年明けに届いた携帯電話の請求書に驚いた。
息子のiモードが凄いことになっていた。請求額は30,000円近く。本人も気になっていたようで、封書を先に開けてびっくりしたようだ。それでも甘いことに何とかしてもらえる、と思っていた様子だったので、無傷で済ませるのはまずいと(クリスマス・お正月・誕生日に祖父母からもらっていたお小遣いを預かっていたので、これで)補填させた。
息子は保育園・学童育ち。当然鍵っ子だったので、小学校に入学してすぐに携帯を持たせた。塾に行き始めてからも連絡をとるのに必要だったので、携帯所持暦は既に8年になる。中学生になると、学校で携帯持参が禁止されていたので、普段は持っていかない。土日など実際連絡をとりたくて電話をしてみたところで、携帯ゲームのやりすぎかメールのやりすぎかわからないけれど、電池切れでちっともつながらない。この機会に、当分の間ということで、携帯を取り上げた。そして、今後は携帯から好きなサイトを見るのは禁止にした。
「30,000円」というお金をわずか何分かの快楽のために使ってしまったことについて、このお金を得るためにどれだけの労力がかかっているのか、このお金でどれだけのことが出来るのか、どれだけの食事が出来るのか、ひいては好きな鉄道旅行がどれだけ出来るのか、お金の価値が何を意味するのか本当にわかっているのだろうか、と実に暗澹たる気持ちになった。
続いて翌月、サイト請求額が発覚する前の残り半月分の請求があったので、既に2万円を超えていた。あの場で取り上げなかったらおそらく4万円を超えていたのだろう。息子の携帯名義は私なので、私が会社に電話をして相談し、今回の請求に対する救済措置をしてもらった上で息子に内緒で「学割、パケ放題」に変えた。これからはどこからでも誰からでもメールは無料だし、パケットはどれだけ使っても4,400円どまり、というものだ。
それにしてもこうした機器の取り扱いについては、とても親世代はかなわない。自分で情報をいとも簡単にダウンロードできてしまう。息子はメールの開閉にもしっかりパスワードをかけているから、どの程度友人とメールのやりとりをしているのかわからないし、お気に入りに入れた情報サイトが何なのかも確認できなかった。当然解除することは私にはできなかったので、自分で解除するように言った。が、残念ながらのらりくらりとその言いつけに従わなかったのだ。会社に問い合わせていろいろ説明を受けたのだが、どうも電話等と違って「何分使ったから、何分見たからいくら」というシステムではなく、頁を繰るたびに何万、何十万というパケットが必要で、実際には重いものだとちょっと見ただけでも何千円単位でかかる、ということらしい。
私はつくづく“遅れている”のだと思うけれど、なんだか狐につままれたようだ。
入会するときは簡単に出来て、いざ辞めようと思っても、その際に解除の画面に入っていくために何段階もの閲覧が必要なため、多大なパケットがかさむように出来ている。実に大変なシステムのようだ。思わず「それって詐欺ですよね。」と言ってしまった。ようやく重い腰をあげてショップまで出向いて、その場で息子が登録していた情報サイトの退会手続きをしてもらい、先方からの提案で今後ダウンロードする時にお金がかかるものについては一切出来なくなるように設定を変更してもらった。別にあえて小さな携帯サイトを見なくても家でPCからいくらでもアクセスできるのだから、見たければPCで見なさい、と言うことにして。
そして今月の請求書。なんと今度は私のiモード請求だけで16,000円とあった。携帯メールのやりとりはほとんど夫や息子とだけだし(家族内メールは無料である。)、患者会の友人等と時々やり取りがある程度で、私の携帯メールアドレスを知っている人はごくわずかだ。なぜ急にそんな・・・とのけぞった。
いろいろ考えても思い当たらないので、遡れるだけ通話通信記録明細を請求した。年明け早々1件だけレストランのメール会員登録をしたところ、その後写真のメニュー入りのメールを何通か受け取った。それがどの程度のパケットなのか気になっていた。いきなり息子を疑うのも・・・と思ったので。
