趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
京浜急行電鉄 品川駅発行金額式券の日付印字
拙ブログ2021年5月31日エントリーの「京浜急行電鉄 品川から130円区間ゆき片道乗車券」のなかで、
> 同社では平成10年代末期に全駅においてダッチングが廃止され、
> 硬券への日付はゴム印を捺印することによって行われておりました。
> これは、同社のダッチングが20年代対応でないものが多かったことと、
> 機器の状態の悪く、印字をすると券が破けるなどの不具合が生じている機器が
> 多かったことが原因であったようです。
と申し上げましたが、実際、同社ではダッチングマシンの調子が悪く、窓口にあっても券を通すと機械の中に券が挟まって引きちぎられてしまったりしたため、使用しないでゴム印で捺印する駅が多く見受けられました。
ある駅では、毎日印字環はきちんと回して印字される日と実際の日が合っているようにしていても、印字ができないために使用はしないという状況であったり、またある駅では、券はきちんと通るものの、インクがきちんと印字環に付着しないため、「年月日」の「日」の部分が印字出来ないというものもありました。
当時の同社では泉岳寺駅を除く各駅に硬券の設備があって、希望すれば発売して頂けたのですが、このような駅が続出したため、平成18年頃にダッチングマシンは本社の指示で返納する形で回収され、以後発券される硬券についてはゴム印での日付捺印が行われていました。同社の硬券は平成23年まで行われておりましたが、平成20年代にダッチングマシンで日付印字された硬券は存在しません。
前置きが長くなりましたが、コレクション的には存在しないものの、平成20年代の同社硬券で、ダッチングマシンで日付印字されている券があるコレクションショップで販売されておりましたので、購入してみました。
品川駅で発行された、同駅から130円区間ゆきの片道乗車券です。平成20(2008)年2月25日の日付がダッチングマシンにて印字されています。
これは、当日が京浜急行電鉄創立110周年の日に相当します。
管理人も京浜急行電鉄の別の駅で硬券の入場券を購入した際、
「ダッチングじゃないんですが、日付はお入れしますか?」
と聞かれたことがありますので、たぶんそのような経緯で購入された券に、後日ダッチングマシーンで日付を入れたものだと思います。
当然ながら駅で日付を入れたものではないと思われますので、あくまでも「コレクション用」であって使用することはできませんが、券自体はホンモノです。
小児用券も同じように購入し、1枚についてはダッチングマシンで日付を入れてみました。
実際に使用致しました券を再掲いたしますが、やはり硬券はダッチングマシンで日付を入れたものの方が引き立ちます。
(本来、このようなことをして実際に使用してしまえば「有価証券偽造」とか「詐欺」に該当すると思われますが、発売日が印字されて発行された発売当日限り有効である乗車券は「から通印」がなければ翌日以降は無効となって有価証券性を失ってしまうことと、同社の硬券は廃止されてから既に10年が経過していますため、悪意を持って使用することが不可能であると判断し、画像をアップさせて頂いております。)