか。ソフト・柔軟・親しみといった対極的な諸要素を併せ持つ人が望ましい。

④知名度や実績は高ければ高いほどいい。ただ、仮にそれほどの高い実績や知名度がなくても、諸分野の専門家のバックアップや候補者に欠けているものを補う態勢の担保を選挙戦中から示すことで、知名度不足からくる不安感、不信感をできるかぎり払拭することは不可能ではない。

その他、政党人でないことなど、さまざまな要素がありますが、ここでは割愛します。

4)そのようなイメージから、私は今回、都知事選には「生活者としての立ち位置とグローバルなキャリアを併せ持ち、猪瀬さんや東国原さんとは対極的なキャラクターを持つ女性」が望ましいのではないかと考え、それに当たる人を探しました。幸い、お一人おられたので、11月頭に急遽お会いしてお話してみましたが、残念ながらお子さんが小さいことなどから固辞されました。この時点で、私にとってベストの候補はいなくなり、あとは誰がベターかという話に移りました。

5)「勝つ」ことが困難でも、「勝てない可能性が高いが、オルタナティブを提示し、一定の票を獲得することで、異なる民意を示す価値のある選挙戦ができるか」という次元もあり得ます。理想的な形は作れなくても、意味のある選挙戦ができれば、それは都知事選に続く衆議院選挙、都議会議員選挙に向けて、オルタナティブを望む少なからぬ都民の存在を可視化できる(それは、都知事選を、次の総選挙で自分の政党の得票数増加に結びつけようといった個々の政党の思惑とは別のレベルの話として)。そのラインは、過去2回の選挙で次点候補が獲得した169万票だろうと思います。対戦候補によってはそれだけ取っても勝てないかもしれない。しかし、次点候補がそれ以上の票数を獲得したのは1975年以来ありません。オルタナティブを提示しつつ、それだけの票を獲得したとしたら、仮に選挙で勝つことができなくても、一定の民意を示したと言えるのではないか、と思います(もちろん「選挙なんだから勝たなくては意味がない」という言い方もありますが…)。

6)そのためには、いわゆる「左派」系の政党を支持している人の数では到底足りません。それ以外の100万人近い人たちが支持してくれないと、その数には至りません。これは、投票する人たちの5人に1人という気の遠くなるような数です。現在の社会運動の広がり具合、浸透具合を冷静に見るかぎり、その人たちが仮に現在の石原新党、橋下維新といった流れに何らかの違和感を抱いているとしても、同時に社会運動や市民活動にも違和感や拒否感を抱いている可能性は少なくない。「どちらを選ぶか」と問われれば「まあ、どっちもどっちだろうけど、まだ前者のほうに実績と勢いと展望があるのではないか」「後者では、東京がどうなってしまうかわからず不安だ」と感じる人も少なくないのではないかと推測します。危ないのは「石原新党、橋下維新に違和感を抱いている人は少なくないはずだ」という点に重きを置きすぎて、「自分たちに違和感を抱いている人も少なくない」という点を軽視したり忘れてしまうことです。

7)そうだとすると、目指すべき戦略は、①社会運動や市民活動に対する不安や不信感をいかに払拭し、②相手候補に対する違和感にいかに明確な言葉を提供できるか、ということになります。②は社会運動や市民活動が比較的ふだんからやっていることで、相対的な得意分野と言えるかもしれません。①は比較的ふだんから忘れられがちなことで、相対的な不得意分野です。しかも①と②はバーター関係にあり、どちらかに偏りすぎると他方を失いますから(先鋭化すれば広がりを失い、広げすぎれば無原則となる)、両者が得票数最大化に向けて絶妙のバランスを取るように工夫する必要があります。それは容易なことではありません。選挙の事務局内でも「ここが均衡点」の判断は分かれるでしょう。容易ではないから、今まで勝てませんでした。そして、①が不得手で②が得意なのだとすれば、当面力を入れるべきは、当然不得意分野である必要があります。

