ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.7.31 三者面談

2010-07-31 21:27:14 | 日記
 今日は息子と担任との初めての三者面談。ここ二日ほど厳しい暑さが一休み、とほっとしていたら、しっかりまた猛暑が戻ってきてしまった。
 開始時間はちょうど昼前、南中の時間か。私と一緒に歩くことなくどんどん先に行ってしまう息子を前方遠目に見ながら、学校に到着するまで強い日差しの中、アップダウンの多い通学路で息切れし、汗だくになった。
 この坂道の多い通学路を毎日重いかばんを持って往復しているだけでも大したものだ、と改めて思う。

 夫は先月の保護者会や学年主任厳重注意の際に既に担任と会っているが、私は電話でお話したことがあるだけで、お目にかかるのは今日が初めてだ。息子いわく今日の面談室は、ちょうど前回、厳重注意の事情聴取を受けたのと同じ部屋だったそうだ。面談室は4つあり、そのうち既に(厳重注意やら事情聴取やらで)3つ使ったことがあるそうで、「今回最後の1室が指定されれば全室制覇だったのに・・・」と意味もないことを言う息子である。

 せっかくの機会だったので、持ち時間一杯の45分をしっかり使い、息子には耳が痛かったかもしれないが、本音でお話してきた。担任からのコメントは前回の実力テストの結果と進路希望シートについて。その後、私から家での勉強の様子、生活態度、部活とのかかわり等についてなど思うことをお話した。
 息子は「お母さんに『余計なことは話さず、黙っていろ』と言ってわずか10分で終わった奴もいるのに、いろいろ延々と話しすぎだ!」と、かなりご不満の様子だった。
 担任から出された課題は、受験生としての自覚を持って中学数学の範囲で弱い分野の復習を、計画的にこの夏休みにきちんとつぶすこと、整理整頓が出来るようになることの2つだったが、どのくらい彼の頭に残っているのか、いささか心もとない。

 三者面談の後、「机に入れておいた教科書がなくなったから買ってよ。」(?!)と悪びれずに言う息子に、乗換駅の書店で「次回なくしたら自分のおこづかいで買うこと」と言いつつ買ってやり、別れた。
 それから、私はおよそ1年半ぶりに再会した友人と、ホテルのラウンジでアフタヌーンティー。4時間以上も時間を忘れて懐かしい人たちの昔話に花が咲いた。くしゃみをした方が沢山いるかもしれない。
 それにしても45分間の三者面談と4時間以上の友人との話が同じ長さに感じてしまうのが不思議なほど。

 帰宅すると、トイレと給湯器等水周りの工事が無事終わっていた。
 今日も熱帯夜か。殆ど1日出ずっぱりだった。明日もあけぼの会の勉強会。今日は早めに休まなくては。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010.7.30 ロッキングチェアに揺られて・・・いない毎日

2010-07-30 06:21:15 | 日記
 気がつけばずっとドタバタと走り続けてきて、40歳の声を聞いたかと思ったらあれよあれよと病気になった。1度体調を崩すと、不思議なことに負の螺旋。薬の副作用から病気が病気を呼び、病気の百貨店になる。だから少しでも早く元の生活に戻ろう、とまたドタバタ暮らしていたら、今度は再発・転移した。

 もちろん再発なんかしなくても生身の人間の命だから、当然限りがあるのだけれど。何の病気もない健康な人よりも間違いなく短くなった自分の人生の残り時間を、思った。

 だから、これからは少しのんびりまったり、と構えよう。日々に追われるドタバタ生活は一つしかない自分の体のためにもう辞めよう、ロッキングチェアに揺られるように、ちょっとくらい居眠りしたっていいじゃない、というつもりでこのブログの名前をつけた、というのは最初の頃書いたとおりだ。それなのに、気がつくとまた貧乏症がしっかりと顔を出している。当初予定では治療日プラスアルファで週2くらいのペースの更新で、と思っていたのが、今や更新は日課になっている。

 こうなってくると、根が単純なので、なんとなく1日ぐらいは、といっても休めない。書くことがなければ無理して書くことはないのだけれど、不思議と何かかにか浮かんでくる。以前週1、週2のペースで書いていた頃、あれもこれもと書きたいことが沢山あり、1回分がかなりの長文になってしまっていた。内容はやはり治療日記がメインで、日々考えること、思うことには殆ど触れられない感じだった。

