京都では、今年の秋も、様々な寺院などで特別公開が行われています。
両足院は、建仁寺の塔頭、つまり院内末寺です。
<リョウアシイン>ではなく、<リョウソクイン>です。
変わった名前で、覚えやすいですね。
このお寺が、短い期間ですが、特別公開されています。
ここには様々な寺宝があって、中でも有名なのが伊藤若冲の掛け軸。
若冲といえば、江戸中期の画壇で、異彩を放った人物。
動物を描いた絵が多いことで知られ、特に鶏の絵が有名です。
鶏を描いたものはいくつもあって、そのうちの一つがこの両足院にあります。
ですが、残念ながら今回の特別公開では展示していません。
今回展示しているのは、長谷川等伯筆の屏風です。
ここには等伯の襖絵もあるのですが、そちらは今回は展示されていません。
二年前くらいの特別公開では、若冲と等伯の襖絵を展示していました。
おそらく、そのたびごとに展示内容を変えているのでしょう。
若冲の掛け軸には感動しました。
美術館などで見る場合、どうしてもガラスケース越しに見ることになります。
それが、ここでは、目の前に、手で触れられる状態で見られます。
もちろん、実際に触れてはいけないのですが。
そして、それが床の間に飾ってあるわけです。
しかるべき場所にあるものを見る、と言った趣でしょうか。
その所有者になった気分にもなれないことはない、といっては大袈裟でしょうか。
ですが、描かれた目的のままに置かれているのは、感動に値するといえましょう。
それは美術館などでは味わえないものといえるのではないでしょうか。
今回展示してある等伯の屏風にしても、同じです。
署名、落款を数センチの距離で確認することができるのは、やはりうれしいものです。
お寺の特別公開などでは、そういう楽しみもあります。
両足院は、絵だけではなく、庭も素晴らしいお寺です。
これも寺宝の一つといって良いでしょう。
ぜひとも訪れてみてください。
”あいらんど”