JR東日本 大森駅発行 サンライズ出雲号 特急券・B寝台券

平成29年8月にJR東日本大森駅で発行された、サンライズ出雲号の特急券・B寝台券です。


  


青色JRE地紋の指定共通券用紙の120mm券となっています。

乗車区間は山陰本線出雲市駅から東京駅までの上り列車全区間で、他社関連券ですので「(2-タ)」の表記があります。
また、B個室には1人用の他に2人用も存在するため、座席指定欄には「シングル個室🚭(=禁煙)」と記載され、料金の下にも「1人用」の表記があります。

サンライズ出雲号および瀬戸号(サンライズエクスプレス)の座席および寝台は、様式ごとに列車名が区切られているようで、この列車の場合には「サンライズ出雲」号ではなく「サンライズ出雲シングル」号としてマルスシステムに収容されており、列車名もサンライズ出雲シングルと表記されます。


料金の内訳を見てみますと、特急料金は3,240円で601km以上の座席指定料金を除した在来線A特急料金が適用され、それにB個室の寝台料金7,560円が加算されています。

国鉄時代、運賃については国会で承認されなければ値上げが難しかった半面、料金については国会での審議は必要なかったという事情があり、国鉄末期の赤字対策として料金がどんどん値上げされていった経緯があり、現在の料金はその影響をまともに受けた金額となっています。

当時は運賃の安い夜行高速バスや朝食までついているような安いビジネスホテルなんてありませんでしたから、「高い」と思っても寝台特急を利用していましたが、今では5,000円もあれば広いベッドやユニットバスが付いたホテルに宿泊できるわけで、幅70cm程度のベッドと猫の額程度の床、トイレや洗面所は共同、シャワーは別途シャワーカードを購入のうえで時間制限の中で使用するといった客室のレベルは、時代遅れ感が否めず、それだけ異質な空間での夜は特別な感覚になります。

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井笠鉄道 薬師から井原ゆき片道乗車券

昭和46年1月に、井笠鉄道車内で発行された、薬師から井原ゆきの片道乗車券です。


   


青色無地紋の第1種車内補充券で、カーボンを挟んで記入する様式となっています。


井笠鉄道は山陽本線の笠岡駅から井原に向かう井原本線と、井原から福塩線の神辺駅に向かう神辺線、井原本線北川駅から矢掛に向かう矢掛線から成っていました。


この券は井原本線薬師駅から井原駅までのもので、薬師駅は列車交換ができる有人駅ではありましたが、事由欄に「ム札」と記載されていることから何らかの理由で無札で乗車し、車内で車掌に乗車券を買い求めたものと思われます。
同社の車内補充券は御紹介のような第1種の様式以外は未見であり、同鉄道末期において、他社線にあるような地図式や駅名式のような車内補充券は存在していなかった可能性があります。


井笠鉄道はこの券が発行された昭和46年1月の約一週間前である前年12月25日に運輸省への廃止申請が提出され、昭和46年4月に廃止されてしまっています。
路線廃止後、昭和42年に先行廃止された神辺線の井原~神辺間および井原本線の北川~井原間の線路用地は、鉄道建設公団に買収され、現在の井原鉄道の路線として一部が利用されています。

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神岡駅発行 飛騨船津・神岡口まで往復乗車券

昭和45年7月に神岡線(のちの神岡鉄道・廃線)神岡駅(のちの神岡鉄道・奥飛騨温泉口)駅で発行された、飛騨船津(のちの神岡鉄道・飛騨神岡)・神岡口(のちの神岡鉄道・神岡鉱山前)までの往復乗車券です。


   


青色こくてつ地紋の、復路片が逆転地紋となっていた時代のA型往復券で、名古屋印刷場で調製されたものです。

この券が発行された神岡駅は神岡鉱山の関係者が居住する住宅街となっており、ここから神岡口駅までの区間には商店や人家が多く、飛騨船津駅は旧神岡町の町役場がある中心であり、神岡口駅は神岡鉱山の入口に位置していたことから、神岡から神岡口間相互間の鉄道利用の需要が多かったために往復乗車券が設備されていたものと思われます。


神岡線はほぼ同じ区間を結んでいた神岡軌道(昭和42年全線廃止)と川を挟んで対岸に建設された路線で、昭和41年10月に猪谷~神岡間20.3kmが開業しましたが、昭和56年9月に国鉄合理化によって第一次特定地方交通線に指定されたうえで廃止が承認されると、同年11月には神岡口~神岡間の貨物営業廃止され、昭和59年10月に全線が廃止され、第三セクターの神岡鉄道に移管されています。


同年10月に神岡鉄道として猪谷~奥飛騨温泉口間 の19.9kmが開業し、飛騨船岡~神岡間に神岡大橋駅が開業し、西漆山駅が漆山駅に、飛騨船津駅が飛騨神岡駅に、神岡駅が奥飛騨温泉口駅に改称され、囲炉裏(いろり)のついた気動車が新製投入されたことで当時話題となりました。
さらには平成10年にはコンテナ輸送が開始され、平成14年には奥飛騨温泉口駅の改築工事が完成し、「これから」というところでありましたが、平成16年にコンテナ輸送および濃硫酸輸送が終了し、平成17年に貨物営業が廃止されると、同社は収入源の殆どを失い、平成18年12月に廃止されてしまっています。

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JR東海 踊り子114号B特急券 伊豆長岡から東京まで

平成26年3月に伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅で委託発売された、JR東海 踊り子114号のB特急券です。


   


若草色JRC地紋の周遊券サイズの大人・小児用常備軟券です。


特急踊り子号はJR東海とJR東日本を跨る特急列車で、東京~伊豆急下田までの「下田編成」と、東京~修善寺までの「修善寺編成」から成ります。

前者は併結の他に単独での運用もあり、東京から東海道本線を熱海まで走行し、熱海から伊東線を経由して伊豆急行の伊豆急下田駅を結んでおり、後者は併結運用のみで、東京から下田編成と併結のうえ熱海まで走行し、熱海で下田編成と切り離されるとJR東海に引き継がれて三島まで東海道線を走行したあと、伊豆箱根鉄道の修善寺まで運転されます。


御紹介の券は伊豆箱根鉄道修善寺駅で発売された、上り踊り子114号用の特急券になります。始発駅の修善寺にはJRのマルス端末が設備されていますが、伊豆長岡を含む各駅にはマルス端末はなく、常備特急券もしくは駅名記入式の「記特」での発券となります。
伊豆長岡温泉の最寄駅である伊豆長岡駅は比較的需要があるために列車ごとの完全常備券が一部設備されています。


同列車は伊豆箱根鉄道線内は特急料金が不要のため、発駅は私鉄線内であれども料金は東京~三島間の150kmまでのB特急料金となっており、連絡特急券という扱いにはなっておりません。

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