鉄道荷札

実家の屋根裏部屋を漁っていたところ、面白いものを発見しました。


   


鉄道荷札というもので、昔鉄道小荷物があった時代に荷物に括り付けた荷札です。別に通常の白い荷札でも差支えなかったのですが、敢えてこのようなものが売られていました。

鉄道小荷物では必ず荷物には紐を縛るようになっており、その紐にこのような鉄道荷札もしくは荷札をつけて発送しました。


   


昭和54年の夏に飯田線を走破した際に豊橋駅で撮影した、クハユニ56型電車の小荷物荷役風景です。紐で縛られた小荷物が紐に手鍵を引っかけられて、「ポイッ」とホームに投げ落とされていることがお分かりになるでしょうか?


   


宙に浮いたミカン箱のような段ボールがまさに投げ出されているところです。そして、各小荷物の紐には鉄道荷札もしくは白い荷札が付けられています。


当時の鉄道小荷物には「荷を大切に扱う」という観念はなく、「輸送に十分耐えられ得る荷造りをすること」があたりまえで、万一破損したら荷造りが不十分であったということになりました。


   


こちらも昭和54年の夏ですが、身延線富士駅でのクモハユニ44型電車の小荷物荷役風景です。
手前に立たれている帽子を斜に被っている国鉄職員は荷物を扱う専門の車掌職で「車掌(荷扱)」という車掌さんと思われます。荷物列車や荷物車を併結した列車に乗務しており、各駅での荷物の積卸の立ち合いや走行中の車内での仕分をして途中停車駅での荷卸しの準備などを担当しており、部内では「ニレチ」と呼ばれていました。

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