NHKが入手した資料によれば、1号機は3月11日夜までに原子炉の水が核燃料が露出する直前まで減り、「冷やす機能」を十分に保てなかった。
この資料には、3月11日に福島第一原発の1号機から3号機で測定された原子炉の「水の高さ」や「圧力」などの値が示されている。しかし、東京電力などは、これまで地震の翌日以降の値しか公表してこなかった。
1号機・・・・11日、すべての電源喪失。11日21時半、原子炉の中で核燃料が露出するまで水の高さが残り45センチ(通常の10分の1程度に減少)。地震後18時間ほどで核燃料が水から露出。
2号機・・・・11日、すべての電源喪失。非常用の装置で原子炉を冷却、水の高さ4メートル前後を維持。地震後1日半から3日程度で核燃料が水から露出。
3号機・・・・2号機と同じ。
「1号機では、『冷やす機能』が維持できなくなったあと、さらに水が減り核燃料が露出したことで、地震の翌日という早い段階で水素爆発が起きたのではないか」(関村直人東大教授)。
東京電力いわく、「調査はこれからで詳しいことは分からない」【注】。
以上、「1号機 震災の夜に燃料露出直前」(2011年4月8日7時17分 NHKオンライン)に拠る。
【注】8日、東京電力は、福島第一原発1~3号機に係る3月11日の炉内データを公表した。1号機の水位は、11日21時半、燃料上端から45センチまで下がった。炉内の圧力を減らしたら上昇に転じた。水位は、12日7時ごろから再び低下。非常用復水器が機能しなくなったと推定される。8時36分、燃料の上端に到達。午後、燃料が1.7メートル露出した状態が続き、15時半ごろ爆発した(2011年4月8日13時46分 asahi.com)。
*
半減期8日のヨウ素は、4月5日現在、地震からすでに3週間以上経っているのだから10分の1に減ってよいはずだ。それが減らないまま増えている。
タービン建屋の地下水の放射性核種の分析をしたとき、塩素38が検出された。「再臨界」が起きているのでないと説明がつかない現象だ。ただ、測定が誤っている可能性が、まだある。
原子炉から漏れている水は、タービン建屋に直結して流れてきている。タービン建屋の水を分析する必要があるが、現場に行くのは難しい。被曝しなければ行けない。
圧力容器に水を入れて原子炉を冷やそうとしてきたのだが、炉心はもうほとんど裸になっている、とデータは示す。圧力容器の底には、たぶん水がある。その状態で炉心で被覆管が形を失って燃料棒のペレットがたまって、崩壊熱と再臨界の熱が出ているのではないか。そうなるとウランのペレットがどんどん融けていく。融けた状態で圧力容器の底に残っている水の上に落下すると、水蒸気爆発が起こる。
注水は、もちろん続けなければいけない。だが、たぶんホウ素(核分裂反応を抑える化学物質)の注入量が少なすぎるのだろう。
再臨界の危険が一番大きいのは1号機だ。ただし、2、3号機でも炉心が融けたら同じだ。全部、ホウ素を入れて冷やさないといけない。
以上、「京大原子炉・小出裕章『再臨界の可能性』」(たねまきジャーナル・MBS毎日放送ラジオ)に拠る。
↓クリック、プリーズ。↓

この資料には、3月11日に福島第一原発の1号機から3号機で測定された原子炉の「水の高さ」や「圧力」などの値が示されている。しかし、東京電力などは、これまで地震の翌日以降の値しか公表してこなかった。
1号機・・・・11日、すべての電源喪失。11日21時半、原子炉の中で核燃料が露出するまで水の高さが残り45センチ(通常の10分の1程度に減少)。地震後18時間ほどで核燃料が水から露出。
2号機・・・・11日、すべての電源喪失。非常用の装置で原子炉を冷却、水の高さ4メートル前後を維持。地震後1日半から3日程度で核燃料が水から露出。
3号機・・・・2号機と同じ。
「1号機では、『冷やす機能』が維持できなくなったあと、さらに水が減り核燃料が露出したことで、地震の翌日という早い段階で水素爆発が起きたのではないか」(関村直人東大教授)。
東京電力いわく、「調査はこれからで詳しいことは分からない」【注】。
以上、「1号機 震災の夜に燃料露出直前」(2011年4月8日7時17分 NHKオンライン)に拠る。
【注】8日、東京電力は、福島第一原発1~3号機に係る3月11日の炉内データを公表した。1号機の水位は、11日21時半、燃料上端から45センチまで下がった。炉内の圧力を減らしたら上昇に転じた。水位は、12日7時ごろから再び低下。非常用復水器が機能しなくなったと推定される。8時36分、燃料の上端に到達。午後、燃料が1.7メートル露出した状態が続き、15時半ごろ爆発した(2011年4月8日13時46分 asahi.com)。
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半減期8日のヨウ素は、4月5日現在、地震からすでに3週間以上経っているのだから10分の1に減ってよいはずだ。それが減らないまま増えている。
タービン建屋の地下水の放射性核種の分析をしたとき、塩素38が検出された。「再臨界」が起きているのでないと説明がつかない現象だ。ただ、測定が誤っている可能性が、まだある。
原子炉から漏れている水は、タービン建屋に直結して流れてきている。タービン建屋の水を分析する必要があるが、現場に行くのは難しい。被曝しなければ行けない。
圧力容器に水を入れて原子炉を冷やそうとしてきたのだが、炉心はもうほとんど裸になっている、とデータは示す。圧力容器の底には、たぶん水がある。その状態で炉心で被覆管が形を失って燃料棒のペレットがたまって、崩壊熱と再臨界の熱が出ているのではないか。そうなるとウランのペレットがどんどん融けていく。融けた状態で圧力容器の底に残っている水の上に落下すると、水蒸気爆発が起こる。
注水は、もちろん続けなければいけない。だが、たぶんホウ素(核分裂反応を抑える化学物質)の注入量が少なすぎるのだろう。
再臨界の危険が一番大きいのは1号機だ。ただし、2、3号機でも炉心が融けたら同じだ。全部、ホウ素を入れて冷やさないといけない。
以上、「京大原子炉・小出裕章『再臨界の可能性』」(たねまきジャーナル・MBS毎日放送ラジオ)に拠る。
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