学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

時代を行き来する

2009-12-11 21:08:17 | その他
昨日から、なんだかどうも頭の中がもやもやしています。疲れがたまったかな、と思って、昨日は随分早く寝たのだけれど、あまり良くならず。物事に集中できなくって、こまります。今週はイベント尽くめの一週間なので、やはり疲れがたまっている、そう解釈して次の休日まで頑張ります。

前の休日。図書館から私の住む街の古い地図(昭和30年です)を借りてきて、今の街並みとどう変わっているのか、実際にこの眼で楽しんでこようと街をぶらりと歩いてきました。この街にはかつて映画館が3箇所もあって、とても多くの人でにぎわったそうです。年配の方にお話を伺うと、昔は良かったんだよ、とおっしゃいますが、おそらくこの昭和30年頃のことなのでしょう。今は映画館もまったく面影がなく、商店街もいわゆるシャッター通りになってしまっています。昭和30年の地図と現在を比較するとお店の数も激減しており、ぼろぼろになってしまったかつての看板だけが今は軒先にさびしそうに掲げられています。さすがに50年の歳月は大きいものがありました。

といっても、悲観することばかりではなく、変わらないものもあります。江戸時代に作られた御堂。透かし彫りがとても見事で、職人の腕、歴史の重みを感じさせます。また、弁天様の御堂もまた素晴らしいものでした。かつて、この街は至る所に湧き水があったそうです。弁天様のお堂はその名残。御堂の周りは水堀でして、池には鯉、浮き木には亀がひなたぼっこをしていました。のんびりとした調子、とても良いですね!

昔の地図を片手に街を歩く。まるで時代を行き来するような面白さがあります。みなさんの街でもぜひお試し下さいませ!