東京急行電鉄 渋谷駅発行 硬券券売機券

昭和38年7月に東横線渋谷駅の硬券式券売機で発券された、渋谷駅から10円区間ゆきの片道乗車券です。


   


黄色PJRてつどう地紋のB型券です。


   


裏面は真っ白で券番等の記載は全くなく、どこにも券番の記載されていない券となっています。


当時は自動券売機の黎明期であり、現在は主流となっている多能式(ボタンを押していろいろな券種を発券できるもの)券売機の元祖と言えるものが、昭和38年6月に東急渋谷駅および大岡山駅に設備されたと言われています。ゆえに、東横線渋谷駅は「多能式券売機発祥の地」とも言えるような駅であることになります。この券はまさにその「元祖」機で発券されたものです。


券売機内には予め何も印刷されていない硬券の券紙が挿入されており、旅客が購入する際に印板で券紙に券面が捺され、続いて日付がインクリボン打ちで印字されて発券されました。

なぜか発駅名が「渋谷」と駅まで記載されています。同時期の大岡山駅のものも「大岡山駅」となっていましたので、なんらかの意味があって「駅」を付けたのかもしれませんが、真相は不明です。ちなみに、同時期の軟券式単能式券売機券や硬券乗車券で、「駅」まで記載されているものは未見です。


日本初の多能式券売機ではありましたが、硬券に捺印するのでは印板に対して紙が硬すぎたために印板の摩耗が早く、あまり普及はしなかったようです。

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