趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
ジェイアールバス関東 さようならJRバス常野線記念乗車券
平成23年3月31日限りで廃止された、ジェイアールバス関東常野線のさようなら記念乗車券です。
乗車券の表紙部分です。都心では殆ど見かけなくなったいすゞ自動車製の「キュービック」が烏山駅駅舎と共に写っています。
宇都宮支店の発行でしたので「宇都宮支店」の表記がありますが、この券は東京駅のJRバスターミナルにある出札窓口で購入いたしました。
裏面には常野線と言うより、常野線の運行を担当していた宇都宮支店烏山営業所の沿革が書かれています。
では、中の券を御紹介いたしましょう。
中には2枚の硬券が入っており、1枚目は馬頭停留所から小川辻町停留所ゆきの一般式乗車券で、
2枚目は烏山駅から藤沢停留所ゆきの相互式乗車券です。烏山と藤沢はどちらもJR東日本の鉄道線に存在する駅名と同一ですので、パッと見鉄道の乗車券のように感じられてしまします。
双方とも桃色JRB地紋のB型券で、東京印刷場様式の硬券となっています。印刷されたところは不明ですが、関東交通印刷あたりで印刷されたのでしょうか?
それぞれの裏面です。ワンマンバスの乗車券ですので、料金機で裏返しになっても良いように裏面にも区間が印刷され、平成23年3月31日まで有効である旨の記載があります。
面白いことに、裏面についても一般式券と相互式券を使い分けて印刷されています。
宇都宮支店烏山営業所は昭和9年に鉄道省の烏山自動車所として開設され、昭和11年には烏山自動車区になります。
戦時中に烏山自動車区宇都宮派出所が宇都宮支区に昇格し、戦後宇都宮自動車区に分離昇格され、その直後に2つの区はそれぞれ烏山自動車営業所および宇都宮自動車営業所になりましたが、昭和62年の国鉄分割民営化によって東日本旅客鉄道関東自動車事業部管轄となり、それぞれ烏山自動車営業所と宇都宮自動車営業所に改称されます。
翌年のJR東日本の自動車部門分割子会社化によってジェイアールバス関東の烏山営業所と宇都宮営業所となり。その後ジェイアールバス関東の組織改正により烏山支店と宇都宮支店に改組となりますが、平成16年に烏山支店は宇都宮支店烏山営業所に降格され、さらに平成18年には宇都宮支店の烏山車庫と再度降格され、常野線廃止の平成23年に車庫はとうとう閉鎖されてしまいました。
JR東海バス WEB乗車票
JR東海バスのWEB乗車票です。
これは高速バスの予約サイト高速バスネットで予約をして自宅のプリンターで発券したもので、A4のコピー用紙に印刷されたものです。当日はこのWEB乗車票を持って直接バスに乗ることができます。
高速バスネットを利用するとバス会社発行の乗車券を拝むことができませんが、実際に窓口に出向いて購入する必要がないので時間と手間が省け、しかも窓口で購入するよりも5%割引きとなるため、使ってみるとなかなか使い勝手が良いです。実際に使用して見ますと、このWEB乗車票やコンビニで発券された乗車券を所持している旅客が殆どで、バス会社で発行された乗車券を所持している旅客のほうが少ないように感じたくらいです。
実際に乗車するのに使用したものは降車時に回収されてしまうため手元には残っておりませんが、乗車時にはバスの乗車口で予約の確認をして入鋏スタンパーが捺されますので、扱いは乗車券そのものです。
なお、本券はJR東海バスの券ではありませんが、便宜上「JRバス券」のカテゴリーに入れさせていただきました。
ジェイアールバス関東 草津温泉駅発行 東京山手線内ゆき乗車券
平成2年10月にジェイアールバスバス関東の草津温泉駅で発行された、東京山手線内ゆきのJR東日本連絡乗車券です。
青色JRE地紋のA型券で、東京印刷場にて調製された様式です。乗車経路は草津温泉~(バス)~長野原(現・長野原草津口)~(吾妻線)~渋川~(上越線)~高崎~(高崎線・東北線)~東京山手線内という経路になっています。
裏面です。自動車線内は途中下車ができないことと、東京山手線内各駅で下車した際には前途無効である旨および、発行箇所名が記載されています。
本来であれば一般式券として設備されるべき区間でしたが、草津温泉~長野原間は国鉄バス時代から他社バス路線との共通取扱が行われており、運賃精算のために「乗継券」の券片の付いた特殊な相互式となっています。
この様式は大変特殊ですが、国鉄時代から継続されていました。
国鉄時代の同区間の乗車券です。
国鉄時代は発駅の「草津温泉」の文字が2段組みとなっていましたが、JR民営化の際に「☐東」の符号を付けることとなり、スペースの関係で特活に変更されたようです。
