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【コロナ対策情報付き】阿寒湖の楽しみ方を徹底ガイド!季節の絶景から地元グルメ&お土産までたっぷり紹介

2020-10-12 | アイヌ民族関連
ウォーカープラス 2020/10/11 17:15
阿寒湖の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)
■阿寒湖ってどんなところ?マリモの生息地で知られる道東を代表する観光スポット
北海道東部の釧路市にある阿寒湖は、北海道でも歴史のある国立公園のひとつである「阿寒摩周国立公園」に含まれる湖。湖は噴火活動の影響によって形成されたもので、周囲には雄阿寒岳(標高約1371メートル)と雌阿寒岳(標高約1499メートル)がそびえ立ち、湖と森と火山が織りなす雄大な景観が広がる。
そして阿寒湖といえば、国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」でも有名。また、2005年にはラムサール条約の登録湿地にも指定されている。道東を代表する観光スポットは自然豊かで周辺エリアも見ごたえたっぷり!さっそくその魅力を紹介しよう。
■【見どころ1】春から秋は美しい絶景をとことん満喫!
寒冷な気候で知られる阿寒湖は、季節によって異なる楽しみを体験できるのがポイント。春から秋にかけては、湖岸散策やレイクフィッシングが盛んなほか、阿寒湖の絶景を巡る遊覧船が運行し、湖上から美しい景色を満喫できる。遊覧船乗り場は湖畔の南側にある「まりもの里桟橋」「幸運の森桟橋」の2カ所で、どちらから乗船しても可。所要時間は約85分、乗船料金は大人税込2000円、子供税込1040円となる。
この遊覧船で行くことができるのが、阿寒湖北側に見えるチュウルイ島にある「マリモ展示観察センター」。1897年(明治30年)に阿寒湖で発見されたマリモが特別天然記念物の指定を受けるまでの経緯や、マリモの生態などを紹介している。湖底をイメージした大水槽に展示されている天然のマリモは必見。開館期間は例年5月から11月ごろ(遊覧船の運行がない期間は休館)、入館料(税込420円)は遊覧船の乗船料金に含まれている。
船上からはほかにも、阿寒湖を代表する景勝地「滝口」や、雄阿寒岳、雌阿寒岳の姿を一望できる。湖をぐるりと周遊する遊覧船は、初めて阿寒湖を観光する人やコンパクトに名所を巡りたい人にぴったりだ。
アクティブに過ごしたい人は、自然ガイドツアーに参加してみよう。トレッキングやハイキングなど、1年を通して多彩なプログラムを展開。手つかずの自然が多く残る阿寒の環境を、その場所を知り尽くした地元ガイドの案内でさらにディープに知ることができる。阿寒観光協会公式サイトにもプランが掲載されているので、気になる人は確認してみよう。
初夏から秋は、雌阿寒岳や雄阿寒岳、白湯山(標高約950メートル)の登山を楽しむ人も多い。白湯山は阿寒湖からほど近い阿寒湖温泉の南側に位置し、温泉街からわずか2時間ほどで登ることができる。標高815メートルの場所にある白湯山展望台では、阿寒湖と雄阿寒岳のパノラマはもちろん、夏季の早朝には雲海に会えるチャンスも。もっと手軽に阿寒湖の絶景を楽しみたい人には「国設阿寒湖畔スキー場」からの景色もおすすめ。夏から秋にかけてはスキー場が阿寒湖畔展望台となるため、白湯山と阿寒湖畔の両方から眺望を堪能するのも一興だ。
