JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
小田急電鉄の絡む3社連絡券
小田急電鉄沿線には多数のJR(国鉄)や私鉄が接続し、連絡運輸の取り扱いが多数存在しますが、中でも3社連絡や4社連絡という取り扱いまで存在します。
これは、小田急線が発駅となる3社連絡券です。経堂駅から新宿駅で乗換、国鉄(JR)山手線を経由して池袋で再度乗換、西武鉄道池袋線の練馬駅までとなっています。
これは山口証券印刷製のものと思われ、小田急電鉄の社名は裏面に記載されております。その下にある(39.3)は印刷納入された時期を示しています。
小田急線発の3社連絡の例として、JR(国鉄)線を挟んで西武鉄道、東武鉄道、京成電鉄、京浜急行電鉄、東急電鉄への設定と、京王井の頭線下北沢~渋谷間を経由してJR(国鉄)線に至る設定があるようです。
この取り扱いは現在も存在しているようですが、3社一括で購入しても割引等のメリットが一切ないことと、券売機には設定が無く、窓口のMSR端末もしくは出札補充券でないと発券ができないため積極的に案内しているわけではなく、一般の乗客は乗換駅できっぷを都度購入しているのが実態となっており、小田急線発の3社連絡は有名無実化しているのが現状です。
これは小田急線が着駅となる3社連絡券です。国鉄(JR)山手線恵比寿駅から渋谷駅で乗換、京王井の頭線を経由して下北沢で再度乗換、小田急線祖師ヶ谷大蔵までのものです。
恵比寿方面から小田急線方面へ行く際、新宿を経由するよりも京王井の頭線を経由して行くほうが断然早く、また、下北沢駅は京王井の頭線と小田急線の連絡口に精算・改札口が無いため、需要はそこそこあったのではないでしょうか?
この券を購入した当時、恵比寿駅の出札口に井の頭線経由の小田急線方面までのきっぷを発売している旨の手書きの案内が掲示されており、私もそれを見つけて購入した次第です。
次は、小田急線を間に挟んだ3社連絡券です。現在でもJR(国鉄)相模線各駅から小田急線厚木~海老名間を経由して相模鉄道本線に至る3社連絡が設定されています。
これは国鉄発のもので、当時は準常備券にて設備されておりました。JRになった現在でも同じルートで購入することができますが、券売機での設定はなく、マルスもしくはPOS端末での発券となります。
以前は出札補充券でないと発券できなかったという話を聞いたことがありますが、マルスでも額入による発券で可能なようです。
当然ながら、相模鉄道から小田急線を経由してJR(国鉄)線へ至る3社連絡も設定がありますが、これに対応する常備券を見たことがありません。
その他、小田急線から京王井の頭線・JR(国鉄)山手線を経由して東急電鉄、京浜急行電鉄に至る4社連絡運輸の設定も存在するようですが、ここまでマニアックになると出札補充券でないと発券は難しいのではないかと思われます。「身割」や「介割」などの理由が無い限り、発券は無理と考えた方が無難でしょう