今日は寒くて、風の強い一日でしたが、部屋のなかに入ってくる陽気はとても暖かく気持ちが良かったです。掃除をして、買い物へ出かけて、本を読んで、のんびりとした休日でした。
さて、読み終えた本はアメリカの作家フォークナー(1897~1962)の『サンクチュアリ』です。あらすじは次の通り。酒に酔ったガヴァン(男性)は、女学生テンプルと共にウイスキー密造所へやってきます。ここにいるのは、一癖も二癖もありそうな人間たちばかり。そのなかでウイスキー密売人であるグッドウィンの内縁の妻で、唯一の女性ルービーは、同性のテンプルへ「夜になる前に逃げろ」と盛んに警告します。しかし、一人では逃げる勇気のないテンプル。しかも、一緒に来たガヴァンは、案の定酒に溺れて動けず。そして夜となって悲劇が…。
物語前半、ウイスキー密造所を舞台にしたミステリーは、読者をぐいぐい本の世界へ引き込んできます。後半はやや落ち着く調子でしょうか。(話の内容は決して大人しくはないのですが)また、だいたいの物語には主人公というのがいますが、『サンクチュアリ』は登場人物の全員が主人公の可能性を持った小説であるように感じました。これは、登場人物が個性的であるうえ、小説の流れや書き方に特徴があるせいだと思います。
あと…極めて感覚的なことなのですが、フランスの画家アンリ・ルソーの世界観と近いものが何かあるんではないかなと。登場人物たちの姿や物語の舞台など、頭の中でルソーの絵を思い浮かべていくと、かなり私のなかでしっくり来ます。ポパイは《サン・クルー橋近くの野辺の捨て子》に出てくる男性、ポパイと弁護士ベンボウの出合った泉付近は《ライオンを狩る人》のような場所だったのではないか…など、勝手なイメージがわいてきます。全く論理的ではありませんが、直感を書いてみました。『フォークナーとルソー、世界観の同一性』なんて論文は世界で誰も発表していないでしょう。いっそ書いてみようか…無理ですね(笑)
次はフォークナーの『響きと怒り』を読んでみたいと思います。
●『サンクチュアリ』フォークナー 加島祥造訳 新潮文庫 1973年
さて、読み終えた本はアメリカの作家フォークナー(1897~1962)の『サンクチュアリ』です。あらすじは次の通り。酒に酔ったガヴァン(男性)は、女学生テンプルと共にウイスキー密造所へやってきます。ここにいるのは、一癖も二癖もありそうな人間たちばかり。そのなかでウイスキー密売人であるグッドウィンの内縁の妻で、唯一の女性ルービーは、同性のテンプルへ「夜になる前に逃げろ」と盛んに警告します。しかし、一人では逃げる勇気のないテンプル。しかも、一緒に来たガヴァンは、案の定酒に溺れて動けず。そして夜となって悲劇が…。
物語前半、ウイスキー密造所を舞台にしたミステリーは、読者をぐいぐい本の世界へ引き込んできます。後半はやや落ち着く調子でしょうか。(話の内容は決して大人しくはないのですが)また、だいたいの物語には主人公というのがいますが、『サンクチュアリ』は登場人物の全員が主人公の可能性を持った小説であるように感じました。これは、登場人物が個性的であるうえ、小説の流れや書き方に特徴があるせいだと思います。
あと…極めて感覚的なことなのですが、フランスの画家アンリ・ルソーの世界観と近いものが何かあるんではないかなと。登場人物たちの姿や物語の舞台など、頭の中でルソーの絵を思い浮かべていくと、かなり私のなかでしっくり来ます。ポパイは《サン・クルー橋近くの野辺の捨て子》に出てくる男性、ポパイと弁護士ベンボウの出合った泉付近は《ライオンを狩る人》のような場所だったのではないか…など、勝手なイメージがわいてきます。全く論理的ではありませんが、直感を書いてみました。『フォークナーとルソー、世界観の同一性』なんて論文は世界で誰も発表していないでしょう。いっそ書いてみようか…無理ですね(笑)
次はフォークナーの『響きと怒り』を読んでみたいと思います。
●『サンクチュアリ』フォークナー 加島祥造訳 新潮文庫 1973年