JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
関ケ原駅発行 柏原/垂井・新垂井ゆき乗車券 ~その3
あと1回垂井線関連の記事にお付き合いください。
前回および前々回エントリーの記事で関ケ原駅で発行された、柏原/垂井・新垂井ゆきの片道乗車券 を御紹介いたしました。
これが御紹介の券です。
昭和59年当時の垂井線部分の路線図です。日本交通公社発行の時刻表から引用しています。
前回エントリーのなかで、「新垂井駅から大阪方面に行く場合には列車の本数が半減されてしまっているので本数が少なく」、「関ケ原駅以西から新垂井駅に行く場合には、新垂井駅には上り普通列車が停車しないため、列車で行くことが不可能」と申しあげました。
しかし、国鉄にはすべての駅間を列車で結ぶという使命がありますから、この問題をクリアにしなければなりません。
当時の国鉄の「旅客営業取扱基準規程」に、このことに対応する規程が設けられていました。
(新垂井駅発着の場合の区間外乗車の取扱いの特例)
第150条 次の各号に掲げる乗車券を所持する旅客に対しては、当該各号の
末尾かつこ内の駅で途中下車をしない限り、別に旅客運賃を収受しないで、
当該各号に図示する区間について乗車の取扱いをすることができる。
(1)関ケ原以遠(柏原方面)の各駅発新垂井駅着の乗車券
大垣経由関ケ原・新垂井間(垂井駅又は大垣駅)
(2)新垂井駅発大垣以遠(荒尾、東大垣又は穂積方面)の各駅着の乗車券
関ケ原経由新垂井・大垣間(関ケ原駅又は垂井駅)
当時の国鉄は、このような救済措置を規程に盛り込み、同駅特有の事情による旅客側の不利に対して対応していたようです。上記(1)により、今回ご紹介の乗車券で新垂井駅まで乗車する場合、遠回りになりますが大垣駅まで迂回して旅行することができることになるわけです。
添付致しました図は、昭和59年に国鉄が発行した旅客営業取扱基準規程から引用させていただいております。
いままで3回に亘り、関ケ原駅で発行された、柏原/垂井・新垂井ゆき片道乗車券についてエントリーさせていただきました。今回でこのネタは終了させていただこうと思います。
おつきあいありがとうございました。