昨日は年度最後の通常勤務。年度替わりの準備やら何やらで、朝から夕方まで大車輪。今日が治療日のため出勤出来ないので、退職者、転出者への挨拶を済ませる。
力仕事をちょっぴりした以外はほぼ一日足を下げていたので、足が浮腫んで肩もコリコリ。
仕事を終えてから、頑張ってK先生の骨盤コンディショニングのクラスに参加した。ヨガのポーズはお尻の筋肉をうまく使うと安定するということで、最初15分ほど身体を慣らした後は、筋トレよろしくかなりきつい動きが続いた。皆汗を滴らせ黙々と身体を動かしている。先生の動きを見ると、難なく出来そうに思えるが、自分でやってみるともう全然・・・。道は遠いのである。
シャワーを浴びてもなかなか汗が退かない。夫と待ち合わせてファストフードで軽く夕食。夫にお泊りバッグを持ってきてもらってヨガウェアバッグ等と交換し、3週間前と同じ病院最寄り駅前のホテルに向かった。
車内で天童荒太さんの「ペインレス上巻 私の痛みを抱いて」(新潮文庫)で読み始めた。天童さんの作品を読むのは「悼む人」以来で久しぶりだ。帯には「心に痛みを感じない、氷の女医と身体の痛みを失った男」とある。新聞広告で今月のイチオシになっており、「最もスリリングな医学エンターテイメント。天童荒太はやはり凄い。」と紹介されている。病院で読むには良いかも、と月初めにポチっとネットで買ったのだ。
エピローグから「ん?」と引き込まれる。なるほど、そういうことか・・・という始まりである。
今朝の朝食を駅ナカコンビニで調達してからホテルに到着。前々回はツインに、前回は広めのダブルルームにそれぞれグレードアップして頂いたが、今回は春休みでそこそこ部屋が埋まっているようで、セミダブルルームどまりだった。それでもテーブルが大きく部屋の使い勝手は良かった。
フロントで頂いた夕刊片手にお茶とちょっぴりスイーツを頂きつつ、ベッドで足を伸ばしてリラックス。テレビでは、1年前にコロナで急逝した志村けんさんの番組が流れていた。もう1年・・・、早いことである。お風呂あがりにはすぐに眠くなって、本の続きを読み始めたらコテンと眠った。
ちょっと室温が高くて寝苦しかったけれど、お手洗いにも起きず、アラームが鳴るまでグッスリ。
窓を開けると、ちょうど正面のビルの看板等が邪魔をして景色は不粋。まあ病院とみなとみらいが何とか望めたけれど。
浴槽足湯を済ませ、ひとくちサンドイッチと果物と野菜のミックスジュース、アロエの青いヨーグルトとミントティの朝食を部屋で摂る。
BSで朝の連続テレビ小説を視、母とDuo通話をしてから、早めにチェックアウトして病院に向かった。今日は採血後、まずは口腔外科、そして腫瘍内科である。
今日もかなり気温が上がるという。なるほど朝から暖かい。シンプルニットに薄手のジャケットを羽織り、ストールを軽く首に巻いた。タイツはもう大げさすぎたかもしれない。
病院までの道すがら、歩道の花壇植え込みがとても美しくグレードアップされていた。ピンクノックアウトや王妃アントワネット等、薔薇のネーミングが華やかだ。
病院前の桜並木も満開を過ぎ、青空の下、桜吹雪が美しい。朝から皆スマホを構えている。私も1枚カシャっと撮影。3週間に1度の通院、ちょうど満開に当たる確率は結構低い。今年はまずまずいいタイミングで通院出来た。
病院に到着し、前回再発行して頂いた新しいIDカードを通す。031番。今日の日付と同じで覚えやすい。採血受付へ移動して、ここでもピンクの受付番号表を摂る。こちらも31番。こんなことは珍しい。幸先が良いかも、と電子掲示板を見ると、既に私の番号より後の番号が中に入れることになっている。急いで入室すると、すぐに呼ばれる。今日の担当は検査技師のYさん。ベテランだ。このところずっと当たらなかったので、「お久しぶりです」とご挨拶。
今日はフルチェックなので5本。ちょっぴりチクリとしただけで痛みは殆どなし。刺すときが痛まないと、抜く時も殆ど痛まないので有難い。「やはりYさんはお上手です。全然痛みませんでした。最近ずっと当たらなかったので・・・」と言うと、「いくつになっても褒めて頂くのは嬉しいことです。光栄です。ありがとうございます。」と深々とお辞儀をされてしまった。2020年度最後の採血、良いスタートになった。
止血をしながら、エスカレーターで2階へ上がる。口腔外科は泌尿器科と同じ窓口だが、そちらに1人並んでおり、問診票がなかなかうまく書けないようで時間がかかった。