8)そのためには、自分たちにないものを補っていく布陣が必要です。実績不足については実績のある人を、不安に対しては安心感を与えられる人を、不信感に対しては自分たちと対極にいるような人でチームを構成し、応援団に配置できることが望ましい。もちろんそれも容易なことではありません。ないものを補ってくれるような人たちが、社会運動や市民活動に不安や不信感を抱いている可能性も少なくないからです。だからこそ、対話と調整の技法が必要です。それができなければ、結局選挙戦も広がりを欠くものになります。そして選挙が組織戦でもある以上、社会運動や市民活動に携わる一人ひとりがそれを身につけていかなければ、候補者だけにその広がりの獲得を期待しても、無理な話です。結局、草の根ベースで一人ひとりがそれをできるかどうかが、選挙でも問われることになります。その点は、社会運動や市民活動の日々の現場と変わりません。『ヒーローを待っていても世界は変わらない』ゆえんです。タテに突き抜けるような一点突破型の手法だけでいけるなら、そもそも苦労はありません。

9)諸般の事情から、今回の都知事選で私自身がそれを担うことは不可能になりました。当初から自分自身についてはきわめて消極的でしたが、現在では完全にゼロです。「諸般の事情」については、いずれご説明する機会も来るかもしれませんが、いま詳細を述べることは差し控えます。ご了承いただければ幸いです。

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【転載記事】2012年米国大統領選挙の結果:新自由主義の再急進化は否定される

2012-11-08 20:07:53 | その他(海外・日本と世界の関係)
米国大統領選挙は、事前予想通り、現職のオバマ氏が再選を果たした。オバマ氏の第1期目の業績に華々しいものはないが、挑戦者のロムニー候補の政策が露骨な「富裕層・白人」優遇で酷すぎたというのが実際のところだろう。「今後の4年間、どちらに任せる方がよりマシか」の選択だったように思える。

当ブログとして、選挙結果について何か論評をしなければと思っていたら、「レイバーネット日本」サイトに極めて優れた大統領選挙についての論考が発表された。その多くが当ブログの見解と一致しており、ここにご紹介する(記事は「コロラド州とワシントン州で医療目的以外でも大麻の合法化が可決したことは画期的」としているが、当ブログは唯一、この見解にだけは同意できない。個人の自由とはいえ、銃の所持が自由な上大麻も解禁とは、米国もおかしなことをするものだと思っている)。

このところ転載記事ばかりで恐縮だが、ご了承いただきたい。

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レイバーネット日本」より

2012年米国大統領選挙の結果:新自由主義の再急進化は否定される

2012年米国総選挙ではオバマ再選と、共和党の下院維持、民主党の上院維持という結論が出ました。今回の選挙については、新自由主義の再急進化が拒絶されオバマ政権の修正路線がかろうじて信任されたということと、迷走する政治にあまり希望は持てないがどうしたらいいか分からず立ち止まっている(前回と同じ投票行動をするにしても前回より冷めている)、という二重の側面があるように思います。新自由主義路線をより明確に打ち出した共和党大統領候補が落選したことは重要だと思いますが、議会選挙の結果など総合的に見れば新鮮な変化を予感させるような材料には乏しいように思います。

まず出口調査で前回2008年選挙との比較に注目すると、投票行動に大きな変化は見いだせません。前回同様に、人種では白人はロムニー支持が過半・非白人は圧倒的にオバマ支持、性別では男がロムニー・女がオバマがやや強く、年齢では若年層ほどオバマ支持が強い。前回との微妙な違いは、前回は割れていた富裕層がより真剣にロムニー支持になったことで所得別の党派色分けがややはっきりしたことと、前回はオバマを支持した白人若年層でロムニー支持が多数になった反面、ラティーノのオバマ支持がかなり増えてそれをかき消したこと(←ロムニーが移民に厳しい姿勢を打ち出したことが要因とされていますがそれだけではない)くらいです。

テーマごとの世論を見ると、経済運営・税財政政策・医療保険・移民政策などで一貫性のない調査結果がごろごろ出ているので、何か世論が根本的に変化したということは難しいです。政府の財政赤字を批判する世論が増えていることをもってアメリカの世論が4年前より保守化したと言っているジャーナリストもいますが、注意深く見れば財政赤字批判の中には富裕層増税を求める世論が含まれているので、そうとは言い切れません。再生可能エネルギーへの関心は以前よりはやや高まっていますが、他方で相変わらず地球温暖化問題よりもオイルの値段が大事だと考える人が多く、原発もクリーンな代替エネルギーだとするオバマ政権のバカげた主張を批判できる人も米国ではまだまだです。外交政策については、少なくとも前回はイラク戦争反対という世論の勢いがありましたが、オバマ政権が結局ブッシュの軍事治安政策の多くを継承したこともあって批判的世論は埋没してしまった感があります。

