昨夜は既にシャワーは済ませていたけれど、お部屋のアメニティの香りがよく、せっかくなのでまたゆっくりお風呂に入ってしまった。秋にオープンしたばかりのホテルには2回目の宿泊。前回はGoToキャンペーンが適用になってかなりお安く泊まれたことを思い出した。大きなダブルベッドはほぼ正方形で、横になっても縦になっても眠れる感じ。
それほど早寝ではなかったけれど、目覚ましが鳴るまで6時間ほど連続でよく眠れた。12階の窓の外から見る道路はしっとりと濡れている。折りたたみ傘を持ってきて良かった。
浴槽足湯を済ませ、部屋でミニロールサンドイッチとマンゴージュース、紅茶の朝食。開業以来2階のレストランはずっと休業中の模様。部屋で頂くのは時間もかからないし楽ちん。朝の連続テレビ小説を視、チェックアウト。外に出ると雨は止んでおり、乾燥していた空気はすっかり湿度を含んでいて喉に優しく暖かい。結局折り畳み傘は荷物になってしまった。
夫は今朝時差出勤だそうで1時間遅い出勤。ちょうどよいライナーの予約を代行した。
病院に到着する。いつもながら混雑している。IDカードを通す機械は数人が並んでいたけれど、それほど待たずに済んだ。採血受付へ移動。そこそこの混雑かな、と電子掲示板を見ると、すぐに自分の番号が出る。ダウンコートやストールをエコバッグに入れる暇さえなく採血室に入り、番号を見せて、態勢を整える。程なくして呼ばれる。担当は男性。名札が見えなかった。今日はフルチェックなので5本。丁寧だったけれど、少しチクッとした。抜く時もチリッと。
止血をしながら向かいの腫瘍内科へ移動。いつもの席よりちょっと後ろを確保して、席に荷物を置いて受付へ。紙の番号札が出ている。いつもより早めだからか。4番目に呼ばれて問診票の追加を頂く。その場で全て「ない」に〇をして、息切れの前にだけ“ほとんど”を追加した。
今日のお供は小山田浩子さんの「庭」(新潮文庫)。帯に津村紀久子さんが「とても小さなことを書いているのに、ものすごく奥行きのある小説。」と書いておられ、「夫。どじょう。クモ。すぐそばにいる見知らぬ生き物。芥川作家の比類なき15編」とあった(主人公は夫と離婚するのだが、夫がどじょうやクモと同列、にちょっと笑った。)ので、手に取った。
小山田さんは初めましての方だ。なるほど、裏表紙にもあるとおり「ささやかな日常が不条理をまといながら変形するとき、私の輪郭もまた揺らぎ始める」・・・ちょっと不思議な世界観が広がっていく。好きな文章かもしれない、と思いつつ読み進む。
採血から1時間経過したところで血圧測定へ。84-61、脈拍が85。上がちょっと低めだ。
測定が終わって20分ほどして「中待合いへどうぞ」に番号が出る。それから15分ほどして先生が診察室からお顔を出して、「○○さん、どうぞ。」と仰った。
「おはようございます。」とご挨拶をしていつものように大荷物をカゴに、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着いた。
「さて、この3週間は(いかが過ごしでしたか)。」と訊かれ「相変わらずでした。最初の1週間はやはりしんどいです。木曜日は気合で仕事に出、金曜日は在宅勤務、3連休はほぼ寝てばかりでした。吐き気と眩暈、火照り、食欲不振、怠さ、耳鳴りもあり、ずっと眠くてトロトロしていました。月曜日は出勤でなく祝日でしたので、特に、でしょうか。動けませんでした。今回も下痢はなく、投与翌日排便が合った後は、3日間全くお通じなし、その後は5日ほどウサギさん状の便、週末に普通になったと思ったら、また4,5日ウサギさんに戻り、ようやく週末から普通に、昨日今日は快調になっています。雪が降った寒い日はやはり胸部は痛みました。先週末の夜、息苦しさで胸がつかえる感じがしました。とりあえず1日で済みましたが、びっくりして酸素量は測りました。97%ほどで問題なかったです。頭痛も何日かあり、ロキソニンを久しぶりに飲みました。」とご報告すると、その場でパルスオキシメーターで計測してくださった。98%、問題なしである。
目の前には自分の輪切り状のCT画像が出ている。肺の腫瘍部分は前回とあまり大きさが変わっていない様子。
先生から「採血は普段通りですね。白血球も5,000で十分、好中球も1,900あります。マーカーもちょっと下がっています。CTは安定期に入った感じですね。完全に同じ。胸骨も不変で、新しい病変はなし。」とのこと。確かにCT画像は違いが分からなかった。エンハーツの心配な副作用である間質性肺炎もなさそうだという。ほっとする。
コロナウィルスにかからないうちにワクチンを打てるかどうか、という話になり、先生も副作用を考えると迷っているところだとのこと。確かに治験が猛スピードだったし、たとえ40万人に一人の重篤な副作用とはいえ、自分に起こったらその確率は1なわけで・・・。けれど、優先接種の流れで促されて打たざるを得ないのだろうな、とのこと。