その明細が一昨日届いた。確認してみると、やはり友人等とのメールのやりとりは微々たるもので、恐れていた写真入のレストランからのメールも大したことはなかった。が、今回を機に退会した。わずかドリンク1杯のサービスにつられて、実に高い授業料を払ったものだ。それとは別にサイトの閲覧に数十万、数百万単位のパケットが数多く記載されていた。しかも通信日時は私が寝ているはずの夜中の0時、1時、といった具合。息子が私の携帯からこっそり見ていたことが判明した。
どうしてこういうことになるのか、情けないことに私から言っても聞かないので、夫からきちんと言ってもらった。携帯が出来て昔に比べて本当に便利になった。今や公衆電話を探すのも一苦労で、携帯がなければ本当に困るけれど、こうした親子間のトラブルも増えているように思えてならない。
現に店頭の担当者も「『パケ放題』にしたことは内緒の方がいいですね。いくらやってもいいんだ、ということになればきりがないですから。」と。息子の携帯は今から3年前に新しいものに買い換えた。当然小学生だったからキッズ用フィルターで有害サイトを見ることは出来ない、ということにはしてあった。でも、実際のところ、全く甘かったのだ。
今思えば、私の携帯の購入時にも頼んでもいない情報サイトが最初からセットでついていた。恥ずかしながら削除をしないで放ってあったので、(どうすればよいのか厚い取説をひっくり返して調べもしなかったし、うまく出来なかった。)、毎月引き落としに甘んじていたけれど、今回それもあわせて解約してもらった。おかしいと思ったら、もっとマメに店頭に出向かなければいけないのだ、と痛感した。
そんなわけで息子との関係が険悪である。家にいればPCでだらだらとゲームをしているし、時間を決めてやる、ということが今になってもなかなか守れない。
小学生のうちから携帯ゲーム機をとても欲しがったが、「我が家にゲームを買うお金がないわけではないけれど、我が家はゲームを買わない方針だ。」とはっきり言って、ずっと我慢させていた。もちろん私も大昔にファミコンやゲームボーイで遊んだことがある。初期の落ちモノやらRPGには結構はまったこともあり、寝食を犠牲にしたことも若干あった。が、結局何も得るものはなかったことが良く分かった。そして大人でも歯止めが利かなくなりそうなゲームを子どもに与えたらどんなことになるか、たやすく想像が出来たのだ。
それなのに、夫が「志望中学に受かったら」ということで購入を約束していた。前にも書いたけれど息子の中学受験は第一も第二も第三志望も残念な結果だったので、当然買わないものと思っていた。私は最後まで反対していたが、夫が「結果は残念だったけれど、受験は頑張ったし、可哀想だから・・・」と買い与えてしまった。「ちゃんと時間を決めてやる、と約束させるから。」と。結果、当然やり放題である。隠れてベッドの中でもやっていた。さすがに学校に持っていくと没収らしいので持ち出すことはないようだが。
こうなることが分かっていたから反対したのに、と思っても後の祭り。仕方なくゲーム機を隠したり、と全くいたちごっこである。
先日の保護者会のときに、同じグループに座ったお母様方に携帯の使用状況について参考までに聞いてみた。6人中1人は携帯を持たせていない、1人はパケ放題にしている、それ以外の3人はある一定金額以上になったら自分で払わせている、とのことだった。そのため、一度痛い目にあった後は上手にクリアしてそうそう使っていない、とのこと。息子に言わせると「ボクだけ違う。みんなパケ放題なのに。」。ああ、また得意なパターンである。そう簡単には騙されないし、息子が「みんなは、みんなは・・・」と言っても、仮に本当にみんながパケ放題だ、としても、我が家は我が家の方針だ。やはり一定金額以上は自己負担にする、が一番現実的なようだ。
保育園の頃は熱を出さずに元気に登園してくれるだけで充分幸せだった。勉強が始まったといってもお気楽な小学校低学年だった。塾に行き始めて、受験を経験し、さらに中学生になり、思春期を迎え、悩みは深く尽きなくなってきた。
それでも息子ときちんと向き合って、今日も言いにくいことを言いまくる私である。
