先住民族関連ニュース

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<世界に突撃 オンライン by 小学生記者> ニュージーランド 世界各国から友達

2021-12-02 | 先住民族関連
中日新聞 2021年12月2日 05時00分 (12月2日 05時00分更新)

 小学生記者が海外の学校や暮らしをオンライン取材する企画。ドイツ、香港に続き、第3弾はニュージーランド編です。首都ウェリントンの小学4年生、ブルクハルト・菜緒・アミリアさんの話を紹介します。 (構成・北村希)
学校生活は? 自由席で90分授業
 教室は自由席で、自分の机はありません。授業はほとんどがグループ学習です。一日に、九十分の授業が三つあり、休みは夏、秋、冬、春にあります。七歳の学年になると、パソコンの自分のアカウントを作れます。
 ランドセルはなく、登校の時は普通のバッグです。バッグに入れるのはお弁当と水筒ぐらい。文房具や教科書は学校で共有のものを使うので置いて帰ります。給食はなく、掃除は外部の会社の人がやってくれます。宿題はオンラインで出ます。
 新型コロナウイルスの影響で、去年の三月から七週間、今年の八月から三週間、ロックダウンがありました。ロックダウンになると学校の授業は全部オンラインに。パソコンやタブレット端末がない子は学校から借ります。
 クラスにはいろんな国の出身の子がいて、この前、日本の七夕を紹介して喜ばれました。先住民族「マオリ」の言語や文化も必ず学びます。マオリの正月「マタリキ」を祝うパーティーも学校であります。他にもパジャマで登校するイベントや学芸会なども。休み時間は友達と木登りをして遊んでいます。
好きな場所は? MTBパーク疾走
 趣味はマウンテンバイクで走ることなので、「マカラピーク」というマウンテンバイクパークがお気に入りです。とても広くて景色がいい場所で、お父さんと一緒にパーク内を走ります。渡ると揺れる橋などもありますが怖さはなく、とっても楽しいです。
好きな食べ物は? 絶品フルーツ「フェイジョア」
 フェイジョアというフルーツが大好きです。もともとニュージーランド生まれのフルーツではなく、南米から来たようです。緑の部分は皮なので、半分に切って中をスプーンですくって食べます。甘酸っぱいですが、私は酸っぱめのフェイジョアが好きです。
取材した小学生記者
 愛知県一宮市・河村佳奈(神山小6年) 給食じゃなくてお弁当なのが特にびっくりしました。自分の机も決まっていなくて、日本と違います。オンライン学習がどのようなものかも勉強になりました。体育の授業はなく、アミリアさんは算数が好きだそうです。
 愛知県日進市・成瀬智広(北小5年) 僕はランドセルに教科書や本をたくさん入れているけど、弁当だけというのに驚きました。宿題はオンラインでやる発想はなくて、おもしろいと思いました。アミリアさんはクロスカントリーの大会で1位になったそうです。
https://www.chunichi.co.jp/article/375755


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しずくの光 幻想的 登別駅前で点灯

2021-12-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/02 05:00

しずくのモニュメントに幻想的な光がともった、登別駅前のイルミネーション
 【登別】JR登別駅前で1日、しずくをかたどったイルミネーションが点灯した。青、白、赤など約1万5千個の発光ダイオード(LED)が幻想的な雰囲気を演出している。
 地元有志でつくる「登別まちづくり促進期成会」が2002年から続けている。今年はのぼりべつ元鬼協議会と登別商店会、登別青年会などの協力も得た。
 しずくは、登別出身のアイヌ文化伝承者、知里幸恵の著書「アイヌ神謡集」の一節「銀の滴(しずく)降る降るまわりに」にイメージ。高さ約5メートルで3基がともる。
 設置作業に加わり、この日訪れた登別中1年の岩部太一さん(12)は「きれいに輝いて感動した。駅を訪れる多くの人に見てほしい」と話した。
 日没から深夜0時まで点灯する。3月末まで。(渡辺愛梨)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/618030

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樺太アイヌ民族の世界描写 江別・対雁小児童、「熱源」題材劇を熱演

