JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
JR東日本 高田から長岡ゆき急行券一葉券
平成2年10月に信越本線高田駅で発行された、長岡ゆきの乗車券・急行券の一葉券です。
青色JRE地紋のA型券で、東京印刷場調製のものです。
平成になると急行列車そのものが減少してしまったために急行券を購入する機会が減り、硬券の急行券にお目にかかる機会も殆どなくなりましたが、この区間の需要が多かったのでしょうか、奇跡的に一葉券が残っていました。
高田~長岡間は営業キロ79.7kmであり、乗車券の有効日数は当日限りとなります。しかし、急行券は1回限りの有効ですが、有効日数は2日間であるため、1枚の券にまとめてしまうのは少々無理があるように思われます。
表面の表記も「1回限り 発売当日有効」となっており、あたかも急行券も当日限りのような錯覚に陥ります。なんとも投げやりな表記です。
裏面です。
「急行券は高田から100kmまで 発売日共2日間有効」となっており、ここを見ると急行券については2日間有効であることが分かります。
また、「ただし同一列車1回限り有効」となっていることから、急行列車間の乗継は認められていないことが追記されていることになります。
区間は違いますが、国鉄時代の東京印刷場調製による乗車券・急行券の一葉券です。急行列車がまだたくさん運転されていたころ、このような一葉券は主要線区の主要区間に設備されていました。
この券は営業キロが101km以上ありますので途中下車は可能なわけですが、急行券は1回限りしか使用できませんので、発売の際には途中下車をするかどうかを旅客に確認のうえで発売されたものと思われます。
もし旅客が途中下車をする予定であれば、乗車券の他に別途必要な区間までの急行券を発売する必要がありますので、一葉券での発売はしなかったはずです。
そのためでしょうか、この券には「ただし同一列車1回限り有効」の文言がありません。