東京急行電鉄 渋谷駅発行 非常時用千切り軟券

日付の捺印がありませんが、昭和60年頃に渋谷駅で発行された、千切り軟券です。


   


緑色PJRてつどう地紋の金額式大人専用券で、山口証券印刷で調製されたものでないかと思われます。

東急では乗車券の軟券化が比較的早期に行われ、自社完結の硬券乗車券は昭和40年代には無くなってしまっており、代わりに千切り軟券が設備されていました。
当時、常時千切り軟券が発売されていたのは、券売機の無かったこどもの国駅や、国鉄連絡中間改札口のある武蔵小杉駅・菊名駅などの限られた駅しかなく、乗車券の発売は券売機化が徹底されていました。しかし、券売機の故障や突発的な旅客の集中等の非常時用には、千切り軟券を使用して臨発が行われることもありました。

この券は、たまたま一時的に券売機前に長蛇の列ができてしまったため、机を出して臨発が行われた時に購入した次第です。


東急の千切り軟券は半硬券とも呼ばれる比較的紙質の厚いもので、1枚づつミシン線が入っていて切れるようにはなっていますが、いちいちミシン線を折って切り取るのでは効率が悪いため、予めハサミでミシン線の3/4程度を切っておき、発券時に残りの部分をちぎって発売していました。

御紹介の券は券番が1番の一番下の券であったために辛うじて四角い原券の大きさが分かるような形になっていますが、上下をちぎられた券は原型が分からないほど斜めに切られていることが多かったようです。

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