2021-12-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/02 01:32 更新

樺太アイヌをテーマにした創作劇を演じる対雁小の6年生
 【江別】江別市立対雁小の学習発表会が1日、開かれ、6年生の児童が対雁(現江別市)などを舞台に樺太アイヌ民族の世界を描き、直木賞を受賞した川越宗一さんの小説「熱源」を題材にした創作劇「ふるさと―カラフト―」を上演した。
 樺太アイヌは明治時代に樺太(サハリン)から対雁など北海道に強制移住させられた。同小は、同化政策などを目的に1877年(明治10年)に対雁教育所として開校。作品に登場する実在の人物で、南極探検隊員となったヤヨマネクフ(山辺安之助)が同校に通っていたこともあり学習発表会のテーマに選んだ。
 この日は6年生の保護者ら約200人が来校。98人の児童はヤヨマネクフらの人生を通じて、樺太アイヌの誇りを胸に生きた人々を熱演し、劇中でアイヌ舞踊も披露した。
 創作劇の台本のために資料提供などを行い、観劇した本田和義さん(69)=札幌市在住=は「難しいテーマだがよく演じてくれた」とたたえた。(土門寛治)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/617973

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アイヌ民話ベースの演劇 4、5日に札幌で上演

2021-12-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/01 18:11
 アイヌ民族の民話を基にした創作演劇「アラトゥイソの鯨へ」の上演が4、5の両日、札幌市中央区のかでる2・7で行われる。
 札幌の映像制作会社「WiLLPLANT」が主催し、道内の芸術家らがアイヌ文化を学びながら発信する「カムイプロジェクト」が実施。主人公のアイヌ民族の男性がクジラと力比べをするストーリーで、札幌のアイヌ文化伝承者が監修。札幌在住の演出家村場踊(おどり)さんが総合演出を務める。
 上演は両日とも2回。チケットは前売り一般3500円(当日3800円)など。3日までに予約すると、学生、芸術家、アイヌ民族文化関係者は無料。予約は専用サイト(http://hunpekamui.com/)で行う。問い合わせは事務局kamuiproject1234@gmail.comへ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/617886

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コントでアイヌ文化発信 5日に札幌でイベント

2021-12-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/01 18:09
 道内出身のお笑いコンビ「アップダウン」とアイヌ民族のお笑いコンビ「ペナンペ・パナンペ」らが、アイヌ文化を笑いを交えて伝えるイベント「北のエンタメフロンティア2」が5日午後5時から、札幌市内で開かれる。
 ほかに札幌在住のアイヌ民族の歌手豊川容子さんやミュージシャンらも出演する。共演による集団コントでは、アイヌ民族と暮らす研究者のもとへ取材に訪れた記者が、文化や風習を学んでいく様子をユーモアたっぷりに描く。
 会場は札幌市中央区南7西3の飲食店「エルマンゴ」。先着40人で、1人3500円。問い合わせは同店(電)011・512・0195(午後6~10時)へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/617885

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市川海老蔵さんら文化庁長官表彰 道内はバレエ指導の久富さんら6人

2021-12-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/01 17:52 更新
 文化庁は1日、文化活動で優れた功績を挙げた人に贈る2021年度の文化庁長官表彰に、歌舞伎俳優の市川海老蔵(本名・堀越宝世)さん(43)や、テレビ番組で「フレンチの鉄人」として活躍した坂井宏行さん(79)ら74人を選んだ。14日に同庁で表彰式を開く。
 海老蔵さんは、海外公演や今夏の東京五輪の開会式出演などで日本の伝統文化発信に多大な貢献をしたと評価された。坂井さんはフランス料理店「ラ・ロシェル」のオーナーシェフで、テレビ番組やイベントへの出演を通じて食文化の普及や発展に尽力した。
 このほかピアニストの仲道郁代さん(58)や落語家の三笑亭夢太朗(本名・大石雅一)さん(72)らを選出。紛争で危機にさらされているシリアの遺跡の調査や保存に取り組んだ奈良県立橿原考古学研究所技術アドバイザーの西藤清秀さん(68)や、視覚障害者が彫刻などに触って鑑賞できるギャラリーTOMの館長村山治江さん(93)も表彰する。
 道内関係者は6人が選ばれた。表彰式は14日、東京都内で行われる。道内関係者は以下の通り。(敬称略)
 ▽久富淑子=バレエ指導者(札幌市)▽浦川太八=北海道アイヌ協会優秀工芸師、木彫家(日高管内浦河町)▽奥山幸男=北海道アイヌ協会優秀工芸師、木彫家(日高管内新ひだか町)▽工藤左千夫=特定非営利活動法人絵本・児童文学研究センター理事長(小樽市)▽酒井奈々子=アイヌ古式舞踊伝承者(帯広市)▽深谷宏治=スペイン料理店オーナーシェフ(函館市)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/617800