 それでも毎日更新となると、テーマを絞って書けるのである程度の長さで止まる。もちろん1日800字とか1200字とか字数制限が設けられていると、それほど好きには書けないし、推敲にも時間がかかる。しかし、あくまで自由な話題で、自分が書きたいことを書きたい分量だけ書く、という極めてゆるい設定。だからこそこうして日々続けられるのだと思う。

 仕事ではないし、書かないからと言って原稿料が入らないとか、どなたかにご迷惑をかけるものでもない。ただ今の自分の気持ちを整理しておくため、私を案じてくれる友人・知人に今の自分の状況をお伝えするため、また、面と向かってはなかなか言えない感謝の気持ちを夫に伝えるため、そしていつか読んでくれる日が来るであろう(ことを期待して)息子のために書いている。

 それにしてもちっともロッキングチェアに揺られて・・・なんかいないなあ、と思う。トレーニングルームのランニングマシーンに乗っているようなものだ。そして、それも仕方ないのだな、と苦笑する。

 哀しいけれど、人間の本質などそうそう簡単には変えられないものだと思う。半世紀近く生きてきて、病気になったからといっても、そんなに急にコペルニクス的転換をするようには変われない。
 ただ、そのこと-少しでもペースダウンすること-を意識しているのとしていないのではやはり違うだろう。だから、いつもドタバタと駆け足でいる自分でなく、ロッキングチェアに揺られた自分をイメージしながら、日々折り合いをつけていく、ということなのだろう。

 息子は夏休みの理科の課題のため、友人と5人で上野の国立科学博物館に出かけるそうだ。去年の自由研究もなんともコメントのしようのない出来栄えだった。カメラだけ持っていけばいいんだ、と上野駅に写真でも撮りに行ってしまいそうな気配。ノートと筆箱だけ強引にバックに入れさせた。せっかくの友人との遠出、お天気が良くないのが気の毒だけれど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010.7.29 片づけられないのか片づけないのか

2010-07-29 19:53:16 | 日記
 とにかく紙の洪水である。机の上の表面がすぐに見えなくなる。いくらクリアファイルを与えようが、フラットファイルとパンチを渡そうが、一向に整理されない。どんどん堆積層のように重なっていくばかり。せめてもらったプリントには日付を入れておけ、と言ってもそれもしないから、どのプリントが新しいのか何の科目なのか、あたりはつけられても実際のところこちらにはわかりかねる。お手上げだ。

 こうしていろいろなサイズのプリントやらテスト類がこれでもか、これでもかと配られているが、一体どのくらいの生徒が自分できちんと整理整頓できているのだろう。とにかく息子にいたっては折り紙の基本ではないけれど、きちんと2つに折るところからしてなっていない。適当に、斜めに、ほぼ半分に折ってあるから、ただでさえ統一されていないサイズがもうプリントの数だけある、というレベル。思わずため息が漏れる。

 本人も私に触られることを嫌がるし、なるべくなら足の踏み場もないような息子の部屋に行きたくないし、片づけ出すとイライラするので、本音を言えば、美容と健康のために手を出したくないのだが、それでも見るに見かねてまとめたり、重ねたり。そしてもらったはずの試験範囲のプリントの捜索等、同じことの繰り返し。穴のあいたバケツに水を汲む囚人の刑を思い出す。徒労である。

 夫はエイヤとなんでも捨てるが、一方私はなかなか物が捨てられないたち。夫からは「あなたは今に病気で死ぬより早く紙類につぶされて死ぬのではないか。」とまで言われている。家事で何が不得意か、と言われれば掃除かなあ・・・とも思う。

 息子本人はいたって何も感じていない。なければないで、いいのだ、と開き直れるのが羨ましい。小心者の私はそれが出来ないのが、情けない。なんともはや、とほほ、である。

 さて、職場にも、近くにお片づけのとても苦手な職員がいる。机の表面が見えないのは息子と同じだ。机の下もどこもかしこも堆積層となった書類だらけ。ゴミ箱も溢れている。周りの人たちがいくら言っても本人はどこ吹く風。まあきちんとどこに何があるか解っていて書類をなくさない、というのなら問題ないのだが。それでも良好な職場環境を考えると決していいことではない。

