鉄道省 蒲田から35銭区間ゆき地図式券

本日は69回目の終戦記念日です。終戦記念日に因んで、戦争関連の乗車券を御紹介いたしましょう。

昭和19年4月に蒲田駅で発行された、3等35銭区間ゆきの片道乗車券です。


   


白色無地紋のB型地図式券で、東京印刷場にて調製されたものと思われます。

昭和18年ごろから戦局が激しくなってくると、乗車券を印刷する用紙やインク、印刷工の人数に至るまで節約をしなければならない状況となり、東京印刷場では比較的偽造のしにくいと考えられていた地図式券に関して地紋の印刷を省略することが認めれられ、この時期に印刷された地図式券については無地紋の券紙を使用して調製されています。

また、日本史の時間に聞いたことがある「帝国議会」において、「戦時下ニ於ケル鉄道運営ノ現況並ニ一般経済ノ諸情勢二鑑ミ陸運ノ強化ヲ図リ併セテ購買力ノ吸収卜旅客輸送ノ調整二資スル為鉄道運賃ニ付左ノ措置ヲ講ズルモノトス」という決定があり、昭和19年4月1日以降、普通運賃の他に3割を上限とする「戦時特別運賃」が加算されるようになりました。そのため、この券には戦時特別運賃が加算されていることを表すため、左上に「特別運賃共」という表記があります。


路線の並びは現在の路線図とほぼ同じですが、当然ながら総武快速線や横須賀線(品鶴線)、京葉線の記載はありません。

都心方面の着駅は山手線高田馬場~代々木~中央東線代々木間、駒込~鶯谷間および常磐線三河島、総武本線両国から亀戸間となっており、横浜方面は東海道線東神奈川および鶴見線浜川崎~昭和間および大川支線の終点である大川です。

地図で見ますと大川が途中駅のような感じになってしまっていますが、大川駅は末端の盲腸駅ですので、ミス図版ということが言えます。

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