小田急電鉄の出札補充券

昭和62年のことですが、小田急新宿駅にてえのしま号の特急券を購入した時、なぜだか判りませんが、出札補充券(=出補)で発券されました。

images(表) images(裏) (再度クリックすると大きくなります。)

今思い出そうとしても、何で出補だったのか思い出せません。心当たりがあるとすれば、「展望席」を希望しただけです。予約端末に不都合でもあったのでしょうか?

小田急の出補は紙質が大変厚く、しっかりしています。また、活字はゴシック体が基本ですが、緑の地紋に青色のカーボンという、ちょっと「昔っぽい」雰囲気を醸し出しています。

ふと、現在も様式に変化がないのか、先週の土曜日、ある駅にて「だめもと」で発券をお願いしてみました。

images(表) images(裏) (再度クリックすると大きくなります。)

最初に応対された駅員氏は「出札補充券」という言葉を聞いても何のことだかお分かりでない様子でしたが、後ろにおられた駅員氏が「どちらまでお作りしますか?」と応対してくださり、丁寧に作ってくださいました。
最近、小田急も出補を趣味発券することについてはハードルが高くなっていると聞いておりましたので、すんなり発行していただけたのは本当に幸運でした

ゴシック体の様式は変わっていませんが、地紋の色が薄くなったり、枚数記入欄にマス目が入ったりと、細かいところに変化がありました。

images(横浜高速鉄道のもの) (再度クリックすると大きくなります。)

紙質が若干薄いですが、印刷の感じは横浜高速鉄道のものによく似ています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

小田急電鉄の定期券購入済乗車票

小田急電鉄では、各駅に定期券の発行機能のある自動券売機が設置されており、新規の通学定期券や各種割引の定期券以外は最寄の駅で購入することができます。
数年前までは各駅では定期券を発売しておらず、定期券を購入するには、定期券発売駅へ行かなければなりませんでした。その場合、往きは最寄の定期券発売駅までの乗車券を購入し、定期券購入時に購入した乗車券の払戻しをうけ、帰りは定期券が使用できる時は定期券にて乗車し、使用できないときは定期乗車券購入済乗車票を受け取って乗車します。

現在の定期券購入済乗車票は自動改札機対応の磁気券になっていますが、かつてはA型の硬券でした。

images(表) images(裏)

1番目のものは成城学園前で発行された乗車票で、山口証券印刷製っぽいものです。
当時、成城学園前駅の両隣の定期券発売駅は経堂駅と向ヶ丘遊園駅であったため、それぞれの1駅手前である千歳船橋駅と登戸駅間各駅まで乗車できるようになっています。

images(表) images(裏)

2番目のものは下北沢駅で発行された乗車票で、シンコー印刷製のものです。
印刷所が違うと雰囲気も違いますが、様式は1番目のものと同様で、東北沢駅と豪徳寺駅間各駅まで乗車できるようになっています。ただし、裏面の注意書きが「発当日限り有効」となっており、この乗車票は非売品ですので、「発当日~」のエラー券であると思われます。

しばらくの間、上記2種類のどちらかが各定期券発売駅に設備されていたようですが、硬券乗車票の末期、無地紋の別様式のものが出てきました。

images(表) images(裏)

雰囲気的には山口証券印刷製っぽいですが、どこで印刷されたものか、決め手のない券です。
新様式券には「自動改札は通れません」の文言がありますが、乗車区間の制限に関することの文言がなくなり、単に「小田急線内有効」とだけ謳われています。これでは乗客の側に立って解釈すれば、新宿で定期券を購入した後に、小田原まで行くことも可能になってしまいます。
いったい、それで良いのでしょうか?

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )

小田急電鉄あさぎり号のJR東海発行特急券

本日で小田急電鉄ネタにお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

さて、本日のお題はあさぎり号のJR東海にて発行された特急券です。

images(指定券) images(特急券)

これはJR東海御殿場線松田駅発行の普通車用特急券(指のみ券)です。
JR東海ではマルスシステムと小田急の指定券予約システムをコンバートさせて発行していますが、料金計算機能はなく、料金表示が「¥***」の「指のみ券」となります。
そのため、料金精算には、別途おそらくここだけと思われる、小田急電鉄の硬券の特急券が添付発行されます。
通常は、指定券と特急券をホチキスで留めて発行するため、特急券にも乗車日および席指定を記入する欄がありますが、記入は省略しているようです。今回は、乗車後手元に残すという事情を説明し、ホチキス留めは寸前で勘弁していただきました
発行後、即刻「パチン!」と留められてしまいますので、購入される際は、早めに申告されることをお勧めします。

images(指定券) images(料金券)

つぎは、グリーン車用特急券(指のみ券)です。
発行方法は普通車用と同じで、別途「ホチキス留め」された小田急の特急券が添付されます。

松田駅のあさぎり号用指のみ券はMR12型マルスで発行されますが、通常の「指のみ券」とは若干様式が違います。左上にJR東海発行を示す「□海」、右上にはマルスの「C符号」に相当する、小田急の指定券予約システムで使われている21桁の取消符号が印字されています。どうやら、最初の4桁は乗車日、次の4はあさぎり号を、次の2桁は列車番号を、次の5桁は「C符号」を、次の4桁は席番を、最後の4桁は発行番号を意味しているようです。

このほか、小田急の硬券特急券は、普通車用は町田ゆきと新宿ゆきが、グリーン車用は町田ゆきがそれぞれ設備されており、グリーン車用の本厚木ゆきの設備はありません。これは、距離が短いのでグリーン車の需要が見込めないということに由来すると思われます。

images

そのため、きっぷコレクターの間では有名な話ですが、本厚木までのグリーン券を発行する場合、JR東海の特補(料補)を発行して料金を精算します。
補充券をなかなか出して頂けないJR東海ですが、伊勢鉄道鈴鹿駅と並んで、比較的購入し易いケースだと思います。(この場合も即ホチキス留めです!)

