首都圏を中心とする東日本で、品薄の食品は次のとおり。
品薄の原因は、大別すると三つ。第一、製造工場の被災。第二、原料、包装資材の不足。第三、計画停電による生産量の大幅な低下。
なお、(a)品薄の背景、(b)回復のめど、(c)予測・・・・の順に記す。
●ミネラルウォーター
(a)救援物質に使われるため、また、水道水汚染の懸念があって需要が爆発的に拡大した。しかも、キャップメーカー2社が被災で生産停止した。供給は平時の7割に。商品ごとにキャップのデザインやサイズが異なる多品種少量生産のため、増産は容易ではない。
(b)特例の規制緩和で韓国などから輸入が増加した。フランスへ緊急発注した分は、5月中旬から供給を開始する。消費者の水道水離れで、受給逼迫状況が当分続く。
(c)6月から回復傾向の見こみ。
●ビール
(a)大手4者で7工場が被災し、製造中止。缶の上フタの供給も停滞し、缶ビールの製造に支障が生じている。メーカーは計画出荷中。
(b)4月から被災工場が再稼働(一部、再開が未定)。業界全体、全国的に製造余力がある。夏には供給体制が整う。
(c)夏には回復の見こみ。
●牛乳
(a)紙パック製造大手2社の工場が被災した。ラベルを印刷するインクも不足している。首都圏消費の2割を担う福島県と茨城県の牛乳供給停止も影響した。4月に入り、学校給食が始まったことも需給を逼迫させている。
(b)紙パックは台湾から輸入を開始した。操業再開の工場も出てきた。4月に入り、小売業者は西日本や北海道から調達を開始し、店頭での品薄はかなり改善している。
(c)5~6月に回復の見こみ。
●ヨーグルト
(a)東北・北関東の被災工場が多い。生乳が牛乳製造に優先的に回るため、原料が不足する。停電で発酵や冷蔵が行えず、生産効率が極端に悪化している。平時の2割しか供給がない。
(b)平時に回復するめどが立たない。
(c)回復の見こみは当面ない。
●納豆
(a)首都圏の主な供給源だった茨城県や千葉県の大手メーカー2社(タカノフーズ、ミツカン)を含む複数の工場被災が影響している。包装材や容器が不足している。停電で大豆の発酵が行えず、生産効率が悪化している。
(b)大手メーカーの工場は徐々に再開し、供給は上向く。小売りは西日本から調達開始。極端な品薄感は減少の傾向にある。
(c)5月に回復の見こみ。
●鶏卵
(a)鶏卵の大産地、東北・北関東で養鶏農家・工場が多数被災した。沿岸部の飼料工場・倉庫の被害も大きい。被災を免れた農家も、飼料不足が鶏卵生産に影響している。
(b)西日本からの調達で店頭の品薄感が解消しつつある。ただし、東北・北関東の出荷平常化へのめどが立たず、価格は高めだ。
(c)5月回復、ただし高値の見こみ。
●アイスクリーム
(a)計画停電で取扱いを中止する店舗が出現した。ただし、需要減少期なので需給逼迫はない。工場も創業停止で生産を減らしている。原料の牛乳も不足している。
(b)消費ピークとなる夏場が課題だ。店舗や冷凍設備における停電対策のめどが立たない。例年は夏に向けて生産量を増やすが、現時点での生産量低下が多大な悪影響を及ぼす。
(c)夏に不安がある。
以上、記事「食の安心・安全は守られるか」(「週刊ダイヤモンド」2011年4月23日号)に拠る。
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品薄の原因は、大別すると三つ。第一、製造工場の被災。第二、原料、包装資材の不足。第三、計画停電による生産量の大幅な低下。
なお、(a)品薄の背景、(b)回復のめど、(c)予測・・・・の順に記す。
●ミネラルウォーター
(a)救援物質に使われるため、また、水道水汚染の懸念があって需要が爆発的に拡大した。しかも、キャップメーカー2社が被災で生産停止した。供給は平時の7割に。商品ごとにキャップのデザインやサイズが異なる多品種少量生産のため、増産は容易ではない。
(b)特例の規制緩和で韓国などから輸入が増加した。フランスへ緊急発注した分は、5月中旬から供給を開始する。消費者の水道水離れで、受給逼迫状況が当分続く。
(c)6月から回復傾向の見こみ。
●ビール
(a)大手4者で7工場が被災し、製造中止。缶の上フタの供給も停滞し、缶ビールの製造に支障が生じている。メーカーは計画出荷中。
(b)4月から被災工場が再稼働(一部、再開が未定)。業界全体、全国的に製造余力がある。夏には供給体制が整う。
(c)夏には回復の見こみ。
●牛乳
(a)紙パック製造大手2社の工場が被災した。ラベルを印刷するインクも不足している。首都圏消費の2割を担う福島県と茨城県の牛乳供給停止も影響した。4月に入り、学校給食が始まったことも需給を逼迫させている。
(b)紙パックは台湾から輸入を開始した。操業再開の工場も出てきた。4月に入り、小売業者は西日本や北海道から調達を開始し、店頭での品薄はかなり改善している。
(c)5~6月に回復の見こみ。
●ヨーグルト
(a)東北・北関東の被災工場が多い。生乳が牛乳製造に優先的に回るため、原料が不足する。停電で発酵や冷蔵が行えず、生産効率が極端に悪化している。平時の2割しか供給がない。
(b)平時に回復するめどが立たない。
(c)回復の見こみは当面ない。
●納豆
(a)首都圏の主な供給源だった茨城県や千葉県の大手メーカー2社(タカノフーズ、ミツカン)を含む複数の工場被災が影響している。包装材や容器が不足している。停電で大豆の発酵が行えず、生産効率が悪化している。
(b)大手メーカーの工場は徐々に再開し、供給は上向く。小売りは西日本から調達開始。極端な品薄感は減少の傾向にある。
(c)5月に回復の見こみ。
●鶏卵
(a)鶏卵の大産地、東北・北関東で養鶏農家・工場が多数被災した。沿岸部の飼料工場・倉庫の被害も大きい。被災を免れた農家も、飼料不足が鶏卵生産に影響している。
(b)西日本からの調達で店頭の品薄感が解消しつつある。ただし、東北・北関東の出荷平常化へのめどが立たず、価格は高めだ。
(c)5月回復、ただし高値の見こみ。
●アイスクリーム
(a)計画停電で取扱いを中止する店舗が出現した。ただし、需要減少期なので需給逼迫はない。工場も創業停止で生産を減らしている。原料の牛乳も不足している。
(b)消費ピークとなる夏場が課題だ。店舗や冷凍設備における停電対策のめどが立たない。例年は夏に向けて生産量を増やすが、現時点での生産量低下が多大な悪影響を及ぼす。
(c)夏に不安がある。
以上、記事「食の安心・安全は守られるか」(「週刊ダイヤモンド」2011年4月23日号)に拠る。
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