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アイヌ文様アレンジしたバッグ開発 サツドラ、札大など

2021-12-02 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/01 10:26 更新

アイヌ文様をアレンジしたバッグ
 サッポロドラッグストアー、一般社団法人札幌大学ウレシパクラブ、電通北海道の3者は、アイヌ文様をアレンジしたデザインのトートバッグ「ウレシパプクル」を共同開発した。サツドラの道内約170店舗で、2月末まで数量限定で販売している。
 商品名は「ウレシパ(育てあう)」「プクル(袋)」という意味のアイヌ語で、「エムシアッ(刀下げ帯)」をモチーフにした生成り色、北海道や樺太などの形を描いた黒色、札幌の山やアイヌ民族の着物をイメージした黒色の3種類を用意した。ノートパソコンやA4ノートも入れられる。
 各1298円。なくなり次第、販売を終了する。売り上げの一部は札幌大学ウレシパクラブの活動に充てられる。問い合わせは電通北海道(電)011・214・5110へ。
※「ウレシパプクル」、「ウレシパ」、「エムシアッ」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/617551

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日テレ「スッキリ」で「アイヌを知る」特集 3月の放送で倫理違反

2021-12-02 | アイヌ民族関連
日刊スポーツ [2021年12月1日9時57分]
日本テレビ系情報番組「スッキリ」(月~金曜午前8時)の1日放送で、特集「先住民族アイヌを知る」の第1回が放送された。
同番組では、今年3月12日の放送でアイヌ民族に関する不適切な表現内容があったとして、放送倫理・番組向上機構(BPO)が放送倫理違反があったという判断を下していた。
これを受け、日本テレビは8月に検証番組を放送すると共に、再発防止策の一環として「『スッキリ』をはじめとした番組で、アイヌ民族の歴史、文化を伝える企画を放送してまいります。また、さまざまな差別・偏見等をめぐる問題についても、重要なテーマとして適切に伝えてまいります」と発表。今回の特集はそのひとつとみられる。
この日放送された特集の第1回のテーマは「『アイヌ語』について」。アイヌ語が消滅の危機にあるとして、未来につなぐため、動画などでその魅力を発信する大学生を特集した。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202112010000131.html

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『ゴールデンカムイ』をアクセサリーから読み解くと「人類の縮図」が見えてきた

