東京急行電鉄 桜木町⇔横浜間の選択乗車に於ける乗車券

前回エントリーでは国鉄発行の乗車券を御紹介いたしましたので、今回は当該区間の東京急行(東急)発行分を御紹介いたしましょう。


   


昭和32年8月に東急桜木町駅で発行された、桜木町から横浜ゆきの片道乗車券です。

緑色PJRてつどう地紋の矢印式大人・小児用券で、井口印刷場調製と思われます。やはり国鉄の券同様に「(裏面注意)」として裏面に注意書きが印刷されています。


   


裏面です。

「国鉄線東横線いずれにも乗車出来ます」と記載されています。
国鉄券が「国鉄線・東横線いずれにも…」となっていましたので、東急券は「東横線・国鉄線いずれにも…」と東横線が先に記載されているのではと思いきや、こちらも国鉄線が先に記載されています。それだけ国鉄の力は強大であったのでしょうか?


当時の桜木町駅の構造が良く分かりませんが、発行箇所名の表記が「〇東 〇A 桜木町駅発行」となっており、国鉄と東急の窓口が一元化されていて、国鉄が東急の乗車券の発売を受託していたと考えられます。


   

   


昭和37年当時の桜木町駅発行の東急券を見ても、発行箇所名の頭に「〇東」の符号が付いています。

もしそうであったとすると、横浜までの乗車券を購入する旅客は、自身がこれから国鉄に乗車するのか東急にするのかを窓口に申告のうえ、横浜までの乗車券を購入したのでしょうか?

それとも、プール制であればどちらの券を発売しても一定の運賃は回収できますので、旅客からの申告が特段なければ国鉄の費用で印刷された国鉄券を出さずに、東急の費用で印刷された東急券を発行することでコストを削減(?)をしていたのでしょうか?


東急東横線の桜木町~横浜間は平成16年2月、横浜高速鉄道みなとみらい線との直通運転によって区間廃止されてしまっており、プール制はおろか、路線そのものも過去のものとなってしまっています。さらには、桜木町駅跡の解体工事が開始され、東横線が桜木町まで伸びていたことさえも忘れ去られようとしています。


今月16日には東京メトロ副都心線との直通運転が開始され、渋谷~代官山間の地上区間が廃止され、地下線化されます。

今、東急東横線から目が離せませんね。

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