NHK水野倫之解説委員は、原発の安全性や放射能汚染の危険度について、歯に衣を着せない。
一見地味な風貌だが、落ち着いた語り口、敢然と政府や東電に物を言う姿勢が、「安定感があって頼もしい」と好評を博している(NHK職員)。
3月12日、福島第一原発1号機が水素爆発を起こしたとき、民放を含めた各局に登場した“識者”は、それでも「憂慮するような事態ではない」と強調し続けた。しかし、水野解説委員は、「これは非常に深刻な事態だ」と断言し、政府と東京電力の対応に疑問がある、と指摘した。
ところが、その後しばらくして水野解説委員が画面に登場する機会が急に減り、3月下旬頃には、姿を見せてもあの明瞭な発言がすっかり影をひそめていた。
圧力をかけられたのだ。事故の深刻度を断言した直後、原子力・電力関係者から「不安を煽っている」と叩かれた。原子力の専門家なる大学教授や研究者からは、「技術者でもないクセに」と猛烈な批判を浴びた。
しかし、いまや、批判していた「専門家」たちは沈黙を守っている。
3月27日放送のNHKの特番で、水野解説委員は述べた。「良いことも悪いことも伝えなければならない」
以上、記事「『言い過ぎ』と圧力をかけられたNHK水野解説委員」(「週刊現代」2011年4月23日号)に拠る。
*
原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官は、地震の翌日の12日午後2時、福島第一原発1号機で「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたのだ。燃料が溶けて漏れ出たと考えられる。1号機は、核燃料棒を冷やしていた水位が下がって露出していた、うんぬん【注】。
【注】記事「福島第1原発『炉心溶融が進んでいる可能性』 保安院」(2011年3月12日15:30 日本経済新聞電子版)
中村審議官は、東大工学部出身の技術キャリアである。震災翌日に、すでに危機的な事態を認識していたわけだ。
ところが官邸は、「国民に不安を与えた」と問題視し、中村審議官を会見担当からはずせ、と経産省に指示した。
後任は、かの西山英彦審議官である。
以上、記事「国難を政治利用する『死の大連立』 『大震災翼賛会』」(「週刊ポスト」2011年4月15日号)に拠る。
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「どんなにいいにくくともいわねばならぬ真実というものはある」(大岡昇平『レイテ戦記』)
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一見地味な風貌だが、落ち着いた語り口、敢然と政府や東電に物を言う姿勢が、「安定感があって頼もしい」と好評を博している(NHK職員)。
3月12日、福島第一原発1号機が水素爆発を起こしたとき、民放を含めた各局に登場した“識者”は、それでも「憂慮するような事態ではない」と強調し続けた。しかし、水野解説委員は、「これは非常に深刻な事態だ」と断言し、政府と東京電力の対応に疑問がある、と指摘した。
ところが、その後しばらくして水野解説委員が画面に登場する機会が急に減り、3月下旬頃には、姿を見せてもあの明瞭な発言がすっかり影をひそめていた。
圧力をかけられたのだ。事故の深刻度を断言した直後、原子力・電力関係者から「不安を煽っている」と叩かれた。原子力の専門家なる大学教授や研究者からは、「技術者でもないクセに」と猛烈な批判を浴びた。
しかし、いまや、批判していた「専門家」たちは沈黙を守っている。
3月27日放送のNHKの特番で、水野解説委員は述べた。「良いことも悪いことも伝えなければならない」
以上、記事「『言い過ぎ』と圧力をかけられたNHK水野解説委員」(「週刊現代」2011年4月23日号)に拠る。
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原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官は、地震の翌日の12日午後2時、福島第一原発1号機で「炉心溶融が進んでいる可能性がある」と発表した。発電所の周辺地域から、燃料の核分裂に伴うセシウムやヨウ素が検出されたのだ。燃料が溶けて漏れ出たと考えられる。1号機は、核燃料棒を冷やしていた水位が下がって露出していた、うんぬん【注】。
【注】記事「福島第1原発『炉心溶融が進んでいる可能性』 保安院」(2011年3月12日15:30 日本経済新聞電子版)
中村審議官は、東大工学部出身の技術キャリアである。震災翌日に、すでに危機的な事態を認識していたわけだ。
ところが官邸は、「国民に不安を与えた」と問題視し、中村審議官を会見担当からはずせ、と経産省に指示した。
後任は、かの西山英彦審議官である。
以上、記事「国難を政治利用する『死の大連立』 『大震災翼賛会』」(「週刊ポスト」2011年4月15日号)に拠る。
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「どんなにいいにくくともいわねばならぬ真実というものはある」(大岡昇平『レイテ戦記』)
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