さわやかな秋晴れの11月8日、群馬県甘楽町の「有機農業研究会」を訪問する
バス見学会を行いました。
参加者の多くは生ごみ堆肥作りをしていたり、ベランダや庭先、区民農園などで
花や野菜を育てて楽しんでいる人たちです。
見学させていただいた農家の方々からは、
良い堆肥の作り方、病害虫に負けない有機野菜の育て方、有機肥料の選び方使い方、
水の与え方等々、プロの技術を教えていただき、
メモを取りながら熱心に学ぶ姿が多くみられました。
最初に訪問したのは黒澤賢太郎さんの農場で
東京北区の公立小中学校60校の給食残渣を堆肥化しています。
できた堆肥で野菜を育て北区に運び、エコー広場館等で販売、
帰りには各学校で一次処理して粉末状になった給食残渣を積んで帰るという循環が
軌道に乗っています。
この事業により「有機農業研究会」は第39回日本農業賞優秀賞に輝いています。
写真 は黒澤さんの堆肥場です。
北区から運んできた1か月分の給食残渣(約1t)に籾殻や米ぬかを混ぜて藁をかけ、
その上から水をかけて水分を与え、発酵させています。
切り返しは少なくとも月1回は行うとのこと。
写真は半年程経っている完熟堆肥です。
いい堆肥は床下の匂いがすると教えていただき、匂いを嗅いでみました。
匂いは感じませんでした。
なだ万大根
黒澤さんが手にしているのは少し短めの大根、
名前を聞くと、「なだ万大根」と命名しているとのこと。
日本料理の老舗「なだ万」に卸している大根だそうです。
その大根を特別に参加者に分けていただきました。
葉もみずみずしく柔らかく、丸ごと美味しい大根でした。
昼食は「甘楽道の駅」にある古民家で、織田信雄弁当をいただきました。
甘楽町は織田信長の次男信雄の領地で、当時の庭園「楽山園」を見学できます。
小春日和の心地よい昼時、縁側で、また障子の柔らかい光の室内で
きびと雉肉の入った「もも太郎ご飯」がとても美味しかったです。
食後は有機農業研究会の会長新井俊春さんによる講演、
パワーポイントでたくさんの写真を見せていただきながら同会の成り立ちや活動、
土作り・野菜作り、病害虫対策等について丁寧に説明していただきました。
「堆肥作りは放線菌が繁殖すれば成功、切り返しをした時に、うどん粉のような粉が混じっていれば
それが放線菌で、いろいろな病気から守ってくれます。」
ポイントは放線菌なのですね
お話のすべてを書き留め記憶して、堆肥作りや菜園に活かしたい。
時間があればもっとゆっくりお話を聞きたかった、勉強になった
という参加者からの声がたくさんありました。
その後は時間が押してくる中、下仁田ネギを栽培する依田さん、
そして新井さんのワサビ菜や野沢菜の圃場を見学させていただきました。
下仁田ネギは11年も連作していますが病気が出ない、
かえって良くできるようになるとのお話でした。
有機農業は連作にも強いということでしょうか。
ふるさと農園
続いて都市と農村を結ぶ役割も果たしている、甘楽ふるさと農園の見学。
クラブハウスで、ふるさと農園での野菜作りや交流行事、
申し込み方法等について説明いただきました。
環境抜群で、ドイツのクラインガルテンのような施設です。
現在農園オーナーは109名、東京や県外からの申し込みが半数あるとのこと。
写真は休憩所付きの100坪の区画、
堆肥作りをしていると小さくても菜園がほしい、
できた堆肥を使ってみたいと思うのは自然のことで、
借りたい思いがいっぱいです。
楽山園
最後は国指定の名勝楽山園の見学。
江戸時代初期織田氏によって造られた大名庭園です。
盛りだくさんの見学会で、有意義な一日でした。
有機農業研究会の皆様、一日ご案内いただいた会長の新井さん
有り難うございました。(ikiiki)