JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
小田急電鉄・京浜急行電鉄 日付器試検用紙
一般に旅客の手にに渡るものではないものですが、硬券が現役であったころ、小田急電鉄の各駅に設備されていた日付器試検用紙です。当時、駅員氏の御厚意で戴いたものです。
B型硬券の大きさであるこの用紙は、硬券と同じ用紙が使用されております。
その名も「日付器試検用紙」というもので、文字通り日付器の印字状態を見るためのものです。ダッチング(日付器または日付印字機)を回した時、きちんと印字されているかを確認するためにこの「用紙」で試し印字をするもので、各駅の硬券券箱には、この用紙を差し込んだ専用ホルダーが口座のように存在していました。
当時、国鉄や私鉄各社でダッチングの試し印字をする際には、厚紙を硬券の大きさに切って作成されたものや着札を使用していたのが一般的であり、わざわざこのようなものを作成している同社は、学生時代の私にとって、大変偉大な会社に見えたものです。
その後、平成10年代になってですが、京浜急行電鉄の羽田空港駅でも似たようなものが使用されていることに気付きました。こちらも、駅員氏の御厚意で戴きました。
これが同社のものです。
小田急電鉄のものと同じく硬券用紙をB型券大にしたものですが、同社のものは両面が印刷されていない「のっぺらぼう」の券となっていました。
硬券が一般的でなくなってしまった現在、このような「ぜいたく品」とも言える用紙を作成しているような会社はもはや存在していないのではないでしょうか?
小田急電鉄のものに「日付器試検用紙」とありますが、「試験」という言葉は存じていても、「試検」という言葉は他に見たことがありません。この漢字の並びには、きっと「検査」という意味があるのでしょう。
コメント欄に、相互リンクを貼らせていただいております「きっぷ展示館」のじゅん様から、千葉都市モノレールにも同じような硬券が存在することを御教示いただきました。同社は万年〇字の続く第3セクターですが、こんなことをしていて良いのか、些か心配になってしまいます。
この記事はじゅん様のブログ「きっぷ展示館」2011年1月27日エントリーの「千葉都市モノレール(2)」にトラックバックさせていただきました。