過去は過ぎ去り今はない。未来は来たらず今はない。現在は過去と未来挟まれてしかも幅がない、幅のないところに刻々と一切のものが展開している。
過去はどのようにあるかというと、我々の頭の中に過去の情報が記憶として蓄えられているだけ。未来は予想、予測としてこれまた頭が描きだしたイメージとしてある。
さて、現在は今この瞬間、五官で捉えられた情報を頭が情報処理して認識したものですでに時間がかかっていて、今そこに存在していると思っているものもすでに過去のものである。気がついた時にはすでに過去のもの、つまりはないのである。
過去もなく、未来もなく、現在はとらえようがない。ないもの、とらえようないものをあるがごとく見せるのは生命の働きである。生命が時間というものを造り出しているのである。