このブログでも何度かご紹介させて頂いている、愛読している毎日新聞のコラム 香山リカさんの「ココロの万華鏡」最新号で、なるほどな、と思うとともに色々考えさせられた。以下、転載させて頂く。
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香山リカのココロの万華鏡 「悪い情報」どう伝えるか /東京(毎日新聞2018年11月13日 地方版)
初めて来た患者さんに話を聞き、「念のためにからだの検査もしておきましょう」と血液やCTの検査をし、「結果は来週に」と帰宅してもらう。次の週、待合室にその人が来る。ロビーですれ違うと、初診のときより明るい顔をして「クスリのおかげで眠れるようになったんです」と笑顔で言うので、私は「よかったですね」と答えて診察室に入る。
そしてパソコンを立ち上げ、検査の結果をチェックすると、CTに気になる影が映っている。内科医にチェックしてもらうと、答えは「あ、これガンの可能性ありますね。私の外来を受診するように言ってください」。
私は重い気持ちになる。この患者さんは穏やかな顔をしてロビーで順番を待っている。睡眠もとれるようになり、私に感謝していた。でも、検査の所見はあまり良くない。いったい、どうやって伝えるべきか………。
この「悪い情報をどう伝えるか」は、医者にとってもっともむずかしい問題のひとつだ。誰だって「結果は問題なしでしたよ」と「良い情報」を伝えて、患者さんに喜んでもらいたい。「先生のおかげです」と感謝してもらえれば、さらにうれしい気持ちになれる。
しかし、人間は生きていれば、いつかは「悪い情報」を伝えられるときもやってくる。とくに私たち医者は、「ちょっと良くない結果でした」「やっぱり入院しましょう」など相手ががっかりするようなことを、直接、話さなければならない場面が少なくない。
私の場合、そういうときについ早口になってしまったり、「まあ心配はないのですが」など自分を安心させる意味もあってか、あれこれ前置きをしてしまったりすることもある。もちろん、これは良い伝え方ではない。
大切なのは真剣だけれど悲観的になりすぎない表情で、ゆっくりと落ち着いて「お伝えしにくいことですが、今回はこういう結果でした」と告げ、それから「私でよければ一生懸命、治療に協力させていただきます」と一緒に頑張ることを伝える。患者さんの意思は尊重するが、「あとは自分で決めてください」と“自己責任”を強制してはいけない。
これは医療の現場に限ったことではないだろう。家族に同僚に友だちに、相手が喜ばない話をどう伝えるか。そういうときこそ、自分の人間性と相手を思う気持ちが試される。それがたとえ「悪い情報」であっても、相手の目を見て、しっかりと伝えていくようにしたいと思っている。(精神科医)
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(転載終了)※ ※ ※
いつかも書いた記憶があるが、医師という職業は命に関わる究極の接客業だと思う。患者さんを助けたいという使命感だけではとても立ち行かない辛い場面も多いのだろうな、とも感じる。モンスターペイシェントも沢山いるであろう中、そのストレスたるや大変なものだろうということも察するに余りある。
私もこれまでの14年近い患者生活を送りながら何度となくバッドニュースを受け入れてきた。
それでもどの先生も私という患者と真摯に向き合ってくださって、突き放されたという感じを受けたことはおかげさまで今まで、ない。これはとても幸せで運のいいことだろう。ただ能天気なのかもしれないけれど・・・。
けれど、香山さんも最後に書かれているように、これは医療現場に限った話ではない。
仕事をしていても普通に暮らしていても、ごくごく日常的にあることだ。いいことを先に伝えるか、悪いことを先に伝えるか。やはりバッドニュースほど早く伝えることが大事ではないか。
「ちゃんとリカバリーが間に合うように。」順調にコトが進捗している時はそんな気遣いや報告はそれほど要らないと思う。けれどうまく行っていないときこそ、早目に、包み隠さず、単刀直入に。そしてどう向き合っていくのか、どう対処していけるのかを一緒に考える。
もちろん相手との信頼関係があればこそ、だけれど。
だからこそ、日々の一期一会を大切に、御縁あって多少でも係わりあうことになったどなたとも真剣に向き合う姿勢を大事にしたい。情けは人のためならず、というが、こうした姿勢は決して人様のためではなく自らに戻ってくるのだ、と改めて思うのだが、どうだろう。
さて、ここのところ自宅のパソコンが不調で、なかなか立ち上がらなかったり、ちょっとするとすぐフリーズしたり、でイライラさせられることが多かった。
一昨夜から夫が一晩かかって修復作業をかけてみたものの、とうとう昨朝、起動すらしなくなった。やむなく修理に出すことに。まだ保証期間内だとはいえ、なんとついていないことか。
とはいえため息ばかりついていても仕方ない。バックアップが取れているであろうことを感謝しつつ、修理が終わるまでは先日購入したノートパソコンに活躍してもらわなければ。
昨日は仕事が終わった後は、無事インフルエンザの注射も受けてくることが出来た。今もまだ熱を持ってプックリ赤く腫れているけれど、月末には効果が出ることだろう。息子も今日、大学で出張病院により受けられたとのこと。
それに加えて彼からのLINEの連絡では、親知らずが腫れて痛み、近所のクリニックで診て頂きレントゲンを撮ったところ、上の歯はそのクリニックで抜歯が出来るが、下の歯は見事に真横に生えて埋没しているので、大学病院の口腔外科に紹介状を書いて頂くことになったとか。
私も30年以上前、右下の親知らずの抜歯には大変な思いをした。既に社会人になって3年目のことだったけれど、息子もそんな齢なのだと改めてしみじみする霜月半ばの夜である。