息子のiモードが凄いことになっていた。請求額は30,000円近く。本人も気になっていたようで、封書を先に開けてびっくりしたようだ。それでも甘いことに何とかしてもらえる、と思っていた様子だったので、無傷で済ませるのはまずいと(クリスマス・お正月・誕生日に祖父母からもらっていたお小遣いを預かっていたので、これで)補填させた。
息子は保育園・学童育ち。当然鍵っ子だったので、小学校に入学してすぐに携帯を持たせた。塾に行き始めてからも連絡をとるのに必要だったので、携帯所持暦は既に8年になる。中学生になると、学校で携帯持参が禁止されていたので、普段は持っていかない。土日など実際連絡をとりたくて電話をしてみたところで、携帯ゲームのやりすぎかメールのやりすぎかわからないけれど、電池切れでちっともつながらない。この機会に、当分の間ということで、携帯を取り上げた。そして、今後は携帯から好きなサイトを見るのは禁止にした。
「30,000円」というお金をわずか何分かの快楽のために使ってしまったことについて、このお金を得るためにどれだけの労力がかかっているのか、このお金でどれだけのことが出来るのか、どれだけの食事が出来るのか、ひいては好きな鉄道旅行がどれだけ出来るのか、お金の価値が何を意味するのか本当にわかっているのだろうか、と実に暗澹たる気持ちになった。
続いて翌月、サイト請求額が発覚する前の残り半月分の請求があったので、既に2万円を超えていた。あの場で取り上げなかったらおそらく4万円を超えていたのだろう。息子の携帯名義は私なので、私が会社に電話をして相談し、今回の請求に対する救済措置をしてもらった上で息子に内緒で「学割、パケ放題」に変えた。これからはどこからでも誰からでもメールは無料だし、パケットはどれだけ使っても4,400円どまり、というものだ。
それにしてもこうした機器の取り扱いについては、とても親世代はかなわない。自分で情報をいとも簡単にダウンロードできてしまう。息子はメールの開閉にもしっかりパスワードをかけているから、どの程度友人とメールのやりとりをしているのかわからないし、お気に入りに入れた情報サイトが何なのかも確認できなかった。当然解除することは私にはできなかったので、自分で解除するように言った。が、残念ながらのらりくらりとその言いつけに従わなかったのだ。会社に問い合わせていろいろ説明を受けたのだが、どうも電話等と違って「何分使ったから、何分見たからいくら」というシステムではなく、頁を繰るたびに何万、何十万というパケットが必要で、実際には重いものだとちょっと見ただけでも何千円単位でかかる、ということらしい。
私はつくづく“遅れている”のだと思うけれど、なんだか狐につままれたようだ。
入会するときは簡単に出来て、いざ辞めようと思っても、その際に解除の画面に入っていくために何段階もの閲覧が必要なため、多大なパケットがかさむように出来ている。実に大変なシステムのようだ。思わず「それって詐欺ですよね。」と言ってしまった。ようやく重い腰をあげてショップまで出向いて、その場で息子が登録していた情報サイトの退会手続きをしてもらい、先方からの提案で今後ダウンロードする時にお金がかかるものについては一切出来なくなるように設定を変更してもらった。別にあえて小さな携帯サイトを見なくても家でPCからいくらでもアクセスできるのだから、見たければPCで見なさい、と言うことにして。
そして今月の請求書。なんと今度は私のiモード請求だけで16,000円とあった。携帯メールのやりとりはほとんど夫や息子とだけだし(家族内メールは無料である。)、患者会の友人等と時々やり取りがある程度で、私の携帯メールアドレスを知っている人はごくわずかだ。なぜ急にそんな・・・とのけぞった。
いろいろ考えても思い当たらないので、遡れるだけ通話通信記録明細を請求した。年明け早々1件だけレストランのメール会員登録をしたところ、その後写真のメニュー入りのメールを何通か受け取った。それがどの程度のパケットなのか気になっていた。いきなり息子を疑うのも・・・と思ったので。