しかし、民営バスの撤退に伴って乗継券を付ける必要はなくなり、この券が発行されてから半年の間に一般式券に様式が改められています。
平成3年3月に発行された、同区間の乗車券です。青色JRE地紋のA型一般式券となっています。
裏面です。
発行箇所名は表面に移動しましたが、自動車線内は途中下車ができないことと、東京山手線内各駅で下車した際には前途無効である旨は同じように裏面に記載されています。
JR東海バス 大穴馬⇔白馬洞 縁起乗車券
日付の印字がありませんが、平成2年8月に越美北線九頭竜湖駅売店で購入したJR東海バス美濃白鳥営業所発行の、大穴馬⇔白馬洞間の乗車券です。
これは、美濃白鳥駅~九頭竜湖駅間を結んでいたJR東海バス大野線内にある大穴馬停留所と白馬洞停留所が縁起の良い名称であることから作成されたもので、桃色JRC地紋のB型硬券で、名古屋印刷場調製と思われます。
実際に乗車することは可能ですが、当該停留所間相互を利用する旅客は皆無に近く、また、区間内に乗車券発売所が無いことから、事実上記念券に近いものとなっていました。
JR東海バス大野線は国鉄時代、越美南線(現・長良川鉄道)と越美北線を結ぶために開業した先行路線で、将来的に「越美線」として両鉄道線が美濃太田駅から南福井駅まで一本で結ばれることを前提としての暫定的な路線でした。
しかし、越美南線は昭和62年に第三セクターの長良川鉄道に移管され、東海北陸自動車道が整備されると、公共交通機関として越美線の全線開業意義は薄れ、平成14年には大野線が廃止となり、以後壮大な「越美線構想」は事実上白紙状態になってしまっています。
発行箇所であった美濃白鳥自動車営業所は同年を以って廃止され、同社の一般路線は瀬戸支店のみになり、さらに平成21年には瀬戸支店管内の一般路線がすべて廃止され、JR東海バスは一般路線バス事業から全面撤退することとなります。
JRバス関東 回数定期乗車券
JRバス関東の回数定期乗車券です。
緑色JRB地紋の定期券サイズの券で、定期券と言えども、乗車できる回数に制限のある、定期券と回数券の合の子のような存在です。
記名式で区間および有効期間が限定され、期間中に指定された回数まで乗車することができます。この券は大門中組停留所から丸子実高(旧・丸子実業高校、現・長野県丸子修学館高等学校」までの区間であることから、小諸支店管内にて発行されたものであることがわかります。
裏面です。
パウチの上に確認用のシールが貼られているのが特徴です。
乗車の都度(後ろ乗りのために降車時)にドライバーによる確認がなされ、確認のしるしとして1番から54番までのマスにチェックが入れられます。
通学で1日に2回乗車すると考えて、1か月を31日で考えますと日曜日の4日を差し引いた27日間学校へ通うこととなり、54回乗車することとなります。この券が54回まで乗車できるということは毎日通学することで満額使用できるわけですが、小の月(1か月が31日ない月)や祝日のある月の場合、すべて使い切らないで終了してしまうことになります。
それでも、通常の定期券を購入するより、こちらの方が割安なのでしょう。
JRバス乗車券の経由表記
昭和63年9月に西日本ジェイアールバス京都駅発行された、福王子ゆき硬券乗車券です。
大阪印刷場調製の一般式A型券で、同印刷場調製の券の特徴が良く出ています。
同社はこの年の4月にJR西日本からバス事業部門を引き継いでおり、この券は同社移管前に設備された券の残券と思われます。そのためか、鉄道路線と区別するため、経由欄に「自動車経由」と表記されています。
この経由表記ですが、JR各社の券を見てみますと、表現が異なっていることに気づきます。
こちらは同じく昭和63年4月にJR西日本から業務引継ぎされた中国ジェイアールバスの乗車券で、平成元年に広島駅で発行されたものです。京都駅のものとは違い、広島印刷場調製のB型一般式券となっています。
同じ一般式券ですが、こちらの経由表記は「JRバス経由」となっています。
こちらは、昭和62年9月に築館町駅で発行された、JR東日本バスの乗車券です。東京印刷場調製のB型券となっています。
同社も昭和63年4月にJR東日本からジェイアールバス東北に事業引継ぎされていますが、この券はまだ旅客鉄道の自動車事業部門時代のものです。この券の経由欄は「自動車線経由」となっています。
全国各地にこのようなJRバス乗車券があると思われますが、残念ながら手元にありません。この他にも違う表記のものも存在したのでしょうか?
