趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
錦川鉄道 錦町から小児90円区間ゆき片道乗車券
平成29年8月に、錦川鉄道錦町駅で発行された、小児用90円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色の食券などで使用されている汎用地紋のA型金額式券で、駅に設備されている食券型の券売機で発売されたものです。
様式的には私鉄で使用されているような金額式券となっており、拙ブログ2017年10月31日エントリーの「JR西日本 岩国駅発行錦川鉄道230円区間ゆき連絡乗車券」で御紹介いたしましたJR発の連絡乗車券が「錦川会社線」となっているのに対し、今回御紹介の券は「錦川清流線」となっています。
一般的に金額式乗車券というものは「〇〇〇円区間」というのは大人運賃で「『〇〇〇円』で乗車できる区間」という意味になるので大人用の金額を記載して小児用のマークを入れ、「小児〇〇円」という小児用発売額を併記するのが一般的ですが、この券の場合、小児運賃(90円)が記載されており、大人運賃(170円)の記載がありません。
このような例は京浜急行電鉄の県立大学駅で発行された金額式硬券乗車券等一部の例があるだけで、比較的珍しい部類ではないかと思われます。
錦川鉄道 錦町から柳瀬ゆき 片道乗車券
もう一つ錦川鉄道ネタを。
昭和63年9月に、錦川鉄道錦町駅で発行された、柳瀬(やなぜ)駅ゆきの片道乗車券です。
桃色錦川鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、前回エントリーの広島ゆき連絡乗車券と同じ印刷場で調製されたものと思われます。
開業当初の若桜鉄道の乗車券と似ていますので、同じ印刷場のものであったかもしれません。
地紋の色が少々濃すぎて、記載された内容が若干読みづらいのが難点です。
現在、同駅では岩国ゆき以外の硬券乗車券の設備はありませんが、開業当初は社線完結の乗車券の設備もありました。自社完結券については桃色地紋のB型券となっており、連絡乗車券とは別様式となっていました。
記憶がありませんが、当時は自動券売機自体が無かったかもしれません。
柳瀬駅は錦町駅から一つ目の駅で、「やなせ」ではなく「やなぜ」と読みます。
錦川鉄道 錦町から広島ゆき 片道連絡乗車券
昭和63年9月に、錦川鉄道錦町駅で発行された、JR西日本広島駅ゆきの片道連絡乗車券です。
灰色錦川鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、印刷場は不明ですが、印判印刷と見受けられます。
前回エントリーの中で申し上げましたが、現在では同駅には岩国ゆきの券しか硬券乗車券は存在しておらず、この券は同線開業時の昭和62年7月に設備されたと思われる過去券となります。
当時初めて乗車した際に、広島駅まで実際に乗車しています。
同線は昭和62年7月に、山陽本線岩国と山口線日原を結ぶ予定であったJR西日本岩日線の開業区間を第三セクターに移管した経緯のある路線で、同社車両を使用した列車がすべて岩徳線を経由して岩国駅まで乗り入れ運転をすることから、あまり連絡運輸というイメージが無く、乗車券も連絡乗車券らしさがありません。
(前回エントリー分)
画像を再掲致しますが、前回エントリーの岩国ゆきの現行券同様、連絡乗車券でありながら接続駅となる経由表記の無い券で、一見すると社線完結券のような感じです。
印刷場が変わっていますのでイメージが異なりますが、様式としては基本的に変化は無いようです。
錦川鉄道 錦町から岩国ゆき 片道連絡乗車券
平成18年9月15日の第1回目からほぼ隔日で更新をさせていただいております拙ブログですが、今回をもちまして1,800回目の更新となりました。当初は「すぐに話題が尽きてしまうだろうから1年位やってみようかな」的なノリで始めてみましたが、なんだかんだで約11年間更新を続けてしまったことになります。当初は御訪問者数が1日あたり3名程度でしたが、今では800名位の方に御訪問いただけるまでになりました。ありがとうございます。今後とも拙ブログをよろしくお願いいたします。
