趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
JR東日本 新宿駅から120円区間ゆき片道乗車券
今からちょうど32年前の1989(平成令和元)年1月11日に、JR東日本新宿駅で発行された、新宿から120円区間ゆきの片道乗車券です。
(勢いで年号間違えました・・・。コメント欄で御教示いただいた方、ありがとうございます。)
桃色JRE地紋のB型金額式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。
同駅では近距離乗車券については、当時存在しておりました小田急電鉄との中間改札にあります精算所で「〇社」扱いの硬券乗車券が発売されておりましたが、JR東日本直営の駅での発売は通常行われておりません。しかしながら、当日は「1並び」ということで記念用として120円区間と150円区間の乗車券の発売が行われています。
実際に購入したのですが、新宿駅構内のどこで発売されていたか、全く記憶がありません。コンコースであったような気もしますが、そうすると改札内で発売されていたことになります。
人間、歳を取ると記憶があやふやになって行くものですが、恐ろしいものです。
西武鉄道 豊島園駅発行 昭和最後の日の入場券
前回エントリーの「JR東日本 荻窪駅発行 昭和最後の日の乗車券」で昭和64年1月7日と平成元年1月8日に発行された乗車券を御紹介いたしましたが、実は、昭和64年には、鉄道営業の世界には1月8日が存在し、その日が本当の「昭和最後の日」を迎えた駅が多くありました。
1989(昭和64)年1月8日に西武鉄道豊島線の豊島園駅で発行された普通入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券となっています。
一般的に、カレンダー上では昭和という元号は64年の1月7日で終了し、翌1月8日からは平成という元号の元年になっておりますが、鉄道営業の世界では1月7日の終電までが当日の営業時間内ということであるため、このようなことが起きてしまっていたのでした。7日の24時が過ぎて8日になってからも終電車が出発するまでは営業(帳簿)上は1月7日であり、1月8日の営業時間は始発電車が出発するために駅を開けた時刻からになるため、御紹介の豊島園駅では、24時を過ぎた00時15分頃発の終電の発車時刻までの約15分間だけ、昭和64年1月8日が存在したのです。
当時、同駅ではこのことに気づいたコレクターが数名ほど入場券を買い求めていましたが、今のようにネットで話題が拡散されることなく、ひっそりと終電車が出発し、「昭和」時代の営業を終了しています。
現在、同駅では駅名の由来となっております「としまえん」の閉園に伴って遊園地の玄関駅という役割は終わってしまっていますが、住宅地の駅として駅名が改称されることなく営業が続けられています。
JR東日本 荻窪駅発行 昭和最後の日の乗車券
今からちょうど32年前の1989(昭和64)年1月7日にJR東日本荻窪駅で発行された、新宿接続京王線100円区間ゆきの片道連絡乗車券です。
桃色JRE地紋のB型金額式大人・小児用券で、東京印刷場(JRとなってからは東京乗車券管理センター)で調製されたものです。
昭和天皇がこの日、1月7日の午前6時33分、皇居・吹上御所で87歳で崩御され、64年間続いた「昭和」が終わり、翌日からは「平成」の世の中になりました。昭和天皇の崩御により憲法と皇室典範に基づいて、皇太子明仁親王(現在の上皇様)が皇位を継承して天皇陛下に即位されています。昭和天皇の大喪の礼は2月24日に東京の新宿御苑に設営された葬場で行われたと記憶しております。
平成となった翌日の平成元年1月8日に、同じJR東日本荻窪駅で発行された、吉祥寺接続京王線100円区間ゆきの片道連絡乗車券です。
年号の「64」は「1」に改められ、十の位には月や日のようなハイフン「-」は付けない様式で日付が印字されておりますが、JRでは十の位のハイフンは付けないのが正式な印字方法と定められていたようですが、JR北海道などの一部の駅では、券売機券において十の位にハイフンが付けられているものが存在しています。