「ということで、治療続けましょう、ですね。次回は3週間後、2月の治療は1回だけなので、次回もフルで血液検査を入れましょう。」と先生。「1週間から10日はしんどくても、3週間するとこうして何とか持ち直すので、まあ量的に妥当だということでしょうか。」と言うと、「これ以上副作用の軽減を優先すると、治療としてどうなのか、ということになりますからいい感じなのだと思います。」と仰る。今の減量6割でめげずに続けていくということだ。診察室での検温は6度7分。
既に4月の化学療法室の予約も入れてくださる。薬の処方も前回と同様で、ヒルドイドローションはまだ残っているので次回にお願いし、ご挨拶して診察室を後にした。
化学療法室の待合いには、どなたもいない。LINE受付で待合い者1人とある。夫やお友達にいつものようにLINE報告。
10分もしないでKrさんが「お薬飲みましょう。」とイメンド125mgを持ってきてくださる。イメンドを飲んでから約1時間後、エンハーツがスタートだ。「今日はベッドも椅子も空いてますが、どちらでもお好きな方を、」とMさんが仰り、眠ってもいいようにベッドをチョイス。ここまでで病院に入ってから2時間ちょっと。順調である。
ベッドのリクライニング等環境整備し、お手洗いへを済ませる。席に戻って20分ほどでMさんが針刺しにみえた。やはりちょっと痛い。針刺しが痛いと、ポートの中の針の位置が落ち着くまで点滴の前半はチリチリすることになる。
Kwさんが薬を持っていらっしゃる。「血圧が低いですね。ちょっと測り直しましょうか。」と測定。103-62で問題なかった。「髪の毛が抜けるのが少しペースダウンして、新しい毛が生えてきてちょっと密になっています。」とかつらを外してみせると、「整えたらベリーショートで行けそうですね、でも今、美容院は行かない方がいいけれど・・・。」とのこと。
点滴開始。まずはデキサートとアロキシのミックスから15分。続いてブドウ糖15分にチェンジするまで、副作用の状況等の問診も含めて色々お話しする。今日は化学療法室の患者さんが少なく静かなようだったので訊いてみると、ご多分に漏れずこの病院も病床ひっ迫なのだそうだ。コロナ病棟も満杯、入院して頂けない状況にならないようにと祈っているという。Kwさんが思うには、不織布以外のマスクをしている人が鼻を出して喋っているのが良くないのでは、とのこと。
イメンドを飲むと、ちょうどエンハーツ30分の間にうんと眠くなる。今日も20分ほど本を閉じてうとうとしてしまった。最後はブドウ糖15分、生食である。Cさんが終了時の血圧測定にみえる。108-56、脈拍は77。
久しぶりにKrさんの抜針。珍しくちょっと衝撃があった。
管が外れて身軽になってお手洗いでかつらを整え、ご挨拶をして腫瘍内科受付へ移動し、ファイルを提出してから処方箋のデータをFAXのように薬局に送るテーブルまで移動する。前回はうまくいかず2回送り直したが、今日はすんなり読み取って成功。10分ちょっと待ってお支払い。カードで11万弱。
外に出ると、雨は降っておらず、ちょっと薄日が差している。気温が高くコートの前を開けても大丈夫。薬局へ到着すると「ファックス届いていました。」と、番号札を頂く。椅子がそこそこ埋まっている。今日は珍しくそれほど待たずに30分弱で私の番号が呼ばれた。いつもの薬剤師Iさんから薬を頂き、9,000円弱をカード支払い。今日から新しいお薬手帳だ。今日の病院と薬局の滞在時間は合計で5時間強。とても順調だった。
まだそれほど空腹でもないし、電車が空いているうちに乗換駅まで行ってしまおうとそのまま駅に向かう。運よく快速に乗れて席も空いていてゆっくり本が読めた。
乗換駅前にある紅茶専門店で久しぶりにパスタセットを頂く。ランチタイムというよりお茶の時間だったのか、それなりに女性のグループやカップル等がいて、ケーキとともに愉しんでいた。私もお腹が大丈夫そうならケーキも、と思ったけれど、お腹一杯になってギブアップ。
まだ元気だったので、最寄り駅からはタクシーに頼らず明るいうちに歩いて帰宅出来た。
生協のお届け品をえっちらおっちら取り込む。この時期スーパーに行かないで済むように注文品がかなり多くなっているので、納めるのが結構大変だ。薬やら何やらの片付けをなんとか完了し、洗濯物を干し終わりようやく着替えを済ませてリビングにほっと座った。
ランチも遅かったし、だんだんお腹がもたもた、気持ち悪くなってきた。夫がお見舞いに、と京焼き栗を買ってきてくれたけれど、全く食欲が湧かない。夫には生協宅配のわっぱ飯等を摂ってもらう。
明日は出勤、明後日は在宅勤務だ。