話は変わりますが、小田急の特急券を比べると、どちらも山口証券印刷製のものですが、の活字に違いがあります。

images(普通車用)
images(グリーン車用)

普通車用は松の「八」の部分が折れ曲がって漢数字の「八」のようになっていますが、普通車用のものはカタカナの「ハ」のようになっています。特別な意味はないと思いますが、一つの印刷場でも異なった活字を使用している例が存在するということが判ります。

images

松田駅では、特急券といっしょに小田急線完結の乗車券も発売しており、こちらも硬券が使用されております。恐らく小田急の硬券乗車券が発売されているのもここだけではないでしょうか?

特急券と乗車券を眺めてみると、面白いことに気づきます。
特急券の発駅は「松田」となっていますが、乗車券の発駅は「新松田」になっています。
本当の理由はわかりませんが、乗車券については「小田急線内社線完結」のために「新松田発」になっているものと思われますが、特急券については小田急の新松田駅とは若干離れたJR松田駅が列車の出発駅ですので、誤乗を防ぐ意味で「松田」と厳密に区別されているのかもしれません。

images(普通車繁忙期用)

images(グリーン車通常期用)

参考として、硬券時代のJR東海発行の連絡特急券が手元にありましたのでご紹介いたします。松田駅だけはJR区間が絡まないため特急券として発行されますが、松田駅以外の駅発の場合、JR区間が絡む関係で「連絡特急券」となります。しかし、マルス化された現在、連絡特急券であっても単なる「特急券」という表題になっているようです。

 

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )

小田急電鉄の絡む3社連絡券

小田急電鉄沿線には多数のJR(国鉄)や私鉄が接続し、連絡運輸の取り扱いが多数存在しますが、中でも3社連絡や4社連絡という取り扱いまで存在します。

images(表) images(裏)

これは、小田急線が発駅となる3社連絡券です。経堂駅から新宿駅で乗換、国鉄(JR)山手線を経由して池袋で再度乗換、西武鉄道池袋線の練馬駅までとなっています。
これは山口証券印刷製のものと思われ、小田急電鉄の社名は裏面に記載されております。その下にある(39.3)は印刷納入された時期を示しています。

小田急線発の3社連絡の例として、JR(国鉄)線を挟んで西武鉄道、東武鉄道、京成電鉄、京浜急行電鉄、東急電鉄への設定と、京王井の頭線下北沢~渋谷間を経由してJR(国鉄)線に至る設定があるようです。
この取り扱いは現在も存在しているようですが、3社一括で購入しても割引等のメリットが一切ないことと、券売機には設定が無く、窓口のMSR端末もしくは出札補充券でないと発券ができないため積極的に案内しているわけではなく、一般の乗客は乗換駅できっぷを都度購入しているのが実態となっており、小田急線発の3社連絡は有名無実化しているのが現状です。

images

これは小田急線が着駅となる3社連絡券です。国鉄(JR)山手線恵比寿駅から渋谷駅で乗換、京王井の頭線を経由して下北沢で再度乗換、小田急線祖師ヶ谷大蔵までのものです。
恵比寿方面から小田急線方面へ行く際、新宿を経由するよりも京王井の頭線を経由して行くほうが断然早く、また、下北沢駅は京王井の頭線と小田急線の連絡口に精算・改札口が無いため、需要はそこそこあったのではないでしょうか?
この券を購入した当時、恵比寿駅の出札口に井の頭線経由の小田急線方面までのきっぷを発売している旨の手書きの案内が掲示されており、私もそれを見つけて購入した次第です。

images

次は、小田急線を間に挟んだ3社連絡券です。現在でもJR(国鉄)相模線各駅から小田急線厚木~海老名間を経由して相模鉄道本線に至る3社連絡が設定されています。
これは国鉄発のもので、当時は準常備券にて設備されておりました。JRになった現在でも同じルートで購入することができますが、券売機での設定はなく、マルスもしくはPOS端末での発券となります。
以前は出札補充券でないと発券できなかったという話を聞いたことがありますが、マルスでも額入による発券で可能なようです。
当然ながら、相模鉄道から小田急線を経由してJR(国鉄)線へ至る3社連絡も設定がありますが、これに対応する常備券を見たことがありません。

その他、小田急線から京王井の頭線・JR(国鉄)山手線を経由して東急電鉄、京浜急行電鉄に至る4社連絡運輸の設定も存在するようですが、ここまでマニアックになると出札補充券でないと発券は難しいのではないかと思われます。「身割」や「介割」などの理由が無い限り、発券は無理と考えた方が無難でしょう

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
   次ページ »