平成29年8月に錦川鉄道錦町駅で発行された、川西駅接続のJR西日本岩国ゆきの片道連絡乗車券です。
灰色錦川鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
経由表記が無いために一見すると自社完結券のように見えますが、途中川西駅からはJR岩徳線に乗り入れていますので、連絡乗車券になります。
開業当時の同駅には多数の硬券乗車券が設備されていましたが、現在では普通入場券の他、硬券は岩国ゆき1口座のみとなっています。
同線の連絡運輸は社線各駅から西条駅・広島駅~徳山駅間・防府駅・新山口駅・呉駅・可部線および岩徳線各駅までとなっており、岩国ゆきの片道および往復以外については、自動券売機もしくは補充券での対応となっているようです。
他に岩国ゆきの往復乗車券も常備券で設備されていますが、こちらは軟券式の大型券となっています。一旦はこちらも購入を考えましたが、軟券に2,300円の投資は躊躇したため、今回は見送りました。
明知鉄道 明智駅発行 恵那ゆき片道乗車券 ~その2
前回エントリーで明知鉄道明智駅で発行された恵那ゆきの片道乗車券を御紹介いたしました。平成2年当時は活版印刷で調製された券が発売されていましたが、それから19年後の平成21年7月に訪問した際には新しい印版印刷の券に変わっていましたので御紹介いたしましょう。
こちらは前回御紹介いたしました、平成2年に発行された、活版印刷による券です。
日本交通印刷で調製された活版印刷による硬券は、印刷の圧にムラがあるのか、文字に濃淡があって均一感のないものが散見されますが、この券は比較的安定した印刷となっていました。
こちらは平成21年7月に発行された、印版印刷となった新券です。写真だとあまり違いが分かりませんが、現物を比較すると明確にわかります。
特に、活版印刷券では着駅の「恵那」の文字に歪みがありますが、印版印刷券はきれいに整っています。また、活字の字体はほぼ同一ですが、「発売当日限り有効」の文言は双方の字体が顕著に違っています。
該当部分を比較して見てみましょう。まずは「恵那」の文字です。
上が活版印刷のもので、下が印版印刷のものです。活版印刷より印版印刷のほうが若干フォントが太く、活版印刷に見られた歪みは印版印刷には見られません。
次に「発売当日限り有効」の文言です。
上が活版印刷のもので、下が印版印刷のものです。活版印刷より印版印刷のほうが若干フォントが横に大きく、活版印刷に見られた若干の歪みが印版印刷には見られません。
明知鉄道 明智駅発行 恵那ゆき片道乗車券
平成2年11月に明知鉄道の明智駅で発行された、恵那ゆきの片道乗車券です。
桃色明知鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。
明知鉄道明智駅の開業当初の駅名である「明知」は当時の自治体が「明知町」であったために制定された駅名ですが、明知町は戦後静波村という村と合併し、合併後の町名を「明智町」としたため、昭和60年の第三セクター移管時に新町名に合わせ、明智駅に改称しています。しかし、旧町名の「明知」は明知城に由来し、現在でも会社名は「明知鉄道」で、路線名も「明知線」を名乗っており、会社名・線名と駅名の表記が合わないため、御紹介の券についても会社名の「明知」と発駅名の「明智」が噛み合わない体裁いなっています。
ちなみに、新町名であった「明智町」平成の大合併によって消滅しており、現在は恵那市の市内町名となっています。
明知鉄道は、JR中央西線恵那駅から明智駅に至る路線で、旧国鉄明知線が廃止された際に第三セクターとして移管された路線です。営業キロは25.1kmしかありませんが、峠を2つ越えるという急勾配と急曲線の連続する山岳路線となっています。