 どうも息子がこの先こういうふうになるのでは・・・、と横目で見つつ気が気ではない。そんなことを思い患うとはやはりどう考えても過保護なのだろうが・・・。

 今日は久しぶりに朝から雨が降ったりやんだり。真夏日からも解放された。それでもかえってこれまでの暑さ疲れが出た感じで、体が重く感じる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010.7.28 ハーセプチン103回目

2010-07-28 20:58:00 | 治療日記
 今日も朝から暑い。最寄り駅に着くまでに一汗かいてしまう。電車は順調で時間通りに病院に到着。受付後30分ほどで診察室へ入った。
 今朝は、ワックスで前髪をボリュームアップして(病院に到着したときには残念ながら風に吹かれて大分ぺシャン、となってしまったけれど)思い切ってかつらを外して行った。先生から開口一番「髪が違いますね。」と。「(ようやくかつらを外して)自毛なのです。まだ前髪は少ないのですが・・・。」と言ったところ、先般の乳がん学会で、乳がん患者さんは抗がん剤治療の後、半数の人が髪の毛質が変わる、という発表があったとお話をされた。私もその報告はネットで読んでいた。毛質が変わる、そう、とてもちりちりの毛なのだ。そして毛量も少ない。結局のところ、2年経ってもかつらを外せない人が半数もいる、という内容だった。やはり私だけじゃないんだ、と思った。気安く「抜けてもまた生えてきますから・・・」とは言わないで欲しい、と改めて思う。
 昨日の職場の検診でバリウムを飲んだのでお腹の調子がいまいちで、と報告。食欲増進はそれほどでなく、体重もキープしているとお話した。今日はヒスロンHを処方して頂く日だが、「今の倍の1回2錠(1日6錠)まで増やせるけれど、どうしますか。」と訊かれ、「来月マーカーやレントゲンの結果を見てから(あまり良くなっていないようなら)にします。」とお答えした。今でもこの食欲だ。倍になったら、と思うとちょっとブルーである。しかも一度増やしたらずっとその量でいかなければならない。黄体ホルモン剤なので、体温も普段より高くなっている。
 処置室へ移動、一番奥の窓際の椅子を確保。今日は最初からベッド上で針刺をお願いした。やはり大分痛みが少ない。看護師さんに「やっぱり皆さん前髪と頭頂部が生えないというのよね。」と言われたので、かつら屋さんで聞いた女性ホルモンのお話をする。私は脱毛する前はかなり髪の毛が多かったのだが、今はシャンプーしても実に頼りないし、かつらを外すと正直スースーしてとても心もとない。
 血圧測定等した後、薬到着まで1時間ほど待ち無事に点滴開始した。

 今日は3冊読めた。
 1冊目は桐野夏生さんの「ローズガーデン」(講談社文庫)。表題作他3編の短編集。すべて主人公ミロの濃密な世界。17歳にして複雑な家庭環境から既に達観し、成人後は探偵を生業にしている主人公。それにしても毎回著者の筆力には圧倒される。
 2冊目は永江朗さんの「聞き上手は一日にしてならず」(新潮文庫)。「コミュニケーションの基本は、人の話を聞くこと。貴重な情報を聞き出すためには、どんな努力も惜しまないプロの聞き手10人が明かす秘訣とは何か。」という裏表紙のとおり、黒柳徹子さん、田原総一郎さん、松永真理さん等と著者の対談。特にノンフィクション・ライター小松成美さんの章にはとても惹き込まれた。聞き上手になりたい、と思う。
 3冊目は岡野雅行さんの「人生は勉強より『世渡り力』」だ! 腕<スキル>を生かす人づきあいの極意」(青春新書)。著者は世界で初めて針穴の直径が0.08ミリという世界一細い「痛くない注射針」をつくった人。(毎週針を刺される一患者としては感謝してもしきれない人だ。)墨田区向島の町工場の社長さんで、「世界一の職人」として知られる。チャキチャキの江戸っ子の話し言葉で、実に楽しく一気読み。村上龍さんも「世界一の職人である岡野さんは、『人と情報の使い方』でも世界有数の達人だ!」と太鼓判。

 さて、点滴終了後、会計でかなり時間がかかった。いつものように自動支払機に診察券を通すと、「会計窓口までお越しください」の表示が出て、行ったり来たり待たされた。その後、薬局に寄ったが、やはりとても混んでおり、待合椅子が満席だった。

