JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
中央線高架化工事関連の常備軟券
週末の5月19日から20日にかけて、中央線高架化工事(今回は関連する武蔵小金井駅構内の線路切替工事)によって、中央線の電車は大幅に変更・運休され、振替輸送や代替バスによる運行が行われます。
今回のように工事に伴う変更や運休による振替輸送は何回か行われてきましたが、平成15年9月に行われた1回目の振替輸送の際には、代行バスの利用者の便を図るため、バスターミナルでの常備軟券による臨発が行われました。
1日目の27日(土)に三鷹駅で発行された、130円区間ゆきの乗車券です。
JRE地紋のA型券で、上下に切り取り線のある千切り式券となっています。大人用および小児用が別々に作成され、また、常備軟券としては珍しい、日付が予め印刷されたものとなっています。
2日目の28日(日)に国分寺駅で発行されたものです。
JRE地紋のA型券で、やはり上下に切り取り線のある千切り式券となっています。こちらも大人用および小児用が別々に作成され、日付が予め印刷されたものとなっています。
各駅では、両日共に大人用券の他、別途小児用券も作成されています。
当日、27日は22時ごろから終電までの間に振替輸送が開始され、28日は初電から7時ごろまでの予定となっており、土曜日の夜はそこそこの旅客が予想されましたが、日曜日の早朝はさほどの旅客は望めないものの、まだ実績のない振替輸送であるため、JR東日本八王子支社としては旅客の精算業務に万全の態勢で望むため、これらの券が作成されたものと思われます。
実際には、事前の周知とICカードの普及により、精算業務にさほどの混乱は見られないようでしたが、工事が予想以上に遅れ、日曜日の運転再開がお昼過ぎとなる大失態を起こし、計画と対策の甘さが問題となってしまいました。
そして、精算業務に混乱が起きなかったという実績からか、2回目以降の振替輸送の際には、常備軟券は登場しておりません。