大原古知谷にある阿弥陀寺は浄土宗知恩院派の古刹で、弾誓上人(たんぜいしょうにん)が慶長14年(1609年)に開山した念仏道場です。
麓の中国風の山門を通って500mほど山道の参道を登ると本坊が見えてきます。
亭々とそびえる老樹が全山を覆っており、秋には天然記念物の樹齢約800年と推定される古知谷カエデをはじめ、約300本近いカエデが紅葉し、隠れた紅葉の名所となります。
この季節は中庭などに京都府の絶滅危惧種に指定されるクリンソウ(九輪草)約400株が見頃を迎え、紫や桃色、白などの花が涼やかに咲き、訪れる人の心を和ませてくれます。
仏塔の「九輪」のように花が何度も連なることが名前の由来です。
本堂には開山、弾誓上人が自らを彫り、自らの髪を植えた「植髪像」がご本尊として祀られ、本堂奥の開山窟には、即身仏となったお上人を納めた石棺が安置されています。
大原へお越しの際には、少し足を延ばしていただき、静寂の、古知谷阿弥陀寺へどうぞ。
京都好き男