法務問題集

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憲法 > 国民 > 身体的自由権 > 住居の不可侵

2011-07-13 00:00:00 | 憲法 > 国民の権利・義務等
【問題】
01. 車両にGPS端末を秘かに装着する捜査手法は、車両使用者の行動を継続的・網羅的に把握するものだが、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりする手法と本質的に異ならず、憲法が保障する私的領域を侵害するものではない。

02. 憲法は住居や書類、所持品について侵入や捜索、押収を受けることのない権利を定めるが、その保障対象には住居や書類、所持品に限らずこれらに準ずる私的領域に侵入されることのない権利が含まれる。

【解答】
01. ×: 最判平29.03.15 理由3(1)
(略)このような捜査手法は、個人の行動を継続的、網羅的に把握することを必然的に伴うから、個人のプライバシーを侵害し得るものであり、また、そのような侵害を可能とする機器を個人の所持品に秘かに装着することによって行う点において、公道上の所在を肉眼で把握したりカメラで撮影したりするような手法とは異なり、公権力による私的領域への侵入を伴うものというべきである。(略)

02. ○: 最判平29.03.15 理由3(2)
(略)憲法35条は、「住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を 受けることのない権利」を規定しているところ、この規定の保障対象には、「住居、書類及び所持品」に限らずこれらに準ずる私的領域に「侵入」されることのない権利が含まれるものと解するのが相当である。(略)

【参考】
日本国憲法第35条 - Wikipedia