夏にCNJフォーラムとラベンダーリングプロジェクトのイベントでメイクアップ&フォトに参加させて頂いた。
その時のアンケートでメイクアップのモニターになりませんか、という項目があり、私で何かお役に立てるのなら・・・と「イエス」と回答していた。
そんなことを忘れかけていた先日、ご担当の方からメールを頂戴し、会社に伺ってメイクを受け、その後自分で約2週間メイクをして、アンケートにご協力頂けないかというお誘いを頂いた。
ア ンケートはメイク前後と2週間後の計3回で、主に「メイクによる気持ちや日常生活の変化」について尋ねる内容だという。内容については、個人が特定されない形で国内外のWebなどに掲載することがあり、メイク当日に同意書に署名することになる、とのこと。
迷ったらなんでもトライを信条(!?)としている・・・というより、ただのやりたがり(と夫は言う。)なので、OKのお返事を差し上げて、訪問日を調整し、都心のビルまで伺った。
お洒落なビルで、中に入るのにちょっと気後れしてしまう。
1階の受付で名前を伝えると、ほどなくして担当のMさんが迎えに来てくださった。白い内ドアをカードキーで開けてエレベーターに乗り込み、5階へ。
白を基調とした落ち着いた個室にはゆったりしたソファーとテーブル、右正面には一面の大きな鏡、メイク道具が揃ったドレッサーになっている。こんな素敵なお部屋があるんですね、と思わず一言。ここならどなたに会うこともなく安心してメイクをお願い出来ますね、と思う。
今回は、がん治療の副作用に伴う色素沈着、眉毛や睫毛の脱毛、爪等の痛みを悩みとしてお応えしていたが、実際にはがん患者だけでなく火傷や傷跡、手術等のカバー等幅広い悩みに対応しておられる。
最初に同意書にサインをし、簡単なアンケートを2種類書き込むと、美容担当のAさんが入って来られ、鏡の前の椅子に移動する。
悩みをお話しながら、メイク(殆ど適当な自己流)を落として頂き、敏感肌用の化粧水と乳液、下地クリームをつけてからカバーファンデーションの色を選び、ファンデーションを気になる目の下等にポンポンと指で軽くたたくように置いていく。それだけで顔色が明るく変わっていく。右半分をAさんが見本に施してくださり、今度は左半分を自分で実習だ。びっくりするほど塗った感がなく半端ではないカバー力にびっくりする。こんなに目立たなくなるなんて、こんなに顔色が明るくなるなんて、と思わず笑みがこぼれる。
次にAさんが右半分にパウダーをはたくと一層肌が滑らかにフィットする感じ。こちらもパフをお借りして左半分を仕上げる。
本当に薄く塗っただけでこんなに、と笑顔になる。普段それほど濃いお化粧はしていないし、あまり不自然だとどうかな、と思っていたのだけれど、とても自然でカバー力はバッチリ。かつては色白だったというのが信じてもらえないほどシミやソバカスで色素沈着したくすみまくりの顔色が見事に隠れている。
ベースが出来たらアイメイクとチーク、リップまで仕上げてくださった。治療を重ねているうちにどうしても目の周りの粘膜が痛み、沁みたり涙目になったりするので・・・、と言うと、アイラインやマスカラはやめておきましょうね、ということで柔らかくアイシャドーをつけてくださる。これまた自然な感じで、ふんわりと明るい目元になった。チークのつけ方や位置も丁寧に教えてくださり、リップカラーも自然にリップライナーもこんなふうに、と色々アドバイス頂き、すっかり満足。
これまでお化粧の仕方等ろくに教えてもらったことがなかったが、ズボラだから面倒くさいものは続かないけれど、こんなに簡単なら私にもできそうです、とお礼の言葉が飛び出してくる。
お部屋に到着した時とは全く違う元気な顔になって(着いた時は結構草臥れ果てていた。)同じ2種類のアンケートをメイク後に記入。自分でも気持ちの高揚、メイクの効用を実感する。
実際に使用したファンデーション、パウダー、クレンジングの3点セットをお土産に頂き、この後2週間自宅でも試してその結果をアンケートで返送することになる。
当初のお話では、最大1時間半ほどかかります、ということだったけれど、アイライナー等を入れるフルメイクではなかったので1時間ほどですんなりと終了した。
カバーメイクアップでこんなに気分が良くなるとは。ただでさえ加齢でもろもろの劣化が進んでいるというのに更に抗がん剤治療等で追い打ちをかけられるような容姿の劣化。外見よりもいのちが大切でしょう、ということは十分理解しているけれど、それでも鏡を見る度に落ち込めば、どうしても治療に前向きになれない時がある。けれど、こんな力強い助っ人があれば、気持ちは随分と軽く明るくなるではないか。
がん患者にとってアピアランスケアは本当に大切、と実感している。
2週間後、すっかり気分が良くなって良い回答をお送り出来そうである。