秋の阿寒湖では、例年10月8日から10日の3日間「まりも祭り」を開催。盗難や売買目的のため全国に散らばったまりもを保護する目的で開かれるもので、阿寒湖に丸木舟を浮かべ、まりもを迎え、護り、送る儀式などが行われる。※2020年は10月9日(金)の行事(まりも踊り行進、まりもを迎える儀式、タイマツ行進、まりもを護る儀式)は中止
■【見どころ2・イベント】極寒の冬限定!湖の上で楽しむアクティビティ
冬は寒冷地らしく、気温がマイナス20度を下回ることもあるほど極寒の阿寒湖。例年1月から3月にかけては、全面結氷した阿寒湖の上でさまざまなアクティビティが展開される。ここでは、冬の阿寒湖の魅力を見ていこう。
冬の阿寒湖の風物詩といえば、結氷した湖の上でのワカサギ釣り。湖に穴を開けて釣る「天然わかさぎ釣り」の体験は阿寒湖ならでは。釣ったワカサギは天ぷらにして食べることができる。料金は1セット1500円(釣具一式、天ぷらサービス付き)。
さらに、結氷した湖の上を疾走するスノーモービルやバナナボート、アイススケートも冬だけのお楽しみだ。いてつく寒さを存分に生かした体験にぜひトライしてみて。
たっぷり遊んだあとは、阿寒湖温泉でゆっくり体を温めたい。温泉街の多くのホテルには露天風呂があり、温泉につかりながら阿寒湖と山々の雄大な風景を眺めることができる。また、日帰り温泉もおすすめ。心身ともに癒やされる湯あみで至福の時間を過ごそう。
冬の恒例イベントとして、毎年2月上旬〜3月上旬にかけて開催されるのが「阿寒湖氷上フェスティバルICE・愛す・阿寒」(結氷状況によって変更あり)。漆黒の中で打ち上がる大輪の花火“冬華美”は、氷点下の阿寒の寒さを忘れさせてくれる美しさ。氷上の特設会場では、揚げたてのワカサギの天ぷらや温かいドリンクが販売される。
■【見どころ3】アイヌ文化に触れるコンテンツも充実
阿寒湖観光の際は、アイヌ文化を体感できるスポットへも足を運ぼう。阿寒湖温泉街にある「阿寒湖アイヌコタン」は、36世帯・約120人あまりのアイヌの人々が暮らす北海道最大のコタン(集落)。作家の木彫り作品を展示する店舗や民芸品を扱う土産店、古くから伝わるアイヌの郷土料理を味わえる飲食店などが立ち並ぶ。
「阿寒湖アイヌシアター〈イコロ〉」では、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録された「アイヌ古式舞踊」をはじめ、祖先から受け継がれてきたアイヌの伝統芸能を観覧できる。また、2019年からの新演目「阿寒ユーカラ『ロストカムイ』」にも注目。アイヌに伝わる「エゾオオカミ」の神話を、デジタルアート、古式舞踊、現代舞踊の融合で再現する作品だ。観覧料金は「アイヌ古式舞踊」が大人税込1200円、小学生税込600円。「阿寒ユーカラ『ロストカムイ』」が大人税込2200円、小学生税込600円。
そして阿寒湖畔には、2019年に自然、アイヌ文化、デジタルアートが融合した体験型観光コンテンツ「阿寒湖の森ナイトウォーク KAMUY LUMINA(カムイ ルミナ)」が誕生(有料、冬期は積雪のため休業)。2020年度は新型コロナウイルス感染防止に伴い開催中止となっているが、再開された際はこちらも要チェックだ。
■【混雑情報・気候】存分に遊ぶためにも寒さ対策は万全に
阿寒湖の繁忙期は夏期が6月〜8月、冬期は1月下旬〜3月上旬ごろとなる。夏場は涼しく長袖のシャツで快適に過ごせるが、朝晩は気温が下がるので羽織物を持っていると安心。一方、冬は氷点下で厳しい寒さの日が多く、厚手のダウンジャケットやコートに加え、手袋やマフラーといった防寒具が欠かせない。アクティビティを満喫するためにも、寒さ対策は万全にしよう。
■【グルメ・お土産】郷土料理やアイヌ料理など個性豊か!
阿寒湖畔の温泉街には、ランチや夕食で訪れたい飲食店が充実。観光と併せてグルメもしっかり堪能しよう。なお、各店の営業時間や店休日は事前に確認を。
遊覧船乗り場「幸福の森桟橋」から近い場所にある「郷土料理 奈辺久」は、自家製手打ちそばと、阿寒湖の魚を使った郷土料理が楽しめる老舗。人気の「わかさぎ天麩羅定食」(税込1130円)をはじめ、豊富なメニューを取りそろえている。5月から7月のみ食べられる阿寒湖特産のヒメマスの刺身は阿寒湖でしか味わえない旬の味覚だ。
「阿寒湖アイヌコタン」の一角にあり、アイヌ料理や創作料理を提供するのが「民芸喫茶 ポロンノ」。凍らせたイモを発酵させた「ポッチェイモ」(450円)や、ポッチェイモの生地に季節の山菜やキノコがトッピングされた「ポッチェピザ」(750円)はこの店の名物メニュー。訪れたらぜひ食べてみてほしい。
「Pan de Pan(パン デ パン)」は焼きたてパンを販売する地元でも人気のベーカリー。明るく開放的な店内にはイートインカフェもあり、パンやフレッシュサンド、デニッシュをドリンクと一緒に味わえる。阿寒湖のほとりにあるホテル「阿寒の森鶴雅リゾート 花ゆう香」に隣接しているので、散策の休憩で気軽に訪れてみて。
このほか、観光記念のお土産として喜ばれそうなのが、北海まりも製菓の「カラフルまりもようかん」(税込648円)。定番のまりもようかんをはじめ、生クリームが入ったマリーム味、いちご味、抹茶チョコ味、ゆず味、コーヒー味の6種類が入っている。食べ比べをするのも楽しい、マリモをイメージしたまん丸な形のようかんだ。商品は土産店などで販売している。
■【担当者のコメント】ツアーで地元ガイドとの交流を楽しんで
「『森で癒やされ、湖でたたずむ』そんな素敵な場所が私たちの街、阿寒です。自然体験や異文化体験を楽しみたい方は、絶対にツアーなどに参加するのがおすすめ。地元のガイドさんたちと交流することによって、穴場やおすすめメニューなどを知り、阿寒ならではの過ごし方を楽しめます」(阿寒観光協会まちづくり推進機構 地域広報担当・山崎正人さん)
■【アクセス】釧路空港からはバスや車で1時間ちょっと
阿寒湖へ行くには、たんちょう釧路空港から阿寒バス、阿寒エアポートライナー(運休の場合あり)、タクシー、車のいずれかで約1時間10分ほど。バスの場合は終点の阿寒湖バスセンターで下車。車の場合は湖畔に有料駐車場がいくつかあるのでそちらを利用しよう。
電車の場合は特急「おおぞら」に乗り、JR札幌駅から約4時間、JR帯広駅から約2時間でJR釧路駅に到着。JR釧路駅から阿寒湖までは阿寒バスで約2時間、タクシーまたは車で約1時間30分となる。
■【新型コロナウイルス感染予防対策】
・北海道地域で定められた生活様式に伴った取り組みを実施しています。
・各宿泊施設、商店街店舗にはアルコール消毒液を設置しています。
取材・文=角川アップリンク
<施設情報>
住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉
アクセス: 【電車】JR釧路駅から阿寒バスで約120分、タクシーまたは車で約90分 【車】たんちょう釧路空港から阿寒バス、阿寒エアポートライナー(運休の場合あり)、タクシー、車で約70分
定休日: なし
駐車場:近隣の有料駐車場を利用
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※2020年8月時点の情報です。
https://news.goo.ne.jp/article/walkerplus/region/walkerplus-1006051.html

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現代のアイヌの少年が触れた「近くて遠いアイヌの世界」

2020-10-12 | アイヌ民族関連
AERA 2020/10/11 17:00

福永壮志(ふくなが・たけし)/1982年生まれ、北海道出身。2003年に渡米、映像制作を学ぶ。初長編「リベリアの白い血」(15年)がベルリン国際映画祭のパノラマ部門に出品され、ロサンゼルス映画祭で最優秀作品賞に輝くなど、世界的な注目を集める。19年から東京を拠点に活動(撮影/写真部・加藤夏子)
(AERA dot.)
 AERAで連載中の「いま観るシネマ」では、毎週、数多く公開されている映画の中から、いま観ておくべき作品の舞台裏を監督や演者に直接インタビューして紹介。「もう1本 おすすめDVD」では、あわせて観て欲しい1本をセレクトしています。
*  *  *
 北海道阿寒湖畔のアイヌ民芸品店を訪れた日本人観光客が、店主に言う。
「日本語上手ですね」
 映画「アイヌモシリ」に出てきた言葉に衝撃を受けた。福永壮志監督(38)にそう伝えると、
「あるあるエピソードです。その方に悪意はないだろうし、無知からきている失言だと思いますが、アイヌの人は森のどこかに集落があって固まって住んでいるとか、日常的にアイヌ語を話していると思っている人がいまだにいる。アイヌのことをよく知らない日本人は多いと感じています」
 実際そうだろう。北海道出身の福永監督にとっても子どもの頃、アイヌ民族は「謎に包まれた存在」で、どこか触れてはいけないことのように感じていたという。そんなモヤモヤした意識が変わったのは、2003年に渡米し、大学を卒業してからのことだ。
「地域差や個人差はありますが、米国人にはネイティブアメリカンの土地を奪って今があるといった歴史認識がある。僕自身そうした記事を読んだり話を聞いたりした時に、自分が生まれ育った北海道の先住民族であるアイヌを何も知らないできたことを恥ずかしく思った。その後、映画を勉強するようになって、いつかアイヌの映画を撮れたらと思うようになりました」
 主人公は14歳のカント。阿寒湖畔のアイヌコタン(村)で民芸品店を営む母親のエミと暮らしている。1年前に父親が亡くなってから、カントはアイヌの活動に参加することがなくなった。そんなカントをある日、父親の友人でアイヌコタンの中心的存在であるデボがキャンプに誘う。山で自給自足しながらカントにアイヌの精神や文化についてさりげなく語り伝え、デボはひそかに飼っていた子熊の世話をカントに託す。
 実はその子熊は長年途絶えていた「アイヌの熊送りの儀式=イオマンテ」の復活のために必要不可欠な神へのささげものだった……。
 物語がドキュメンタリーのようにも見えるのは、出演者が実際にアイヌの人々だからに違いない。
「本作を作るにあたって、アイヌ役はアイヌの方にお願いしようと思いました。アイヌを題材とした映画は数少なく、その中でアイヌの役を演じてきたのは和人の俳優です。アイヌ自身がアイヌ役を演じる映画を作ることに意味があると思いました」
 そのために人のつてをたどって各地のアイヌを訪ねて話を聞き、最終的に阿寒のアイヌの人々を説得して出演してもらった。脚本は書いたが、現場ではできるだけ自分の言葉で語ってもらい、自然な姿をとらえるように演出した。
「自分の作為が出過ぎたり、アイヌの現実とは違う描き方や偏見を助長するようなことをしたりしてしまったら、最初の意図から離れてしまう。だからアイヌを美化しないように気をつけました。彼らはアイヌであり現代人でもある。彼らの普段の姿を意識しながら撮りました」
◎「アイヌモシリ」
主人公カントを演じる下倉幹人は、見る人を引きつける目力の持ち主。10月17日から全国順次公開
■もう1本おすすめDVD 「リベリアの白い血」
 福永壮志監督の長編第1作。アフリカのリベリア共和国から自由を求めて米国ニューヨークに渡った男の姿を描く。福永監督自身、ニューヨークで暮らして10年以上経って書きだした脚本は、労働搾取、移民、内戦といった複雑なテーマを内包し、広い視野で「今を生きる人」をとらえる。
 主人公はリベリアの過酷な労働環境下のゴム農園で働くシスコ(ビショップ・ブレイ)。ある日、彼は仲間たちと劣悪な労働環境を改善しようとストに参加するが、結局失敗。ニューヨークから戻ったいとこの話を聞き、シスコは家族のためにより良い生活を目指して単身ニューヨークへ渡る。リベリア人コミュニティーに身を置きながら、タクシー運転手として新たな生活を始めるのだが……。
 多くの日本人にとって直接接点のないリベリアだが、車のタイヤの原料はリベリアのゴムも多いという。
「モノを通してつながっていない国は今やない。(労働搾取が)モノを消費する自分たちに関係ないとは言えないからこそ、まずは現実を知ることが第一歩」と福永監督。
 相手を知り、想像する。彼の映画は不寛容な時代に必要なことを教えてくれる。
◎「リベリアの白い血」
発売元:ニコニコフィルム
販売元:オデッサ・エンタテインメント
定価3800円+税/DVD発売中
(フリーランス記者・坂口さゆり)
※AERA 2020年10月12日号
https://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2020100800043.html

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『談論風発 琉球独立を考える』 平和共存への道を示唆

2020-10-12 | 先住民族関連
琉球新報 2020年10月11日 14:54

『談論風発 琉球独立を考える』前川喜平、松島泰勝編著 明石書店・1980円
 世界は自国優先を堂々と唱える大国が出だして、第2次大戦以来何とか維持されてきた国際協調体制が危機に面している。
 本書の第一の読後感は、平和共存の世界秩序をどう21世紀において維持・強化できるのかを示唆してくれるいくつもの切り口が読み取れたことだ。沖縄をめぐり南太平洋の先住民族、アイヌ民族、中国東北地方の人々の尊厳回復への闘いはどのような土俵で、どのような手法と根拠で妨げられてきたのかをリアルな表現で各地域の識者との対談形式で論じている。
 長らく教育現場からアフリカや南の地域を見て、考えてきた評者にとってとりわけ興味深かった論点を2つだけ挙げておこう。
 まずは八重山の教科書採択問題。東アジアの平和共存が緊急の課題となっている現在、ゆがめられた東アジアの歴史を、教材によって子供たちに教えることに断固として抗した対談でも登場する、竹富町の西表島の石垣金星氏のような島芸能の継承者たちや、その本質を理解して制度的工夫で、霞が関から支持したいずれも勇気ある人々の談論は、「真実は汝(なんじ)を自由にするという」をモットーとする私立大学にいた自分にとってさすがと感心した。
 もう一つはニューカレドニアの独立問題。南太平洋のフランス領の島の先住民族の尊厳への希求は、大国による「自由で開かれたインド太平洋」といった当事者不在のグローバル戦略でかすんでしまっているが、談論では地域専門家佐藤幸男氏がこの島の人々の独立とは、もうかるという経済的理由でなく、何よりも自分たちのアイデンティティーであることを見抜いている。帝国はその周辺の人々の扱い方によってその正体を露出するが、島の虐殺と屈辱の歴史を知れば知るほど「独立」という自己決定権の行使しか希望の道はないことを示唆している。
 脱植民地化の根拠と段取りを明示した国連憲章、それを上回る国際間の絶対平和原則に立った日本国憲法、いずれも今もっとも追及しなければならない国際社会の上位規範であることを琉球・オキナワ発のメッセージで教えてくれる本だ。
 (勝俣誠・明治学院大学名誉教授)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まつしま・やすかつ 龍谷大学経済学部教授。琉球独立を目指す研究や運動で活躍。「琉球独立宣言」(講談社)など著書多数。
 まえかわ・きへい 元・文部科学事務次官。現代教育行政研究会代表。主な著書は「面従腹背」(毎日新聞出版)。共著多数。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1206253.html

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メキシコ、コロンブス像撤去 米大陸到達の記念日前に

2020-10-12 | 先住民族関連
AFPBBNEWS 2020年10月11日 15:22 発信地:メキシコ市/メキシコ [ メキシコ 中南米 ]

メキシコ・メキシコ市に設置されている、抗議デモ中に赤いペンキが塗られたイタリアの探検家クリストファー・コロンブスの像(2020年6月9日撮影)。(c)Guillermo Gutiérrez/NurPhoto/AFP
【10月11日 AFP】メキシコ当局は10日、首都メキシコ市に設置されていたイタリアの探検家クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)の像を撤去した。12日にはコロンブスの米大陸到達を記念した行事が予定されており、活動家団体がこの像を引き倒そうと計画していた。
 文化省はメキシコ市当局の要請を受け、同市レフォルマ通り(Reforma Avenue)にあった像を撤去したと発表。撤去理由については、修復のためだと説明した。
 1492年10月12日にコロンブスが米大陸に到達したことに合わせて、複数の活動家団体が「われわれは(その像を)引き倒す」と称したデモを計画していた。
 メキシコでは10月12日は、同国の先住民と欧州人による多様な遺産をたたえる祭日「民族の日(Day of the Race)」となっている。
 撤去されたコロンブス像は1877年にレフォルマ通りに初めて設置された像で、1992年に損傷を受けていた。
 メキシコ市のクラウディア・シェインバウム(Claudia Sheinbaum)市長は、修復作業が完了したら像は戻される予定だと述べた。
 米国各地ではここ数か月間、コロンブス像は先住民に対する虐殺や搾取の象徴であるとして活動家らが引き倒したり破壊したりしていた。(c)AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3309257

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