その明細が一昨日届いた。確認してみると、やはり友人等とのメールのやりとりは微々たるもので、恐れていた写真入のレストランからのメールも大したことはなかった。が、今回を機に退会した。わずかドリンク1杯のサービスにつられて、実に高い授業料を払ったものだ。それとは別にサイトの閲覧に数十万、数百万単位のパケットが数多く記載されていた。しかも通信日時は私が寝ているはずの夜中の0時、1時、といった具合。息子が私の携帯からこっそり見ていたことが判明した。
どうしてこういうことになるのか、情けないことに私から言っても聞かないので、夫からきちんと言ってもらった。携帯が出来て昔に比べて本当に便利になった。今や公衆電話を探すのも一苦労で、携帯がなければ本当に困るけれど、こうした親子間のトラブルも増えているように思えてならない。
現に店頭の担当者も「『パケ放題』にしたことは内緒の方がいいですね。いくらやってもいいんだ、ということになればきりがないですから。」と。息子の携帯は今から3年前に新しいものに買い換えた。当然小学生だったからキッズ用フィルターで有害サイトを見ることは出来ない、ということにはしてあった。でも、実際のところ、全く甘かったのだ。
今思えば、私の携帯の購入時にも頼んでもいない情報サイトが最初からセットでついていた。恥ずかしながら削除をしないで放ってあったので、(どうすればよいのか厚い取説をひっくり返して調べもしなかったし、うまく出来なかった。)、毎月引き落としに甘んじていたけれど、今回それもあわせて解約してもらった。おかしいと思ったら、もっとマメに店頭に出向かなければいけないのだ、と痛感した。
そんなわけで息子との関係が険悪である。家にいればPCでだらだらとゲームをしているし、時間を決めてやる、ということが今になってもなかなか守れない。
小学生のうちから携帯ゲーム機をとても欲しがったが、「我が家にゲームを買うお金がないわけではないけれど、我が家はゲームを買わない方針だ。」とはっきり言って、ずっと我慢させていた。もちろん私も大昔にファミコンやゲームボーイで遊んだことがある。初期の落ちモノやらRPGには結構はまったこともあり、寝食を犠牲にしたことも若干あった。が、結局何も得るものはなかったことが良く分かった。そして大人でも歯止めが利かなくなりそうなゲームを子どもに与えたらどんなことになるか、たやすく想像が出来たのだ。
それなのに、夫が「志望中学に受かったら」ということで購入を約束していた。前にも書いたけれど息子の中学受験は第一も第二も第三志望も残念な結果だったので、当然買わないものと思っていた。私は最後まで反対していたが、夫が「結果は残念だったけれど、受験は頑張ったし、可哀想だから・・・」と買い与えてしまった。「ちゃんと時間を決めてやる、と約束させるから。」と。結果、当然やり放題である。隠れてベッドの中でもやっていた。さすがに学校に持っていくと没収らしいので持ち出すことはないようだが。
こうなることが分かっていたから反対したのに、と思っても後の祭り。仕方なくゲーム機を隠したり、と全くいたちごっこである。
先日の保護者会のときに、同じグループに座ったお母様方に携帯の使用状況について参考までに聞いてみた。6人中1人は携帯を持たせていない、1人はパケ放題にしている、それ以外の3人はある一定金額以上になったら自分で払わせている、とのことだった。そのため、一度痛い目にあった後は上手にクリアしてそうそう使っていない、とのこと。息子に言わせると「ボクだけ違う。みんなパケ放題なのに。」。ああ、また得意なパターンである。そう簡単には騙されないし、息子が「みんなは、みんなは・・・」と言っても、仮に本当にみんながパケ放題だ、としても、我が家は我が家の方針だ。やはり一定金額以上は自己負担にする、が一番現実的なようだ。
保育園の頃は熱を出さずに元気に登園してくれるだけで充分幸せだった。勉強が始まったといってもお気楽な小学校低学年だった。塾に行き始めて、受験を経験し、さらに中学生になり、思春期を迎え、悩みは深く尽きなくなってきた。
それでも息子ときちんと向き合って、今日も言いにくいことを言いまくる私である。