2021-12-02 | アイヌ民族関連
ヤフーニュース 12/1(水) 17:05まいしろエンタメ分析家

人気マンガ『ゴールデンカムイ』が最終章をむかえている。明治末期の北海道・樺太を舞台にした、金塊をめぐるサバイバル・バトル漫画として有名な本作だが、丁寧な調査にもとづいて描かれた北方の人々の生活も大きな魅力のひとつである。
今回は、大阪・国立民族学博物館(みんぱく)の研究者で、狩猟とビーズを専門に研究されている池谷和信さんに、アイヌ文化の中でも特にアクセサリーやビーズなどの「装身具」についてお聞きした。
池谷和信
民博・人類文明誌研究部・教授
日本のマタギからアフリカ・極北・アマゾンのハンターまで、世界中の狩猟に参与してきました。近年は、世界各地のビーズをとおして人にとって美しさとは何かに関心があります。
研究よりゴールデンカムイの方がおもしろい
ーー今回は『ゴールデンカムイ』についてお聞きしたいのですが、池谷さんは『ゴールデンカムイ』を読まれたことがありますか?
27巻まで読みました。研究者から見ても「よくここまで調べた!」みたいなことが描いてあって素晴らしいですね。
研究者が調べるようなことを大きなストーリーで描いていて、僕も研究より『ゴールデンカムイ』の物語の方がおもしろいところも多いです!
ーーそんなことあるんですね...!
今日は資料も用意したんですけど(※池谷先生はこの取材のために『ゴールデンカムイ』の感想をまとめた約20ページの大作スライドを準備してくれていた)、すばらしいと思うのは多様な社会・文化の共存のようすを描いている点です。
ーーけっこうありますね!
まずひとつ目は、北海道のアイヌ文化についての描写ですね。
マンガ全体を見ると、実はアイヌについての話が多いわけではないんです。でもその中で、北海道アイヌの文化についてよく調べられて描いている。
たとえば、『ゴールデンカムイ』ではクマの描写がものすごく多いですよね。
ーー本当に多いです。
アイヌにとって、クマは非常に重要なんです。クマは(単なる動物ではなく)毛皮をかぶった神様なんですね。だから、クマに対しては「殺す・狩る」と言わずに、「いただく」という言葉を使います。
それから、彼らは(山から連れて帰ってきた)子グマを育てるんですよ。私はマタギの熊狩りについていったことがありますが、子グマを育てる地域って世界を見てもあまりないんです。
だから『ゴールデンカムイ』で、アイヌの女性が子グマに乳を与えるエピソードには非常に感動しました。
ーーマンガでは2-3コマ程度の短いエピソードですが、専門家の方から見るとまた違った見え方になるんですね...!
それから(物語の後半では)樺太アイヌが登場しますよね。
そもそも、アイヌというのは、北海道・樺太・千島・東北で暮らしていたアイヌ語を使うグループのことをいいます。
彼らが、ある時期から土器ではなく鉄の鍋を使うようになりました。それから、「チセ」と呼ばれる平地の家に住み、「タマサイ」という首飾りを持つようになったんです。
この「鉄鍋」「チセ(家)」「タマサイ(首飾り)」の3つが生まれたことで、アイヌ文化の輪郭ができたという研究者がいるんですよ。
ーー今まで「アイヌ=北の方に住んでいる狩猟民族」くらいのあいまいなイメージを持っていたんですが、そういう定義があるんですね!
中でも、北海道と樺太のアイヌの違いは重要なんです。北海道アイヌは本州に、樺太アイヌは北東・東北アジアの文化に近いんですね。
だから、同じアイヌでもまったく違う暮らしをしていて、北海道はサケを主食とするのに対し、樺太は魚よりはアザラシやトドを捕ることが多いんです。
作中で、樺太アイヌが犬ぞりに乗っているところが出てきますが、樺太アイヌは(アザラシやトドの)肉がたくさんあるから、多数の犬が飼えるんですよ。
だから、樺太アイヌの方では犬ぞりが発達したんですね。
ーー『ゴールデンカムイ』で、樺太に渡ってから犬ぞりがたくさん出てくるなと思ってましたが、そういう理由だったんですね!
そうですね。樺太アイヌはクマと同様にトドが重要で、北海道アイヌがクマを重要なカムイ(神)としているように、トドもまた重要なカムイとしています。
それから、彼らは村に定住せずに、夏と冬で移動します。そういった描写が非常に正確に出てくるのが、『ゴールデンカムイ』のすごいところです。
ーー北海道アイヌだけでなく、樺太アイヌの生活も正確に描かれているんですね。
そうですね。作中では、他にもウイルタというトナカイの群れを飼う民族や、ニヴフという人々も登場します。こういった多様な文化をマンガの中に描くというのは、相当勉強されていると思いますよ。
移民の登場人物も多いですし、このマンガから学べることは非常に多数ありますよね。
あと『ゴールデンカムイ』がすごいのは、(作品の舞台になっている)明治の後期は、研究でわかっていることが少ない時期なんですよ。それを思い切って描いているというのが、このマンガの特徴で、すごい点だと思います。
ーー大変おもしろいです。池谷さんが本当に『ゴールデンカムイ』にいい意味で驚かれているというのが伝わります!
玉への愛情がもっと欲しい
ーー「ゴールデンカムイがすごい」という話だけで白熱してしまったのですが、本題に戻って「アイヌの装身具」についてもお伺いしたいです。
まず、作中によく登場する装身具に、タマサイという首飾りがあります。
タマサイは、ガラス玉をつないだ首飾りですね。
アイヌは、ガラス玉を好みます。特に大きなガラス玉が選ばれていて、大きいものでは直径5cmぐらいのものを使います。
あとは、彼らは青いガラス玉がとにかく好きで、昔から青を多く使ってきました。
正確な理由はわからないんですけど、青というのはあまり(木や花や石などの)自然にない色なので、好まれたのかなと思います。
ーーガラスは自分たちで作っていたのでしょうか?
