(1)安倍官邸は、もともと何かと政権に対して批判的な「報道ステーション」に不満を抱いていた。
古賀茂明氏に対して最初に怒りを爆発させたのは、
1月23日の「報道ステーション」
についてだ。ちょうど「イスラム国」に拘束された後藤健二さんの安否が懸念されていた頃だ。コメンテーターとして出演していた古賀氏が、安倍政権の外交政策を批判して「アイ・アム・ノット・安倍」と発言した。
官邸サイドから、番組放送中に、報道局幹部へ連絡が入った。テレビ朝日は大騒ぎになった。
上層部が担当プロデューサーを強く叱責した、とされる。そのプロデューサーは結局、番組から外された。
(2)テレ朝を怖がらせたのは、古賀氏の「アイ・アム・ノット・安倍」発言の後の2月、菅義偉官房長官が「オフレコ懇談」で発した一言だった。その詳細をネットメディア「リテラ」が伝えている。【注】
---(引用開始)---
Q 会見で出た、ISILの件でまったく事実と違うことを延々としゃべっていたコメンテーターというのはTBSなんでしょうか。
A いやいや、いや、違う。
Q テレビ朝日ですか?
A どことは言わないけど
Q 古賀茂明さんですか?
A いや、誰とは言わないけどね。(※肯定の反応) ひどかったよね、本人はあたかもその地に行ったかのようなことを言って、事実と全然違うことを延々としゃべってる。放送法から見て大丈夫なのかと思った。放送法がある以上、事実に反する放送をしちゃいけない。本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど。
---(引用終了)---
(3)テレ朝の上層部は、菅長官が「放送法」という単語を使ったことに青くなったはずだ。圧力と受け取った人もいるだろう。【民放関係者】
古賀氏は3月5日、ツイッターに「4月以降は、篠塚報道局長が出すなと言ったので出られなくなりました」と書き込んでいる。3月5日以前に、番組スタッフから降板を告げられていたのだ。
(4)古賀氏から、27日のテレ朝「報道ステーション」で「菅官房長官をはじめ官邸の皆さんからバッシングを受けた」と名指しで批判された菅長官は、3月30日の定例記者会見で、
「まったくの事実無根。放送法があるので、テレビ局がどのような対応を取るかしばらく見守りたい」
と圧力を全面否定。
しかし、これは菅長官の二枚舌を自ら証明することとなった。(2)のとおり、圧力の証拠がちゃんと残っていたからである。
(5)とはいえ、菅長官が再び“放送法”を口にしたことで、テレビ朝日はますます青くなったらしい。「報道ステーション」で安倍政権に批判的なコメントをしていたコメンテーターの恵村順一郎・朝日新聞論説委員も、降板させられた。
政権に対して批判的な「報道ステーション」は、担当プロデューサーが番組から外され、安倍政権に批判的な2人のコメンテーターも降板した。
かくて「テレビ朝日は官邸に全面降伏した」・・・・と、そう見る視聴者は、そう見ている。
(6)大手メディアは、安倍政権に対して弱腰に過ぎる。昨年、総選挙前に「中立な報道をしろ」と圧力ペーパーを突き付けられた時も、反論ひとつしなかった。最悪なのは、大手メディア全体に「自主規制」が広がっていることだ。政権から圧力を受ける前から、政権批判を控えている。民主主義を支えるのはジャーナリズムだ。メディアが政権を批判しなくなったら終わりだ」【山口朝雄・政治評論家】
【注】「【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~」の【注3】参照。
□記事「古賀氏「報ステ」降板の全貌 テレ朝が震えた菅長官の“ひと言”」(日刊ゲンダイ 2015年4月2日)
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【参考】
「【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~」
古賀茂明氏に対して最初に怒りを爆発させたのは、
1月23日の「報道ステーション」
についてだ。ちょうど「イスラム国」に拘束された後藤健二さんの安否が懸念されていた頃だ。コメンテーターとして出演していた古賀氏が、安倍政権の外交政策を批判して「アイ・アム・ノット・安倍」と発言した。
官邸サイドから、番組放送中に、報道局幹部へ連絡が入った。テレビ朝日は大騒ぎになった。
上層部が担当プロデューサーを強く叱責した、とされる。そのプロデューサーは結局、番組から外された。
(2)テレ朝を怖がらせたのは、古賀氏の「アイ・アム・ノット・安倍」発言の後の2月、菅義偉官房長官が「オフレコ懇談」で発した一言だった。その詳細をネットメディア「リテラ」が伝えている。【注】
---(引用開始)---
Q 会見で出た、ISILの件でまったく事実と違うことを延々としゃべっていたコメンテーターというのはTBSなんでしょうか。
A いやいや、いや、違う。
Q テレビ朝日ですか?
A どことは言わないけど
Q 古賀茂明さんですか?
A いや、誰とは言わないけどね。(※肯定の反応) ひどかったよね、本人はあたかもその地に行ったかのようなことを言って、事実と全然違うことを延々としゃべってる。放送法から見て大丈夫なのかと思った。放送法がある以上、事実に反する放送をしちゃいけない。本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど。
---(引用終了)---
(3)テレ朝の上層部は、菅長官が「放送法」という単語を使ったことに青くなったはずだ。圧力と受け取った人もいるだろう。【民放関係者】
古賀氏は3月5日、ツイッターに「4月以降は、篠塚報道局長が出すなと言ったので出られなくなりました」と書き込んでいる。3月5日以前に、番組スタッフから降板を告げられていたのだ。
(4)古賀氏から、27日のテレ朝「報道ステーション」で「菅官房長官をはじめ官邸の皆さんからバッシングを受けた」と名指しで批判された菅長官は、3月30日の定例記者会見で、
「まったくの事実無根。放送法があるので、テレビ局がどのような対応を取るかしばらく見守りたい」
と圧力を全面否定。
しかし、これは菅長官の二枚舌を自ら証明することとなった。(2)のとおり、圧力の証拠がちゃんと残っていたからである。
(5)とはいえ、菅長官が再び“放送法”を口にしたことで、テレビ朝日はますます青くなったらしい。「報道ステーション」で安倍政権に批判的なコメントをしていたコメンテーターの恵村順一郎・朝日新聞論説委員も、降板させられた。
政権に対して批判的な「報道ステーション」は、担当プロデューサーが番組から外され、安倍政権に批判的な2人のコメンテーターも降板した。
かくて「テレビ朝日は官邸に全面降伏した」・・・・と、そう見る視聴者は、そう見ている。
(6)大手メディアは、安倍政権に対して弱腰に過ぎる。昨年、総選挙前に「中立な報道をしろ」と圧力ペーパーを突き付けられた時も、反論ひとつしなかった。最悪なのは、大手メディア全体に「自主規制」が広がっていることだ。政権から圧力を受ける前から、政権批判を控えている。民主主義を支えるのはジャーナリズムだ。メディアが政権を批判しなくなったら終わりだ」【山口朝雄・政治評論家】
【注】「【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~」の【注3】参照。
□記事「古賀氏「報ステ」降板の全貌 テレ朝が震えた菅長官の“ひと言”」(日刊ゲンダイ 2015年4月2日)
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【参考】
「【古賀茂明】氏に対するバッシング ~テレ朝「報道ステーション」問題~」