ようやく受付して頂ける。IDカードを通すと「あら、カード再発行されたのですか?」と訊かれ、「前々回腫瘍内科受付後に行方不明になってしまい、前回総合案内に届いていないということで再発行して頂きました。3週間前の3月10日です。」と言うと、「3月23日に見つかったようです。腫瘍内科で預かっているので受け取りをお願いします。」とのこと。
まだ予約時間まで30分ほどある。朝刊を読みながら電子掲示板に番号が出るのを待つ。予約時間5分前に中待合いにどうぞ、となる。そして予約時間ピッタリに口腔外科の診察室へ。半年ぶりにW先生と再会である。
前回9月は5月に転倒して歯が折れて・・・の話をご報告したが、今回はその後日談で、先週神経を取って治療を再開したことを報告する。口内チェックで「今は粘膜炎等も酷くないし、最寄りクリニックで治療が出来、定期検診もしているので次回は半年後にしましょう。その時には口内全体の写真を撮ります。レントゲンは年に1回でよいと思いますが、それまでに何かあったらいつでも大丈夫ですから連絡をしてください。」とのこと。
お礼を言って、10月最初の腫瘍内科と同じタイミングで予約を入れて頂いた。
再びエスカレーターに乗って1階に降り腫瘍内科へ。定位置が埋まっており、受付真正面の席を確保してから受付。問診票の追加を頂く。その場で全て「ない」に〇をして、息切れの前に“ほとんど”を追加した。「口腔外科でIDカードが見つかったと伺いましたが」と言うと出してくださった。
「ちなみにどこにあったのでしょう?」と訊くと、椅子の間に挟まっていたそうだ。お礼を言ってファイルを受け取り、今度は落とさないように気を付けて座る。
読書をしていると時間が過ぎるのが早い。タイミングの良いところで血圧測定。94-62、脈拍が86。それから15分ほどで中待合いへどうぞ、に番号が出た。中待合いに移動し読書を続けていると、15分ほどして先生が診察室からお顔を出して、「○○さん。」と仰った。
「おはようございます。」とご挨拶をしていつものように荷物をカゴに、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着いた。
「さて、この3週間は・・・。」と訊かれ「はい、やはり1週間はかなりしんどいです。翌日はなんとか1日持ちますが、翌々日は午後早退、土日はほぼ寝た切りで、月曜も2時間早退しました。吐きはしないものの、気持ち悪さが酷く、底なし沼のような疲労がしんどいです。下痢はなく便秘で、今回はマグラックスを2回ほど飲んで、今は快調になっています。」とご報告する。診察室での検温は6度7分。
そして口腔外科の受診報告も。あれこれかいつまんで話したところ、口腔外科の電子カルテにはそこまで書いていなかったようで、色々大変でしたね~と言われた。足の裏等の痺れについては相変わらずだが、ちょっといいかな、と思うと突然針で刺されたような痛みが走ることがあることも報告しておく。
先生から「採血ではマーカーは上昇傾向ですが、まあ、下がり続けることはないので特に心配するレベルではないですね。」とのこと。白血球も3,900、好中球は1,100ある。あんなに飽食したのにアルブミンはL。最初の1週間がろくに食べられていないので、その所為ですね、と言われる。
そして、疲労止めに飲んでいるエルカルチンについて「ついに保険の審査でなぜ?と質問が来ました」とのこと。エルカルチンはカルニチン欠乏症に使う薬であるが、「エンハーツの疲労が酷く、これ以上薬を減らせないので、ということで理由を書いて提出しましたが・・・(もし通らないと保険適用外になります)」だそうだ。
「ということで、今日も予定通り治療続けましょう、ですね。次回は3週間後、月1度なので採血はフルで、レントゲンも撮りましょう。」とのこと。
薬の処方はまだ使い切っていないヒルドイドローション以外、前回同様でお願いした。
化学療法室の待合いには、珍しくどなたもいない。LINE受付は「調整中」になっており、すぐに看護助手さんがみえてファイルを手渡す。夫やお友達にLINE報告をしていると、ほどなくしてKrさんが「お薬飲みましょう。」とイメンド125mgを持ってきてくださる。
看護助手さんから窓側一番奥のリクライニングチェアに案内された。態勢を整えてお手洗いを済ませると、ほどなくして薬剤師のTさんがみえる。前回コロナワクチンの先行接種1回目を済ませたと伺っていたので、2回目は接種されたのですか?と訊くと、月曜日に打ち、その後熱っぽくなったので早退されたとのこと。
木曜日には元気になったが、接種後48時間はインフルエンザのように身体中痛く平熱より2度ほど上がり、食欲もなく大変だったらしい。人によって大分違うようだけれど・・・。うーん、やはり2度目は大変な模様。