厚床駅発行 姉別・初田牛駅ゆき片道乗車券
1986(昭和61)年9月に根室本線厚床駅で発行された、姉別・初田牛(はったうし)駅ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型矢印式大人・小児用券で、札幌印刷場で調製されたものです。
当時の北海道の近距離乗車券は、券売機券は金額式のみでしたが、硬券になると金額式の他、矢印式や一般式、相互式など、いろいろな様式が使用されていました。これは恐らく、無人駅の多い地域では、着駅が記載されていることによって車掌の集札業務が簡易になることと、往復印を捺印することによって往復乗車券として発売することができるなどといったことが理由であったと考えられます。
着駅である姉別駅は現在でも根室本線にある駅ですが、初田牛駅は1日の平均乗降客数が1名以下の「利用の無い駅」として2019(平成31)年3月のダイヤ改正だったと思いますが廃駅となってしまっておりますので現存致しません。なので、元旦に御紹介致しましたJR各社の「牛」の付く駅の中から、現存する駅として絞りますと初田牛駅が「戦力外」になってしまいます。
牛久から東京山手線内ゆき 片道乗車券
1976(昭和51)年6月に常磐線牛久駅で発行された、東京山手線内ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型相互式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。
同駅は取手以遠の茨城県内にある駅になりますが、牛久市の交通の中心駅であるなど比較的需要があったと思われ、大人専用券として設備されておりましたので、別に小児専用券の設備もあったことが推測されます。
当時の規則で東京山手線内の適用範囲の駅は、東京山手線内にある駅と中心駅である東京駅から片道の営業キロが50kmを超え200km以下の区間内にある駅であったことから、同駅も「東京山手線内」の適用範囲の駅となっておりましたが、現在は営業キロが100kmを超え200km以下の駅に改定されておりますので、範囲外になっています。
発行駅名右にあります「⑰」の数字は循環番号であり、この券の前に①~⑯の16万枚が発売済となっておりますので、図示は致しませんが、この券の券番は8184番なので168,184枚の発売実績があることとなります。この券の運賃帯である51~60km帯は1974(昭和49)年10月に240円から改定されており、改定時に新券が設備されたとしても1年8か月(583日)間設備されておりますので、単純に計算致しますと1日あたり288.5枚程の需要がある口座であったことになります。
牛浜駅発行 普通入場券
1985(昭和60)年12月に青梅線牛浜駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。記憶が曖昧なのですが、確かこの頃に青梅線と五日市線の各駅が軟券化され、硬券入場券は発売されなくなったような気がします。
同駅は2020(令和2)年11月28日夜間から翌29日早朝にかけて、2023年度末に予定されている中央快速線のグリーン車サービス開始に向けての12両の列車が停車できるためのホーム延伸に伴い、下り奥多摩寄りの線路160メートルを、60センチ移す線路切替工事が実施されました。これによって上下線の線路間隔が開いてスペースが生まれ、約30メートル分のホームを延伸するのだそうです。
JR北海道 安牛から上幌延ゆき 片道乗車券
新年あけましておめでとうごさいます。
本年も昨年同様、御贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。
昨年はも隔日ながら、なんとか1年間更新を続けることができました。これはひとえに皆様の暖かい御支援の賜物であります。