アイヌは自分たちではガラスを作ることはなく、すべて交易で手に入れていました。
文化というのは、自分たちだけで作るものではなくて、北や南からの他の文化と混ざりながら新たなものを生み出していくものです。
なので、(このアイヌのガラス玉文化も)そういうものだと思います。
ーー現代の感覚で見ると、5cmのガラスビーズはかなり大きいのではと思いますが、邪魔にはならないのでしょうか?
そうですね。とにかく重くて大きいので、普段はつけられないですね。
彼女らは、すごく大事な儀式のときだけつけました。
ーー確かに作中でも、つけるシーンはそこまで多くはないですね。
タマサイはすごく重要なもので、単なる飾りではないんです。
母から娘への形見のような意味もあるし、つける場合も、老人などがつけることも多いのです。
ただ、アシㇼパがタマサイをつけているところも描いてますね。
10代のアシㇼパが立派なタマサイをつけることは難しいんですけど、マンガだからあえてタマサイをつけたところを描かれている。インパクトがありますし、アシㇼパのタマサイは、私が作品で一番好きなタマサイです。
ーータマサイが文化のなかで重要というお話がありましたが、作中ではその大事なタマサイを、死んだクマの頭蓋骨にかけるシーンもあります。
そうなんです。そんなに大事なタマサイを、彼らはイオマンテと呼ばれるクマ送りの儀式の際に、祭壇に置かれたクマの頭蓋骨にかけるんですよ。
それほどクマというのは彼らにとって重要で、大事なカムイなんですね。これを描いているのはいいですよね!
ーー作中に登場するタマサイには、ガラスビーズの他に金属板がついていることもあります。
タマサイに円形の金属板が組み合わさったものはシトキといいます。
このシトキというのは「同じ模様がない」と言われるぐらい、たくさんのパターンがあるんですね。実際に、作中ではかなり多様な模様が描きこまれてるんですよ。
ーー細かいところも実際の文化にかなり近づけて描かれているんですね。
ただ、私としては「もっと玉を描いてくれ!」という思いもあるんですよ!
(シトキと違って)同じ柄のガラス玉も多いです。少し野田先生は玉への愛情が足りないような気がしていて......。
ーー金属板と同じぐらい、もう少し玉への愛情も見せて欲しいんですね。
タマサイはやはりアイヌ文化の根幹なので、やっぱりもっと見たいですよね!
ーーぜひ野田先生にこの思いが届いて欲しいですね!
『ゴールデンカムイ』を読むと人類の課題に思いをはせることができる
ーータマサイの他に、よく登場する装身具に「耳飾り」があります
「ニンカリ」と呼ばれる、アイヌのピアスのことですね。
彼らは性別に関係なく、子供の頃からこのニンカリをつけます。材料は、銅・亜鉛・ニッケルなどでできた合金です。
ただ、明治の始めに、男性だけはニンカリを禁止されました。アイヌの女性の入れ墨が禁止されたのもこの頃です。
ーーアイヌは狩猟に出ることが多いですが、ニンカリは邪魔ではなかったのでしょうか?
問題ないですね。私も世界各地で狩りに行くことがありますが、これらは軽いので大丈夫だと思いますよ。
ーー他の装身具として、樺太アイヌが使う「ホホチリ」というものも出てきます。
※注:ホホチリの2文字目の「ホ」は小文字での表記が正しいですが、技術的な仕様上、ここでは「ホホチリ」と表記しています
ホホチリは、樺太アイヌの男の子が10歳ぐらいになるまでつけるものです。
ちょっとこれは私の仮説なんですが、ここで話してもいいですか?
ーーお願いします!
人類の歴史を見ると、ビーズというのは「面」のものと、「線」のものがあるんですね。
で、だいたいの文化は「面」か「線」かどちらかのビーズが使われるんですが、アイヌの場合は、ホホチリのような「面」のビーズもタマサイのような「線」のビーズも、どちらも見れるんですよ。
これは非常に珍しくて、ビーズという視点でみるとアイヌの装身具は人類の縮図でもあるんです!
『ゴールデンカムイ』を読んでいくと、こういう「線」と「面」のビーズがアイヌには使われているということが読み取れるじゃないですか。いや私しか読み取ってないかもしれないんですけど、非常におもしろいテーマを描いてくれているなと思うんです!
ーー想像もしていなかった視点なので大変おもしろいです。
ビーズというのは、だいたい10-12万年前に生まれたと言われてるんです。ビーズは「モノとモノとを繋ぐ」ことで生まれますが、これは人間にしかできないことなんですね。
だから私は、ビーズが生まれた10万年前あたりに、いまの私たちの基礎になる人類の考え方が生まれてきたんじゃないかと思ってるんです。
『ゴールデンカムイ』は、そういう人類の課題に思いをはせることができる良いマンガだなと思います!
ーー「専門家の方から見て『ゴールデンカムイ』はどう見えるのだろう」というのを知りたくて取材をさせていただいたのですが、まさにそのテーマに沿ったご回答をいただけたなと思って大変うれしく思っています。おもしろい話を聴かせていただきありがとうございました! 
さらに興味を持った方には現在、北海道白老町の国立アイヌ民族博物館にて「ビーズ アイヌモシㇼから世界へ」という特別展示がおすすめです。
https://www.youtube.com/watch?v=5TSzSTdTgMA&t=4s
会期:2021年10月2日(土)~ 2021年12月5日(日)
アイヌ博HP:https://nam.go.jp/exhibition/floor2/special/beads2021/
みんぱくHP 動画:https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/23703
https://news.yahoo.co.jp/byline/maishilo/20211201-00270343