 結局今日もまたほぼおやつの時間にランチ。
 風も強く日差しも強く、日傘を飛ばされないように一生懸命歩いて帰宅した。こう暑いと1日がかりの通院はかなり体力を消耗してしまう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010.7.27 職場健康診断

2010-07-27 20:47:56 | 日記
 毎年、7月の最終週に丸々1週間かけて職場で健康診断がある。かつてこの仕事を担当していたこともあるので、この暑い季節に1,000人を優に超える教職員の検診を無事マネジメントする大変さはよくわかっているつもりだ。

 今年、受診票が届いたところ、様式が違っていたのでこれまでの業者が契約の相手先ではないことに気付いた。よく見ると5年前、大学が法人化した最初の年に契約した業者だった。当時、大学で独自にこうした健診を実施するのは初めてであり、先方も勝手がわからず、お互い手さぐりで大変な思いをした記憶がある。
 先方にもこちらにもノウハウがなく、変更に変更が続き、かなり綱渡りでの実施だった。
 それまでの健診記録も引き継ぐことができなかったので、教職員の誰彼から不満の声が聞こえた。

 翌年から担当者の頑張りでそれまでのノウハウをもった業者と契約することができ、無事進捗していたのだと思っていたのだが。昨年度から入札になったとは聞いていたけれど、こうした教職員の健康にかかわる契約はやはり安かろう悪かろうでは許されまい。

 これまで4年間続いた業者さんは実にシステマティックにてきぱき、という感じだったが、今日はどちらかといえばおっとり・・・、という感じだった。まあ、どんどん前のめりになるほど焦って追いまくられることもないので、それはそれで良かったのだろう。イライラは不思議なことに怖いほど伝染する。朝食抜きで待ち時間が長く、皆、ただでさえ気が立っているのだから。

 データの継続性がない、となると毎年同じ職場で健康診断を受診するメリットがなくなってしまう。消化器検診等についていえば、これまでは直接二次検診で即、胃カメラだったからバリウムは飲まずに済んでいた人たちも、1次検診のバリウムから一斉にスタート、ということになる。ブーイングは必至だ。
 だが、お隣で待っておられた先生が「自分は直接内視鏡だと思うのだが、延々ここで待った挙句、いざ検査、という段階でしかわからないのか。」と質問していた。「(そういう直接二次の方が10人ほどいるので)受付でバーコードに通せば該当かどうかわかります。」と答えていたので、この件については一応クリア、ということか。

 この2年以上毎週通院しているから、採血も血圧も胸部レントゲンも私にとってはごくごく日常的なことで、何にも感じなくなっているが、やはりバリウムを飲む消化器検診だけは何度やっても慣れない。
 それまでも該当年齢でありながら受診せずにパスしてきたが、5年前、自分が担当ということもあり、受診率アップに少しでも貢献しなくてはと考えたことと、乳がんに罹患してすぐの年で、当時の主治医から「(脅かすわけではないが)どうしても他の部位のがんにもリスクが高い。」と言われ、観念して受診した。
 発泡剤を飲みながらげっぷが出来ない、その挙句バリウムを飲んでから多方向に自分でも体を回しつつ、上下左右何度も回される。滑り落ちないように必死にバーを掴んでいるうちに自分が今どちらを向いているのかわからなくなり、本当にげっそりした。さらには下剤攻撃。
 いやはやそれにしても人間は凄いことを考えるものだ、と驚いた。
 今日は心なしか回される動きが激しく、あわやかつらが落ちるのではないか、とちょっとドキドキした。先日まで被っていたミディアムロングはおでこと襟足のあわせて3か所をコーム型のピンで止めていたのだが、今のショートのかつらはおでこ一か所だけ止めているので、逆さにされるとちょっとアブナイのだ。

 気になる症状等を問診票にはチェックしていたが、本当に拍子抜けするほどあっさりと終了。既往症等の問診もなく、確認することもなく診察も終わった。ぱっと見、異常なし、ということなのだろうからひとまず安心ということだろうが。

 結果は1ヶ月後くらいだろうか。とりあえず他の病気が見つからないことを願うのみだ。結果表が届いたら今年もまた主治医にお見せしなくては。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする