日高報知新聞 2020.10.06
【新ひだか】東京大学が保管するアイヌ民族の遺骨のうち町内三石地区(旧三石町)で出土した一体が4日、政府指針に基づき全国で始めて三石アイヌ協会に返還され、協会はカムイノミ(神への祈りの儀式)を行って豊岡墓地にある無縁納骨堂に納めた。
政府は2018年(平成30年)に指針をつくり、大学が保管する遺骨をアイヌ民族団体に返還できるようにし、出土地などの情報を公開した上で、昨年各団体から返還申請を受け付けた。
東大にあったのは、1888年(明治21年)に学術研究の一環で寄贈により入手したという頭骨。当時、東大教授だった人がアイヌの計測観察など目的に北海道に旅行し持ち帰ったと見られている。
当初は医学部解剖学講座で保管していたが、1966年(昭和41年)の総合研究博物館設置により管理移管され、現在に至っているが、研究者により確認も行ったが、出土地が「日高国三石」しかわかっていない。
遺骨を迎えるカムイノミは三石アイヌ協会(幌村司会長)が主催者となり、静内アイヌ協会の葛野次雄会長を祭司に三石西蓬莱のチセ(アイヌの家屋)で行われた。
東大本部の山本哲也総務課長ら3人が遺骨を持って参列し、幌村会長に返還したあとカムイノミが行われた。自然への感謝のお祈りに続いて仏様へのお祈りを行い、再埋葬は初めてということもあり、新式のやり方だが清らかな心で先祖供養をしたことを神に報告した。
終わって東大の山本課長が「国のガイドラインにより、三石から返還要求があり、両者があるべき姿を協議して合意した。大学とアイヌの方々が未来に向けて意義深いこと。今後も尊厳ある慰霊の実現に向け力を尽くしていく」とあいさつ。
幌村会長は「先祖の遺骨を持ち去られた遺族の悲しみは察するに余りある。三石に帰ってこそ安らかに眠ることができると信じ、無事に迎えられたことは三石アイヌ協会にとって意義深いもの」と述べた。

遺骨を持つ東大の山本課長(右)と同行の職員(左の2人)

葛野祭司(左)により遺骨を迎えるカムイノミ
http://www.hokkaido-nl.jp/article/19129
【新ひだか】東京大学が保管するアイヌ民族の遺骨のうち町内三石地区(旧三石町)で出土した一体が4日、政府指針に基づき全国で始めて三石アイヌ協会に返還され、協会はカムイノミ(神への祈りの儀式)を行って豊岡墓地にある無縁納骨堂に納めた。
政府は2018年(平成30年)に指針をつくり、大学が保管する遺骨をアイヌ民族団体に返還できるようにし、出土地などの情報を公開した上で、昨年各団体から返還申請を受け付けた。
東大にあったのは、1888年(明治21年)に学術研究の一環で寄贈により入手したという頭骨。当時、東大教授だった人がアイヌの計測観察など目的に北海道に旅行し持ち帰ったと見られている。
当初は医学部解剖学講座で保管していたが、1966年(昭和41年)の総合研究博物館設置により管理移管され、現在に至っているが、研究者により確認も行ったが、出土地が「日高国三石」しかわかっていない。
遺骨を迎えるカムイノミは三石アイヌ協会(幌村司会長)が主催者となり、静内アイヌ協会の葛野次雄会長を祭司に三石西蓬莱のチセ(アイヌの家屋)で行われた。
東大本部の山本哲也総務課長ら3人が遺骨を持って参列し、幌村会長に返還したあとカムイノミが行われた。自然への感謝のお祈りに続いて仏様へのお祈りを行い、再埋葬は初めてということもあり、新式のやり方だが清らかな心で先祖供養をしたことを神に報告した。
終わって東大の山本課長が「国のガイドラインにより、三石から返還要求があり、両者があるべき姿を協議して合意した。大学とアイヌの方々が未来に向けて意義深いこと。今後も尊厳ある慰霊の実現に向け力を尽くしていく」とあいさつ。
幌村会長は「先祖の遺骨を持ち去られた遺族の悲しみは察するに余りある。三石に帰ってこそ安らかに眠ることができると信じ、無事に迎えられたことは三石アイヌ協会にとって意義深いもの」と述べた。

遺骨を持つ東大の山本課長(右)と同行の職員(左の2人)

葛野祭司(左)により遺骨を迎えるカムイノミ
http://www.hokkaido-nl.jp/article/19129