松本電鉄 島々駅発行 特殊補充券

昭和56年9月、松本電鉄島々駅で発行された、特殊補充券です。


   


緑色JPRしてつ地紋の軟券で、等級制時代の国鉄の特殊補充券に準じた様式となっています。
新島々から島々ゆきの小児2名用の片道乗車券として発券されています。

同駅は昭和40年代前半にバスターミナルの新島々駅(当時は赤松駅)移転に伴って無人化されていますが、臨時発売があったか、イベント等で発券されたかと思われますが、敢えて発着駅を逆にして、しかも、小児2名分として発券されていることから、臨時発売等の何らか発券される機会があったものと思われます。


券の左端のミシン線で冊子から切り離すようになっていますが、ミシン線がきちんと入れられているものではなく、そのまま引きちぎると間違いなく破けてしまうため、駅員氏の配慮であったのでしょうか、券が破損しないよう耳の部分にハサミをいれて切り離してあります。


   


裏面の注意書きです。

まだ等級があった頃の文面で、現在のものとはかなり違っています。


島々駅は松本電鉄(現・アルピコ交通)上高地線の終着駅でありましたが、この券が発行された2年後の昭和58年9月の台風10号による土砂災害で新島々~島々間が不通となり、休止線のまま復旧されることなく、2年後の昭和60年1月に廃線となってしまい、同駅も廃止となってしまいます。

廃線から28年が経過し、廃止後の線路跡は田畑への転用等によって途中から途切れてしまっており、その跡を辿ることは難しいですが、駅舎の建物は新島々駅に隣接した場所に移転保存されており、山小屋風デザインの建物は現在でも綺麗に整備された状態で見ることができます。


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