八戸駅発行 十和田2号着席券

八戸駅(現・本八戸駅)で発行された、尻内駅(現・八戸駅)発、急行十和田2号の着席券です。

 

   


仙台印刷場で調製されたD型券で、青色国鉄地紋となっています。

発行箇所は「②八戸駅」となっていますが、乗車駅が尻内駅であることから、現在の八戸駅ではなく、昭和46年2月以前は八戸駅であった八戸線の本八戸駅で発行されたことが分かります。


列車名は当初「第2十和田」という名称でしたが、昭和43年10月の改正時に「十和田2号」となったことから、昭和44年1月から46年1月の間に発行されたものであると推測されます。

 

   


裏面です。

仙台印刷場の5ケタ券番で付番されており、注意書きが記載されています。


十和田2号は青森~上野間の夜行急行列車で、岩沼駅から常磐線を経由していました。定期運用の列車が急行「十和田」で、2号は季節運転の臨時列車でした。


当時の時刻表を調べますと、十和田2号は「6204レ」という列車で、青森を1530に出発し、尻内に1657に到着します。
尻内で3分停車して1700ちょうどに出発し、盛岡1850・花巻1918・一ノ関2015・仙台2209・平(現・いわき)0113・水戸0255に発車し、上野到着0500というダイヤとなっています。

ということは、尻内駅では3分間という短い停車時間のなかで、先ず着席券を所持した旅客を捌いた後に着席券を所持していない旅客を捌くという忙しい客扱いが行われていたようです。


客車編成はスハ43系座席車モノクラス12両もしくはスロ62を連結した12両編成で、昭和43年改正までは青森から尻内まではDD51型ディーゼル機関車とC61型蒸気機関車の重連で、尻内から先は、DD51型のみという運転でしたが、この券が発行された昭和43年改正で無煙化され、青森~水戸間はED75型機関車、水戸~上野間はEF80型機関車の牽引となっています。

 

   


当時、このような着席券には専用の袋(ワッペン)が付属されており、袋に着席券を入れて胸につけて改札口を通るようになっていました。

 

   


袋に着席券を入れた状態です。

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