一之船入、といえば、京都の名所の一つ。
当館から徒歩五分ほどのところで、訪れる人も多いですね。
高瀬川の船運の始終点。
川には清酒の樽を載せた船が係留されており、風情があります。
こと、桜が満開の季節となれば、絵になる光景で、絶好の撮影スポットです。
さて、一之船入があるのだから、二之船入もあるだろう。
そんなことを思いながら、高瀬川沿いを下っていくと、果たしてあります、二之船入。
二之船入もあるなら、ひょっとして三之船入も?
と、またまた南へ下っていけば、ありますあります三之船入。
三条通の少し北あたりです。
さすがにここまでか?いやいやまだまだ?
と、期待半ばに歩いていくと、なんとあります、四之船入。
四之船入が……いや、もういいか。
船入の石碑は、こうして高瀬川沿いを下っていくと、九之船入まで見つけることができます。
ちょうど四条通の少し北のあたりが、九之船入。
三条通と四条通の間の高瀬川沿いは、京都でも屈指の繁華街。
風情とは程遠い景観で、決して「京都らしい」とはいえないところ。
しかし、幕末という時代において、このあたりが京都の中心であったのは事実。
東から陸路で京都へ来るものは三条大橋へ。
西から海路をで京都へ来るものは、大坂、伏見を経て、木屋町へ。
交通の便宜上、三条木屋町周辺は、物と人の集積地だったということです。
たとえば一之船入のすぐ西側には長州藩の屋敷が。
たとえば三之船入のあたりには池田屋が。
五之船入に面しては、海援隊の本部、酢屋があったり。
幕末の偉人達がこのあたりを闊歩していたわけです。
そんな時代のことを思いながら、高瀬川沿いの散策に興じてみてはいかがでしょうか。
”あいらんど”