JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
東京競馬場前駅 営業最終日乗車券
昭和48年4月1日、東京外郭環状線を走る武蔵野線が開業し、その陰で、国分寺~東京競馬場前間を結ぶ中央本線の支線でありました「下河原線(通称)」が前日の31日の営業を以って廃止されました。
下河原線の終点である、東京競馬場前駅で、営業最終日である昭和48年3月31日に発行された硬券入場券です。
東京印刷場調製の無地紋B型券です。
昨年9月にJR八王子支社で発売された「想い出の中央線アルバム~中央線高架化完成記念入場券~」に添付されている同駅のレプリカ入場券は、まさしくこの様式が復刻されているようです。
かつて、国鉄の入場料金には小児料金が設定されておりませんでしたが、昭和44年11月より小児料金が設定され、入場券需要の多い大規模駅ではないところでは大人・小児用の券が設備されていることが多かったのですが、さほど需要が多いとは思えない同駅のものは大人専用券が設備されておりました。
当時、小児用の入場券まで確認するほどの知識もなかったために今は分からずじまいですが、もしかすると小児用の入場券も設備されていた可能性もあります。
同じく営業最終日に発行された、30円区間ゆきの乗車券です。
桃色国鉄地紋のB型金額式券で、東京印刷場調製の大人・小児用券です。
入場券と違い、また、東京競馬場の最寄り駅という性格上から大人用券の需要が殆どであったと思われる同駅でしたが、大人専用券での設備ではありませんでした。
こちらは、同じく最終日に発行された、30円区間ゆきの小児専用券です。
桃色国鉄地紋のB型金額式券で、東京印刷場による調製です。上記の大人・小児用の他に小児用の券も設備されておりました。
同駅はすべての券種が窓口対応の駅であったことから、小児用券の発券都度に断片を切断するという発券事務処理の簡略化のために、敢えて比較的近距離の口座については小児用券も設備していたものと思われます。
なお、「東京競馬場前」は漢字6文字の長い駅名でありましたため、発駅名だけでなく、発行箇所名の部分にも特活が用いられておりました。