京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

勝利者の冠

2009-10-02 | インポート

 ♪う~さぎ うさぎ~ 何見て跳ねる~

 というわけで、明日、10月3日は旧暦の8月15日で、いわゆる中秋です。

 この日の月を中秋の名月といい、観月の慣習があります。

 中秋の名月=満月だと数年前まで信じて疑いませんでした。

 これがそうではないと知って、衝撃を受けたものです。

 まあ、でも、ほぼ満月なんで、大きな問題があるわけではないんですが。

 ちなみに今年の満月は翌4日になるそうです。

 月見といえば、団子とススキ。

 しかし、実際にこれを飾って月見をしたことがある人は、そんなにいないのではないでしょうか。

 ビルの多い都会では、月見もへったくれもない、という現実もあります。

 雨が降って月が見られない、ということも良くあることです。

 それでも、中秋の夜に月を眺めてみようと思う心の余裕は持っていたいものではあります。

 さて、京都のお寺などの中には、この日に合わせて観月の祭事を行うところがあります。

 もっとも有名なのが、嵯峨野にある大覚寺。

 中秋をはさんだ三日間、観月の夕べが開かれます。

 境内にある、大沢池に龍頭鷁首船を浮かべ、月を眺める、という催しです。

 平安貴族もかくあらん、と、すこし高貴な気分になってみるのもよろしいかと思います。

 現実として、必要以上にいちゃいちゃするカップルが隣にいる、という状況があったりもしますが。

 大覚寺の周辺は、都市化がそれほど進んでいません。

 広がるのは田園風景で、観月を妨げる高いビルはありません。

 池辺から眺める月も良いもので、風がなければ水に写る月も綺麗な円を描くことでしょう。

 まさに、名月や池をめぐりて夜もすがら、といったところでしょう。

 願わくは晴れてほしいところではあります。

”あいらんど”