語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【職】都労委、フランチャイズ加盟店主は「労働者」だ ~セブン、ファミマ連敗~

2015年04月29日 | 社会
 (1)4月16日、東京都労働委員会は、ファミリーマート(コンビニエンスストア第3位)のフランチャイズ(FC)加盟店主は、ファミマ本部の事業組織に組み込まれた労働者であり、
    「労働組合法上の労働者」
であると判断し、加盟店主との団体交渉に応じるよう命令書を出した。
 2014年3月、最大手のセブン-イレブン・ジャパンの加盟店主を労働者と判断したのに続く2例目。
 わが国を代表する二大チェーンのFC手法が糾弾され、連敗した。

 (2)FC加盟店主は「事業者」か「労働者」かという問題は、ファミリーマート加盟店ユニオン(岡山市)が2012年、都労委に不当労働行為で救済を申し立てていた。
   ・経営の自由がない。
   ・再契約時、本部の一方的判断で契約更新ができない。
など不当な扱いを受けてきたからだ。

 (3)命令書を見た瞬間、酒井孝典・執行委員長は、ガッツポーズをとり、語った。
 「全国の加盟店主の実態からみて当然だ。セブン-イレブンの岡山県労委につぐ2回目の判断に大きな意義がある」
 宮崎邦雄・弁護士は、指摘する。
 「ユニオンが法的に認知され、本部と対等な交渉ができるところに重要な意義がある」

 (4)酒井委員長は、会見後、ファミマ本社(都・池袋)を訪問し、幹部社員に会い、団体交渉申入書を手渡した。ファミマ本部は、「中央労働委員会に再審査の申し立てを行う予定」と説明した、という。

 (5)セブン、ファミマの加盟店主が相次いで訴えた背景には、フランチャイズの仕組みが経営の自由などなく、反抗すれば契約解除で使い捨てられる、という悲惨な実態がある。
 経営苦から夜逃げ、離婚、自己破産、自殺に追い込まれた店主も数え切れない。
 このたびの都労委の裁定は、労働実態を評価している。現在、中労委で審議中のセブン-イレブン事件の判断に大きな影響を与えそうだ。

□渡辺仁(ジャーナリスト)「セブン、ファミマ連敗の背景 都労委がフランチャイズ加盟店主は「労働者」と判断」(「週刊金曜日」2015年4月24日号)
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 【参考】
【経済】規制法が必要な業界 ~フランチャイズ商法の光と影~
【セブン-イレブン】詐欺まがい契約の実態の実例
【セブン-イレブン】詐欺まがい契約の実態 ~鈴木帝国の落日~
【経済】ファミリーマート本部のピンハネ ~裏リベート隠蔽の証拠~