趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
上諏訪駅発行 乗車券・自由席特急券 連綴券
昭和58年2月に上諏訪駅で発行された、東京都区内ゆきの片道乗車券と上諏訪から200kmまでの自由席特急券の連綴券です。
青色こくてつ地紋のD型大人専用券で、新潟印刷場で調製されたものです。
前回エントリーで御紹介いたしました自由席特急券を使用してから約1か月後に再度所用があって乗車したもので、前回は自由席特急券だけを購入致しましたが、今回は様式の違う連綴券を購入いたしました。
窓口氏に「東京都区内までの乗車券と特急券をください。」と申し上げましたところ、窓口氏は連綴券を取りましたので、同駅では東京都区内までの乗車券と新宿までの自由席特急券を同時購入する場合、途中下車の可能性はほぼ無いことから、乗車券と自由席特急券をそれぞれ1枚ずつ発券するのではなく、連綴券を優先的に出していたのではないかと思われます。
これは、同駅は観光地を控えた中規模の駅ですので、そこそこの需要がある区間の乗車券と自由席特急券の2枚を1枚にまとめることによる「省力化」と硬券を印刷するコストの削減が目的であったと考えられます。そのために1口座を設備するほど、同駅の観光需要が多かったことが想像できます。
裏面です。
特急券部分には券番の他に何も記載はありませんが、乗車券部分には途中下車に関する注意書きが印刷されています。
諏訪地区にある宿泊施設の年間宿泊者のうち14~16%が電車の利用者であると言われています。特に上諏訪温泉の宿泊施設は上諏訪駅から歩いて来られるのが最大の売りであり、駅東口では新たな商業ビルの建設が進んで駅前の活性化に努めてきた矢先であり、そのような中で駅を特急列車が通過してしまうということは、観光による経済振興に大きな影響を与えることは容易に考えられ、地元自治体としてはJR東日本が言う「ご理解いただきたい」の一言では納得しがたいものがあると思われます。