小児断線の中の小児運賃表示 (広島印刷場編)

前回、大阪印刷場券の小児断線の中の運賃表示について触れたところ、まる様より下記のコメントを頂戴いたしました。

国鉄の乗車券類請求については、券面内容全てを現業で決定して請求し、各管理局が審査の上で印刷場に印刷を指示していました。
その為に断線内の内容も各駅が締切作業や券簿の記入しやすさを後方担当が考えて請求し、小児の金額は小児の発売枚数や券種の数で大人運賃・小児運賃・大人運賃と小児運賃の差額の3パターンに分け請求していました。

では、今回は広島印刷場の券を見てみましょう。

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これは尾道駅発行の尾道から東京都区内ゆき乗車券です。
大人運賃3,610円に対し、小児断線のなかの数字は大人運賃と小児運賃の差額である「1810」と記載されています。

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ところが、広島駅発行の広島市内から東京都区内ゆきの、10,200円券を見てみますと、小児断線の中の数字は大人運賃と同額の「10200」と記載されています。

では、次にJR化後のものを見てみましょう。

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これは庭瀬駅発行の庭瀬から東京都区内ゆき乗車券です。
小児断片の中の数字は、大人運賃の9,700円と同額の「9700」と記載されています。

どうやら、国鉄時代の大阪印刷場と広島印刷場においてはその傾向が顕著に現れているようで、パターンが駅ごとにさまざまであり、統一されていなかった模様です。

東京・門司の各印刷場および新潟印刷場管内の民間印刷のものについては、恐らく少数の「掟破りさん」は存在するとは思いますが、差額表示でだいたい統一されていたようです。
また、札幌・高松・仙台・新潟の各印刷場については差額表示となっていますが、昭和51年頃以降の札幌・高松の各印刷場のものと昭和51年頃以前の仙台・新潟印刷場のものについては、差額の表示は無かったようです。
名古屋印刷場のものに至っては、差額表示があるものと無いものが混在しており、統一性は無いようです。

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