15分ほどして針刺しにKwさんが見える。ちょっとチクリとしただけで無事。前回新製品のワンタッチテープを剥がす時、粘着力が強く痛んだので、再び紙テープとガーゼに戻して頂いた。やはりこれが一番安全だ。
そのKwさんは、金曜日にワクチン一回目を打ったところ、土曜日は肩が上がり辛く車の掃除がしんどかったという。忙しくて休んでいられなかったけれど・・・、とのこと。
こう伺うと、薬の感受性が強い私の場合、接種日をよほどうまく調整しないと酷い目に遭うかもしれない。治療直前週の金曜日に打って土日具合が悪くなっても月曜、火曜に体調が戻ればそれが一番いいかも。
とはいえ、そんなうまいタイミングに予約出来るかどうか。
10分ほどしてMさんが薬を持ってみえて、吐き気止めからスタートした。続いてブドウ糖、エンハーツを終え、最後はブドウ糖15分、生食。途中気が遠くなるほど眠くなったが、読書は止められず。
終了時の血圧測定もMさん。108-66、脈拍は75。抜針はOさん。抜針もかなり衝撃があった。最後だけちょっとブルー。
管が外れて身軽になってお手洗いを済ませ、ご挨拶をして腫瘍内科受付へ移動。ファイルを提出してから処方箋のデータをFAXで薬局に送るテーブルまで移動。10分ちょっと待って支払窓口でお支払い。カードで11万強。
外に出ると、予報通り汗ばむほどの暖かさ。ジャケットもストールも手提げに入れる。病院前の橋の上では花見をし、写真を撮っている人たちが結構いた。薬局へ到着すると、記憶にある限り初めてではないだろうか、待合い椅子にどなたもいない。「ファックス届いていました。」と、番号札を頂く。
30分もしないで私の番号が呼ばれた。今日は久しぶりの女性薬剤師さん。10,000円弱をカード支払い。今日の病院と薬局の滞在時間は合計で5時間半弱。2科受診にしてはとても順調だった。
空腹だったので、駅ビルでランチにした。お気に入りのイタリアンへ。初めて2階に案内された。大きな窓からは明るい陽射しが燦燦。窓側は暑いので、と内側の席に案内される。見晴らしがよく、吹き抜けの下の階のレストランが見渡せる。広々静かで読書にはバッチリ。
前菜盛り合わせ、春らしいパスタにドルチェの盛り合わせ。今年初めてアイスコーヒーを頂きつつ、上巻を読み終えた。ウエイトレスさんから「何度かお目にかかりましたよね?」と問われ、「いつも下の階で、こちらは初めてです。気になっていましたが、こちら「いつも下の階で、こちらは初めてです。気になっていましたが静かでいいですね、本を読み終わりました。」と言うと、「階段を上がって頂くのがちょっと大変ですが。そして窓が大きいので今日のような日は暑いですね、冷房は入れているのですが、なかなか効かなくて・・・でもお一人で読書ならお薦めです。」とのこと。
最後の晩餐ではないが、今晩からはまたろくに食べられなくなることが予想されるので、しっかり完食した。
帰りは最後の快速電車に間に合って「あなたの愛を殺して ペインレス下巻」を読み始めたが、時間切れで途中で読書終了。最寄り駅からはタクシーに頼らずなんとか歩いて帰宅出来た。
生協のお届け品を取り込む。今日も大量で、全て定位置に納めるのはそれなりに難儀だ。洗濯機を廻し、薬やら何やらの片付けを完了し、リビングに横になって新聞を開いたところで夫が帰宅した。
夫は第二の職場のフルタイム勤務が今日で無事終了。明日からは週3回の非常勤になる。とても立派な花束を頂戴してきた。以前退職した時は、せっかく頂いた花束なのに持ち歩くのが嫌(年のいった男が花束を持って電車に乗る姿は、いかにも「退職しましたよ。」という人生の黄昏感を振りまくようで嫌だ、という夫なりの美学だそうだ。チッ、ええかっこしいな奴め。)で、どなたかに差し上げてしまったということで、私は残念ながら見ていない。
皆様のご厚意に対してなんて失礼なの、と思っていたのだけれど、今回は観念して持ち帰ってきたらしい。
さすがに都心一等地のお花屋さん、センスが良いことといったら。とてもシックな色合いでお洒落だ。早速身体に鞭打ちつつ玄関に活けた。有難いことである。
食欲がなかったが、夫には生協宅配の桜エビ天ぷらうどんとサラダ寿司等を摂ってもらい、私もちょっぴりお相伴し、薬を飲んで終了。お昼の食欲はどこへやら、やはりお約束通りお腹ぐるんぐるん。どんどん気持ち悪くなるのである。
明日は年度初めの出勤、顔合わせの会議もあり、明後日も出勤予定だ。なんとか乗り切らなくては。