例外として、今回大きな進展が見られたテーマは、同性婚や中絶や大麻(マリファナ)の合法化といった、個人の生き方の文化的自由にかかわる政策です。レファレンダム(テーマごとの住民投票)の投票結果で、メーン州、メリーランド州、ミネソタ州、ワシントン州では、同性婚の合法化(もしくは禁止の否定)が可決。フロリダ州では中絶処置への州財政使用を禁止する提案が拒否されました。またコロラド州とワシントン州で医療目的以外でも大麻の合法化が可決したことは画期的です。その他にも、カリフォルニアで労働組合の政治活動を制限する提案が否定されたり、フロリダで医療保険強制加入への拒絶提案が否決されたり、メリーランドで未登録移民の学生が州市民と同じ学費を払えばよいことが可決したことは注目に値するでしょう。ただしアラバマ、アーカンソー、ミズーリ、モンタナ、オクラホマ、オレゴンでは逆に保守的な投票結果が出ているため、全米レベルでの評価は微妙です。

マスコミは今回の選挙について、民主党と共和党の違いが鮮明になったと報道してきました。確かにこの4年間を振り返れば、右派の茶会運動が共和党を右から引っ張り、2011年に台頭したオキュパイ運動が間接的に民主党を左から引っ張ったような形になり、それでオバマ政権も今年になって金持ち増税(まあブッシュの金持ち減税を元の段階戻すだけですが)とか移民の権利など口では言うようになりました。パブリックオプションすら認めず民間保険会社を温存して強制加入という中途半端な医療保険改革を続けるかムーアの『シッコ』状態に戻すのか、世界には自由市場を押しつけながら自国だけは国内産業保護を認めるか否か、公務員をあからさまにバッシングして乱暴に公共サービスをぶち壊すかそれとも保護すると言いながら組合を丸めこんでしたたかにコスト削減を図るか、など確かにいくつか対立している部分はあります。多くの人々がその狭い選択肢の中にでもわずかな期待をつなごうとする気持ちを持っていることも事実です。それでもオバマ政権が前回掲げた「チェンジ」がことごとく中途半端なまま4年が過ぎたという現実、選挙が終わったとたんに共和党との宥和とか財界との接近で「チェンジ」が失速するといった、ピープルパワーのマネーパワーへのすり替えをすでに前回経験していることは今一度確認しておく必要があります。今回議会の勢力バランスが変わらなかったので、そのパターンが繰り返される可能性は高いと思います。実際オバマは勝利演説で共和党と仲直りをして財政再建云々などと言い始めているので、早くも黄色信号が点っています。

選挙中、オバマもロムニーも「ミドルクラス」という言葉を呆れるほど連発しました。米国ではまだミドルクラス幻想にこだわる政治家が多く、アメリカンドリームを再建するという絵空事が繰り返し強調されます。新自由主義はミドルクラスを実際には縮小させて格差社会をもたらした元凶なので、修正路線のオバマ陣営の方がこの点では一貫性のある議論を展開できました。例えば選挙期間中オバマは教員の雇用を守るとして教員組合を喜ばせました。しかし同時にオバマ民主党はコスト削減を政府や学校に要求しています。どうやってそれを両立させるかを現実的に考えれば、ミドルクラスとして扱われていない非常勤・契約社員などにしわ寄せがくることになります。学生にとってもいくら貸与型奨学金を増やしたところで授業料高騰とローン地獄が続きます。ミドルクラスもロウアークラスも差別せずみんなが安心して生きられるようにするためには、既存の常勤職だけを守るとかブッシュ減税の廃止程度の中途半端な政策ではとうてい無理があります。それを越えるレベルのチェンジをオバマ政権が口にしたことは一度もありません。