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民族の力で未来つなぐ アイヌの詩人宇梶さん、北海道に移住

2021-12-02 | アイヌ民族関連
中日新聞 2021年12月1日 05時00分 (12月1日 05時00分更新)

 東京を拠点に活動した、アイヌ民族の詩人で古布絵作家の宇梶静江さん(88)=埼玉県白岡市=が十一月二十四日、北海道白老町に移住した。半世紀前の一九七三年、東京ウタリ(同胞)会を設立し、アイヌの権利回復運動の中核を担ってきた女性だ。なぜ、人生の最晩年を北の大地で暮らす決断をしたのか−。民族としての存在さえも不可視化され、深い痛みを抱えて生きてきたアイヌが声を上げ始めた。 (木原育子)
子守歌きっかけ 北海道・白老町に「シマフクロウの家」
 「よく来てくれたね。今まで本当にありがとう」
 二十二日夕、東京都内であった歓送会で、宇梶さんが仲間たちを出迎えた。テーブルには、サケ、カニ、イカ…。アイヌ民族が好んで食べる魚介類が並べられている。
 思い出話に花を咲かせていると、宇梶さんが目を閉じた。まぶたに映っていたのは故郷の波打つ潮騒、フクロウがいる森だったか。「私の子守歌はね、波の音だったの」と宇梶さんが言うと、「アルラッサー、オーッホホオオ…」。母がよく歌ってくれたというイフンケ(子守歌)を披露した。
 喉を鳴らし、自然と一体になることで生きる民族としての敬意と矜持(きょうじ)がリズムをつむぐ。和人の...
中日新聞読者の方は、無料の会員登録で、この記事の続きが読めます。
https://www.chunichi.co.jp/article/375156

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アイヌ文化を伝えるポップアップショップ「イランカラフプテ!アイヌクラフト」が開催

2021-12-02 | アイヌ民族関連
Pen Online12/1(水) 19:36配信
アイヌの伝統が色濃く残る地域、北海道沙流郡平取町にある二風谷(にぶたに)。コタンと呼ばれる集落が再現され、伝統的家屋のチセなどの復元に加え、生活民具や祭具の複製など、アイヌの暮らしを伝え、つなげる活動が行われている。そんなアイヌの伝統技術を継承する取り組みのひとつとして、工芸家と公募クリエイターとのコラボレーションによる商品開発「二風谷アイヌクラフトプロジェクト」をお披露目するポップアップショップ「イランカラプテ!アイヌクラフト」が、2021年12月3日~12月26日、東京・日本橋の誠品生活日本橋にて開催される。
【ポップアップの販売作品をもっと見る】
ポップアップでは、2022年の本格リリースに先駆けて「二風谷アイヌクラフトプロジェクト」のコラボレーションプロダクトを紹介。アイヌ文様を彫り込んだ万年筆のほか、ツボ押し、折りたたみ傘など計5組のコラボレーション作品を披露する。他にも、伝統的工芸品に指定されている「二風谷イタ」「二風谷アットゥシ」といった、二風谷民芸組合の工芸家が制作したアイヌ工芸品やアイヌ文様をデザインしたマスキングテープなどが販売される。
「イランカラプテ!」とはアイヌ語の挨拶で「こんにちは」を意味する。文字をもたず、口承によって先人の文化を受け継いできたアイヌの文化が、現代のクリエイターとの出合いによってどんな化学反応を生み出したのか、ぜひその目で確かめてほしい。
「“イランカラプテ!アイヌクラフト”ポップアップショップ」
開催期間:2021年12月3日(金)~12月26日(日)
開催場所:誠品生活日本橋expo
東京都中央区日本橋室町3丁目2-1COREDO室町テラス2F
https://www.nibutani-ainucraft.com/
文:梶原博子
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf70f1d385df81bf40ed67550f001e92ccca9f2a

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