この路線の特徴として、第三セクター移管後に運輸省(現・国土交通省)の特認を受けて新設された飯沼駅と野志駅は、鋼索鉄道を除いた日本の普通鉄道線において第1位と第2位の急勾配の途中に設置された駅となっており、開業にあたり、運輸省の担当官立ち会いのもと、停車・発進の安全性確認テストを繰り返し、特認により設置が認められた駅として有名です。
のと鉄道 松波駅発行 恋路ゆき片道乗車券 ~その2
前回エントリーでのと鉄道能登線松波駅で発行された恋路ゆきの片道乗車券を御紹介いたしましたが、同駅にはもう1種類、恋路ゆきの片道乗車券の設備がありました。
平成元年10月に前回御紹介の券と同時に購入した、恋路ゆきの片道乗車券です。
こちらは青色のと鉄道自社地紋のA型大人・小児用一般式券となっており、やはり日本交通印刷で調製されたものです。
購入するとき、窓口氏から「青とピンク、どっちが良いですか?」と尋ねられましたが、当然ながら両方購入した次第です。
同社の普通乗車券は券売機券は黄色地紋ですが、軟券類の乗車券は駅名をゴム印で捺印する青色地紋の回数券チックな相互式券が多くあった一方、金額式軟券等には桃色地紋のものもありました。記念きっぷとして発行された硬券乗車券も桃色地紋でしたが、日常的に硬券の乗車券を使用していない同社にとって、これらのA型一般式片道乗車券は「記念券的要素」満載の券であったものと思われます。
のと鉄道 松波駅発行 恋路ゆき片道乗車券
拙ブログ前回および前々回エントリーで国鉄(JR西日本)能登線の恋路ゆき片道乗車券を御紹介いたしましたが、この券は能登線が廃線となり、第3セクターののと鉄道に移管された後も引き続き設備されていましたので御紹介いたしましょう。
平成元年10月にのと鉄道松波駅で発行された、恋路ゆきの片道乗車券です。桃色のと鉄道自社地紋のA型大人・小児用一般式券で、日本交通印刷で調製されたものです。
のと鉄道の普通乗車券はA型一般式券が基本となっていますので、記念要素感は薄れていますが、きちんと常備硬券で設備されていました。
同駅は昭和63年3月にJR西日本能登線の廃止に伴ってのと鉄道能登線として再度移管されておりますが、同社は平成13年4月に部分廃止としてかつて国鉄輪島線であった七尾線穴水駅~輪島駅間が廃止され、次いで平成17年4月には能登線穴水駅~蛸島駅間が廃止されてしまい、穴水駅~蛸島駅間の廃止によって廃駅となってしまっています。
土佐くろしお鉄道 窪川駅発行 東宿毛・宿毛ゆき片道乗車券
平成23年9月に土佐くろしお鉄道中村・宿毛線の窪川駅で発行された、東宿毛・宿毛ゆきの片道乗車券です。
緑色土佐くろしお鉄道自社地紋のA型一般式大人・小児用券となっています。
窪川駅は同線のJR四国との接続駅であり、この券は中村・宿毛線自社完結の乗車券としては最長距離券となります。
同社は開業時にはかなりの区間用に硬券の設備があり、途中の中村駅には東京都区内ゆき等の長距離の硬券による乗車券もありましたが、合理化によって硬券の発売は縮小されており、この券を購入した当時には欠札となっても硬券での補充は行われておらず、残っているものについてのみ発売している状況でした。
JR西日本 金沢駅発行 IRいしかわ鉄道160円区間ゆき乗車券
前回エントリーでJR西日本金沢駅の券売機でIRいしかわ鉄道の津幡接続JR140円区間ゆき連絡乗車券が発券可能であるということを御紹介いたしましたが、この券売機ではIRいしかわ鉄道完結の乗車券も発券することが可能ですので御紹介いたしましょう。
JR西日本金沢駅で発券された、IRいしかわ鉄道160円区間ゆきの片道乗車券です。桃色JRW地紋の券売機券となっています。
同駅の券売機はJR西日本機とIRいしかわ鉄道機が横並びに並んでおり、首都圏であれば発券口座は各社独自の乗車券用に区別されていますが、同駅では若干口座が異なるものがあるものの、主要な口座は共通となっているため、購入した券売機によって券紙の色の異なる乗車券が出てくることになります。
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