小田急電鉄の端末発券された特急券

小田急の特急券は、他の大手私鉄同様、昭和50年代後半の頃から指定券予約端末による発券をするようになりました。しかし、当時はまだ主要駅にしか端末がなく、硬券による発券が頻繁に行われていたため、収集家の間ではあまり話題にされることはなかったと思います。
今回はそんな「日の目を見なかった」特急券をご紹介します。

images(表) images(裏)

これは、一代目の予約端末により発券されたものです。乗車券を一葉にして発券することもできたため、左上の題字欄に「乗車券」の文字があり、右上には乗車券の有効期間を記載する欄がありました。
この券は特急券のみとして発券されているので、「乗車券」の文字を「XXX」で消去してあります。

images(あさぎり号急行券)

当時、あさぎり号は急行列車であったため、あさぎり号の急行券として発券された場合は、題字の「特別」の文字も「XX」で消去されました。また、あさぎり号は乗車する車両のみが指定されていたため、席番指定の欄にも横線が引かれています。
また、券の右側には縦の線が引かれていて、いかにも小児用として発券したときには断片を切り取るようになっていますが、実際に小児用として発券されて右端を切り取られたものを見たことはありません。
右端の券には、さがみ号→「2」、あさぎり号→「4」の数字と列車番号を組み合わせた3桁の数字が打たれ、その下には、新宿駅→「0」、本厚木駅→「5」という、駅名コードが打たれています。

images(表) images(裏)

平成になると、予約端末は二代目に更新されました。ご紹介いたしますのは乗車券が一葉に発行されたものです。二代目もやはりドットインパクトによる印字ですが、一代目の商用ドットインパクトのような文字から、NECのパソコン用ドットプリンターに変更されています。
そして、今までのカタカナと数字しか印字できなかったものから、漢字表記が可能となり、また、左下に19桁の取消符号が入るようになりました。

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平成10年代になると、予約端末は三代目に更新され、自動改札対応の感熱式に変わりました。文字の並びは二代目のものとあまり変わりはありませんが、取消符号は21桁になり、右上に移動しています。

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平成10年代後半になりますと、やっと現行の四代目の特急券に変更されました。
字体が丸ゴシック体から角ゴシック体に変更され、ローマ字表記が追加されました。また、発車時刻の次に到着予定時刻が、列車名の次には車両の種類がそれぞれ追加で記載されています。
取消符号は三代目同様21桁で変わりませんが、新型ロマンスカーの座席番号が従来の「3桁」から「2桁+アルファベット」に変更されたため、座席番号を示す16桁目にアルファベットが挿入されるようになりました。
この取消符号は、拙ブログにて2月3日にエントリーさせていただきました「小田急電鉄あさぎり号のJR東海発行特急券」に画像をアップさせていただいておりますが、JR東海のマルスにて発行されたあさぎり号の特急券(指のみ券)にも同様に記載されております。
今回購入した際、特急券と同区間の乗車券も同時に購入いたしましたが、なぜか乗車券は一葉券ではなく、別途発券されました。

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金額式の大型券という近鉄によくありそうなタイプです。今の端末では一葉券が出せないのか、敢えて分けて発券されたのか、真意はわかりません。

現在、小田急には5種類の特急ロマンスカーがありますが、その斬新さと快適さを最大の「売り」としているからでしょうか、特急券に使用される車両の種類が記載されるのは全国的にも大変珍しい例であると思われます。
http://www.odakyu.jp/romancecar/line_up/index.html ←ロマンスカーラインナップ(小田急電鉄ホームページより)

 

 

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