二大政党政治では大きなチェンジなど期待できないとすでに考えている人達は、政治から離れてしまっているように感じます。今回の選挙は史上最高額のカネがつぎこまれた選挙と言われていますが、投票率は低調でした(最終集計はまだですがかなりの確率で前回を下回るとのこと)。ブッシュ路線の否定という点で一定の希望がもてた前回と違い、新自由主義の再急進化も無理だがそれに代わる新たなビジョンも打ち出されていないので、出口の方角すら見えずに迷走している政治に関心を持ちづらい状況と言えるでしょう。マイノリティコミュニティでの投票者への嫌がらせ(ID要求の厳格化など)や投票マシンに仕組まれた不正バグがまた問題になっていますが、米国の選挙制度そのものが非民主的で不公正であるという指摘は二大政党やマスコミからは一切聞くことがありません。「一票の格差」と死票を最大化して第三政党にほとんど存立の余地を与えない非民主的な世論歪曲装置のパッケージ、つまり大統領選における選挙人団・勝者一人勝ち制度と議会選挙における完全小選挙区制度、議員定数の少なさ(小さな議会)、さらに企業・金持ちの政治献金を完全自由化する法解釈と、二大政党の宣伝機関としてのマスコミの影響力により、アメリカ政治は一般の人間から著しく乖離したものになっています。緑の党などは移譲投票や比例代表の導入や企業献金禁止による米国政治の民主化を求めていますが、多くの人はそうした主張を耳にすることすら困難だったでしょう。新自由主義でも修正路線でもない本当の変化を求める声が行き詰まった二大政党政治に今度こそ風穴を開けるような新たなオキュパイ的運動を生み出すかどうかに注目したいと思います。

<参照>

選挙結果速報 http://www.google.com/elections/ed/us/results
レファレンダム結果 http://www.politico.com/2012-election/map/#/Measures/2012/
CNN出口調査 http://www.cnn.com/election/2012/results/race/president#exit-polls
投票率関係 http://www.oregonlive.com/today/index.ssf/2012/11/2012_election_voter_turnout_sh.html
NYT社説 http://www.nytimes.com/2012/11/07/opinion/president-obamas-majority.html?hp&_r=0

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【転載・声明】私たちは新しい都政に何を求めるか~「人にやさしい都政をつくる会」

2012-11-06 22:59:11 | その他(国内)
13年半もの長きにわたり、乱脈・私物化、弾圧、暴言・放言の限りを尽くしてきた「首都のファシスト」石原慎太郎が都知事を投げ出した。当ブログは、この憎むべき「国民の敵」、品性下劣な「自称指導者」の突然の退場を、その経緯や理由はどうあれ心の底から大歓迎するものである。

以下に紹介するのは、今日、ファシスト都政から都民本位の都政への転換を目指して急遽、結成された「人にやさしい都政をつくる会」が発表した声明である。これほど洗練された声明文は滅多にないと思う。

今後の課題は「石原亜流」に勝てる候補者の決定・擁立にあるが、3.11を経てもなお、このような独裁者を跳梁跋扈させ続け、退場させることができなかった首都・東京の運動の現状と力量に鑑みれば、その道は極めて厳しいだろう。

首都の心ある市民たちは、13年間、敗北を続けてきたみずからの限界を認識し、失敗を総括するとともに、出直し都知事選挙における勝利のため、速やかにその克服を実現しなければならない。

【参考】石原慎太郎の発言録(暴言集)

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レイバーネット日本」サイトより

<声明>私たちは新しい都政に何を求めるか

惨憺たる石原都政の一三年半であった。

福祉は切り縮められ、都立病院は次々と統廃合された。都民の安心を奪い、人々を生き難くさせて切り詰めたお金は、都市再開発や道路建設に回され、知事が旗を振るオリンピック誘致や新銀行に無意味に蕩尽された。

惨状を極めたのが、教育現場である。民主主義が破壊され、強制と強要と分断が横行した。教師たちは誇りを踏みにじられ、精神を病み、教壇を離れていった。子どもたちは競争に追いやられ、教室は荒んだ。都立大学は破壊されてしまった。

知事の思いつきと独善、押し付け、決め付け、他者を命令・服従の対象としか見ることができない貧困な想像力、剥き出しの偏見と差別意識、公私混同、乱暴な言葉――それらが多くの人の心を傷つけ、公正と公平を貶め、排外主義を助長し、弱い者をさらに追い詰め、社会を荒廃させた。