ありがとうございました。
本年も変わらぬ御支援のほど、よろしくお願いいたします。
元旦1発目は毎年干支に因んだきっぷを御紹介いたしております。
本年は丑(うし)年になりますので、牛に因んだ駅名を考えてみました。
すると日本全国、牛に因んだ駅名の駅は大変多く、JR旅客鉄道各社には、
① 緋牛内駅 (JR北海道 石北本線)
② 初田牛駅 (JR北海道 根室本線/花咲線)
③ 妹背牛駅 (JR北海道 函館本線)
④ 伊香牛駅 (JR北海道 石北本線)
⑤ 美馬牛駅 (JR北海道 富良野線)
⑥ 安牛駅 (JR北海道 宗谷本線)
⑦ 撫牛子駅 (JR東日本 奥羽本線)
⑧ 小牛田駅 (JR東日本 東北本線/石巻線/陸羽東線)
⑨ 羽後牛島駅(JR東日本 羽越本線)
⑩ 牛久駅 (JR東日本 常磐線)
⑪ 牛浜駅 (JR東日本 青梅線)
⑫ 牛久保駅 (JR東海 飯田線)
⑬ 牛ヶ原駅 (JR西日本 越美北線)
⑭ 牛ノ谷駅 (JR西日本 北陸本線)
⑮ 特牛駅 (JR西日本 山陰本線)
⑯ 牛島駅 (JR四国 徳島線)
⑰ 牛津駅 (JR九州 長崎本線)
思いつくだけでも17駅あり、ちょっと反則ですが、JR東日本常磐線の「ひたち野うしく」駅を入れれば18駅になります。
また、私鉄や公営交通について挙げて行きますと
① 藤の牛島駅(東武鉄道 野田線)
② 上総牛久駅(小湊鉄道 小湊線)
③ 牛込神楽坂駅(東京都交通局 大江戸線)
④ 牛込柳町駅(東京都交通局 大江戸線)
⑤ 牛田駅 (東武鉄道 伊勢崎線)
⑥ 牛山駅 (名古屋鉄道 小牧線)
⑦ 牛田駅 (名古屋鉄道 名古屋本線)
⑧ 牛田駅 (広島高速交通 アストラムライン)
⑨ 牛渕駅 (伊予鉄道 横河原線)
⑩ 牛渕団地前駅(伊予鉄道 横河原線)
⑪ 牛ノ浜駅 (肥薩おれんじ鉄道線)
11駅があり、日本国内すべての鉄道駅は28(ひたち野うしく駅を入れると29)駅あることになり、昨年の鼠に因んだ駅名の駅がJR東日本羽越本線にあります鼠ヶ関(ねずがせき)駅のみという結果とはかなり差があります。
ならばと、今回はこのような乗車券を御紹介です。
JR北海道宗谷本線の安牛駅から、同じくJR北海道宗谷本線の上幌延駅ゆきの片道乗車券です。実際に発行された実券を一部画像処理しています。
発駅である安牛駅は開業が1925(大正14)年と歴史の古い駅ですが、国鉄時代の昭和50年代後半にCTC化による合理化が行われたことによって無人化され、かつて存在した交換設備も撤去された棒線駅になっています。現在では1日3往復の普通列車が停車するだけの駅となっており、1日あたりの平均乗降者数は1名以下とされています。
着駅である上幌延駅は安牛駅から南幌延駅を挟んで2駅目の駅で、やはり開業が1925(大正14)年と歴史の古い駅です。同駅も国鉄時代の昭和50年代後半のCTC化による合理化が行われたことによって出改札業務が廃止されていますが、運転要員は引き続き配置されていました。しかし、昭和60年代になると無人化され、交換設備が撤去された棒線駅になっています。こちらの現在では1日3往復の普通列車が停車するだけの駅となっており、1日あたりの平均乗降者数は1名以下とされています。
JR北海道にはいろいろな台所事情があるとは思いますが、新型コロナウイルス感染拡大による収入減少に対応するための経費削減策の一環として、利用の少ない駅を本年3月のダイヤ改正時に廃止することを表明しています。この中には安牛駅と上幌延駅が含まれており、御紹介の券の区間は3月のダイヤ改正前日までしか購入することが出来なくなります。
今回廃止される予定の駅は18駅あり、宗谷本線は南比布駅・北比布駅・東六線駅・北剣淵駅・下士別駅・北星駅・南美深駅・紋穂内駅・豊清水駅・安牛駅・上幌延駅・徳満駅の12駅が、石北本線は北日ノ出駅・将軍山駅・東雲駅・生野駅の4駅が、釧網本線が南斜里駅、函館本線が伊納駅となっています。
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