JR東日本バス 小諸支店発行碓井線往復割引乗車券
碓井線のバス車内にて、ドライバー氏に往復利用であることを告げて購入しました。
JRBのJRバス関東地紋の、ゆき券とかえり券が2枚横につながっているもので、原則ゆき券は購入と同時に回収となるため、旅客にはかえり券のみが交付されます。
乗車当日は夏休みの最終日であり、軽井沢駅発横川駅ゆきの夕方の便は満席状態で、乗客の「積み残し」対策としてドライバー氏が支店へ電話連絡をし、増便が続行で運転されるほどでした。
どうやら、青春18きっぷを利用する旅客が、横川駅までの区間をワープするのに利用しているようです。
今冬の青春18きっぷの概要が発表されましたが、利用期間が約10日短いようで、長距離普通列車がどんどん廃止されていく昨今、だんだんとその意義が薄れていくように感じられます。
JR東日本バス 青森駅発行硬券乗車券
当時、JRバスはJR本体の経営形態が採られており、国鉄時代東北地方自動車部であった東北地方のJRバスは、JR東日本(通称JR東日本バス)の東北自動車部として運営されていました。
路線バスの乗車券は東京印刷場調製の硬券で、JR東日本を示す「□東」マークが付き、「東日本鉄道バス」と表記されていました。
裏面です。
料金箱に投入した時に裏返しになっても識別できるよう、裏面にも発駅と金額が印刷されています。
この後、昭和63年3月には、ジェイアールバス東北株式会社が設立され、翌月の4月にはJR東日本より東北自動車部管轄であったバス部門が引き継がれました。
引継ぎ後の青森駅発行のJRバス乗車券です。
JR東日本時代同様東京印刷場調製の硬券ですが、JR東日本を示す「□東」マークが無くなり、「JRバス東北」という表記に改められています。
西日本ジェイアールバス 福知山から80円区間
JR西日本福知山駅発行の西日本ジェイアールバス園福線80円区間用乗車券です。
国鉄が分割民営化された昭和62年4月、一旦、JR旅客鉄道各社は旧国鉄バス路線を引き継いで自動車部門として運営していました。
しかし、1年後の昭和63年4月、西日本旅客鉄道(JR西日本)からバス事業部門を再度引き継ぐ形で分社化され、西日本ジェイアールバスとして営業を開始しています。
まだ国鉄からJRに分割民営化されたばかりの昭和63年に発行されたもので、国鉄時代の暫定地紋となっています。
国鉄地紋発行時期から察するに、JRが分割民営化された時に設備され、JR西日本自動車部門を経て、そのまま西日本ジェイアールバスに引き継がれたものと思われます。
当時、福知山駅のような中規模の駅では一つの出札窓口で鉄道と路線バスの双方の乗車券を発売しており、一つの乗車券箱に鉄道とバスの硬券が差してあることが多かったように記憶しています。
そこで入場券を買い求めた際、チケットホルダーに「80円区間」というこの券を発見したので買い求めた次第です。
大抵は鉄道とバスの乗車券の様式は異なっていたものですが、ここではJR西日本の旅客鉄道の硬券乗車券と同じ様式となっており、一見すると鉄道の乗車券と見間違えてしまいます。
しかし、昭和63年当時の幹線の初乗り運賃は140円だったと記憶しておりますので、明らかに鉄道の乗車券ではないことがわかります。
他にもこのような例が存在するのか、もしくは、西日本ジェイアールバスの金額式硬券乗車券にあってはそういうものであったのか、理由は定かではありません。
新大久保駅M1発行 JRバス乗車券
前回エントリーさせていただきました「新大久保駅 みどりの窓口廃止」の記事は、いままで実際に見たことがないので、みどりの窓口の最後というものを初めて見届けてみようという趣旨があったのですが、本当の目的(?)は、近日中に利用するJRバス東北の「ドリーム政宗」号の指定券を購入することでした。
これが新大久保駅M1発行のバス指定券です。
基本的には鉄道の指定券のレイアウトが踏襲されておりますが、あくまでも「指定券」ではなく「乗車券」となっており、「指定欄のある乗車券」となっている点が特徴です。
夜行便ですので途中下車というものはあり得ませんが、長距離であるにもかかわらず、通用期間は1日のみとなっています。
前回記事でも御紹介の通り、新大久保駅のみどりの窓口はこの券を購入した日の20時にて閉鎖されました。私がこの券を購入したのは20時を少々過ぎた20時10分頃であり、私の後に指定券類を購入された利用客は居られなかったようです。
ということは…これが同駅みどりの窓口で最後に発券された指定券類であり、また、最後に発券されたバス乗車券となるのかもしれませんね。
« 前ページ | 次ページ » |