昨年3月11日の東日本大震災と福島原発事故は、改めて私たちに、原発に依存する暮らしのあり方、社会のあり方に反省を迫るものだった。福島や新潟にある原発から生まれた電気は、ほとんどすべて東京など、首都圏に送られ、使われているのだ。震災と原発事故直後の石原知事の発言は、「津波をうまく利用して、我欲を洗い流す必要がある。これはやっぱり天罰だと思う」という驚くべきものだった。さらに、原発事故による未曾有の被害が徐々に明らかになり、おびただしい人々が避難生活を余儀なくされているとき、市民の間で広がり始めた脱原発運動を罵倒しつづけてきた。

そして最後は、東京都政とは何の関係もない尖閣問題に火をつけ、日中関係を極度に悪化させ、経済を大混乱させたのである。その挙句、何の責任も取ることなく、知事職を放り出した。この尖閣問題の経過ほど、石原都政の年月を象徴しているものはない。

来る都知事選は、このような都政と訣別し、人々が人間らしく生きられる街、平和と人権を尊び、環境と福祉を重視する、いわば「当たり前の都政」に転換する絶好の機会であると私たちは考える。

石原都政の継続や亜流を、決して許してはならない。

自治とは、住民の暮らしを守り、福祉を増進させることを本旨とする。教育とは、自ら学び考え、議論を深め、合意を作り上げていく、民主社会の次の担い手を育てることである。東京都政を、こうした自治の原点に戻さなければならない。荒れ果てた教育現場を建て直し、次の世代と私たちの未来を救わなければならない。

あまりにも、いまの時代は人々が生きづらい。失業、非正規労働、過労、格差・貧困の拡大と福祉の切り下げによって、若者も子育て世代も高齢者も苦しんでいる。その上、国政は、混迷、混乱に加えて右傾化の度合いを増し、改憲や集団的自衛権の行使、近隣諸国との紛争に突き進んでいるように見える。この流れを止めなければならない。

いま、東京都知事を変えることは、日本の右傾化を阻止する力になると私たちは考える。
では、どのような都知事を私たちは求めるか。

第一は、日本国憲法を尊重し、平和と人権、自治、民主主義、男女の平等、福祉・環境を大切にする都知事である。

第二は、脱原発政策を確実に進める都知事である。石原知事は、原発問題を「ささいな問題」と呼んだが、冗談ではない。東京都民は福島原発からの電気の最大の消費者であり、東京都は東京電力の最大の株主だ。福島原発事故の結果、豊かな国土が長期にわたって使えなくなり、放射能汚染による被害は、むしろこれから顕在化する。原発事故と闘い、福島をはじめとするこの事故の被害者を支えることは東京都と都民の責任である。これまで原発推進政策を推し進めてきた政官業学の原子力ムラと闘うことは、この国の未来を取り戻すことである。政府、国会、経産省、東電を抱える東京での脱原発政策は、国全体のエネルギー政策を変えることになる。

第三は、石原都政によってメチャメチャにされた教育に民主主義を取り戻し、教師に自信と自律性を、教室に学ぶ喜びと意欲を回復させる都知事である。

第四は、人々を追い詰め、生きにくくさせ、つながりを奪い、引きこもらせ、あらゆる文化から排除させる、貧困・格差と闘う都知事である。

以上のような都知事を私たちは心から求める。このような都知事を実現するため、私たちは全力で努力する。

2012年11月6日

赤石千衣子
雨宮処凛
池田香代子
稲葉剛
上原公子
内田雅敏
内橋克人
宇都宮健児
大江健三郎
岡本厚
荻原博子
奥平康弘
海渡雄一
鎌田慧
河添誠
北村肇
木村結
小森陽一
斎藤駿
斎藤貴男
早乙女勝元
佐高信
佐藤学
澤田猛
澤藤統一郎
柴田徳衛
品川正治
杉原泰雄
高田健
俵義文
崔善愛
辻井喬
暉崚淑子
寺西俊一
中山武敏
西谷修
堀尾輝久
前田哲男
山口二郎
渡辺治
以上、40 名
(11 月5 日23 時現在)

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北海道出張から帰宅しました

2012-11-02 20:33:53 | 日記
とりあえず、北海道出張から帰りました。

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