先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

<シリーズ論評 核のごみどこへ>37 候補地選定 差別の構造 沖縄大教授・吉井美知子氏(64)

2021-12-09 | アイヌ民族関連
北海道新聞 12/08 10:09
 2011年に東京電力福島第1原発事故が起きた後も、日本政府は原発の海外輸出を目指した。私はベトナムの研究者として、ベトナムへの原発輸出を何とか止めたいと思った。
 ベトナムの原発建設予定地はチャム人という先住民族の土地だった。彼らは2千年前からそこに住み、土地との深いつながりがある。先祖代々の時間を背負い、同じようにこの先の時間も子孫に引き継ぐという責任。彼らは「原発は文化を破壊する」と命懸けで反対した。16年にベトナム政府は計画を撤回した。チャム人の詩人は「私たちが反対したから計画が止まったわけではないが、あふれそうなコップの水に最後の一滴を入れた」と話した。
 日本にとってベトナムは海の向こうの遠い国だ。自国で原発事故を起こしても日本政府は「事故から教訓を得たので安全です」「欲しいなら売ります」「お金がないなら貸してあげます」と原発を売り込んだ。
 そこには差別の構造がある。安全性への懸念から自国では建てられない原発を、遠いよその国に造ろうとしたのだ。同様の構造が日本国内でも厳然とあることを、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の問題が私たちに突き付けている。
 なぜ後志管内寿都町と神恵内村という道内の2町村が候補地にならなければいけないのか。物事を決める人たちは首都圏に住んでいて、東京から離れた場所ならOKらしい。国内の米軍基地が沖縄に集中していることと、日本全国の原発から出る核のごみを北海道に押しつけることは同じ構図だ。その代わりにお金はあげるから、というのは完全な上から目線でしかない。
 核のごみは埋めてはいけない。地中深く見えないところに埋めてしまうと人は忘れてしまう。無責任だし何より危険だ。地上に保管して「昔こんなアホな祖先がいました。ごめんなさい」とでも書いておくのがよい。埋めて隠したら子孫に申し訳ない。チャム人のような責任感を持ちたい。
 私は9月に寿都町などを回り、11月には札幌でアイヌ民族の人たちが「核のごみで大地を汚すな」と声を上げたフォーラムに参加した。北海道もアイヌ民族が大事にしてきた土地だ。そこに核のごみを埋めることは倫理的に許されない。その不正義に多くの人が気づいていない。アイヌの人々は勇気を出して訴えた。私たちも「おかしい」と声を上げるべきだ。(聞き手・編集委員 関口裕士)
<略歴>よしい・みちこ 1957年京都市生まれ。京大卒。パリ第7大修士、東大博士。専門はベトナムの市民社会研究。三重大教授を経て2014年から現職。編著に「原発輸出の欺瞞(ぎまん)」。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/620337

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

有田焼とアイヌ伝統文様 コラボ商品、窯元が皿制作 文化発信へ、海外売り込みも

2021-12-09 | アイヌ民族関連
佐賀新聞 12/8 20:00
アイヌの文様を取り入れた皿の試作品
 有田焼と北海道釧路市のアイヌ文化の工芸がコラボレーションした商品開発が進められている。アイヌ工芸のアーティストがデザインした伝統文様を、有田焼の窯元が皿に仕上げるプロジェクトを展開。6日にアーティストらが有田町を訪れ、試作品を確認するとともに焼き物関連の視察を行った。
 商品開発はアイヌ工芸のブランド化の一環で同市の一般社団法人阿寒アイヌコンサルン(廣野洋理事長)が取り組んでいる。刺しゅうや木彫りなどの作家5人と有田町のやま平窯元(山本博文社長)、久保田稔製陶所(久保田剛社長)が協働している。
 アイヌ文様のデザインを染付にした皿(直径11センチ)6種類と、文様の木彫りから型を取って凹凸を表現した皿(同21、15センチ)3種類の計9種類を制作する。
 廣野理事長や木彫り作家の斉藤政輝さん(63)が松尾佳昭町長を表敬訪問し、有田陶器市の前身「有田五二会陶磁器品評会」にゆかりがある前田正名の話題になった。斉藤さんは、1878(明治11)年のパリ万博で有田焼の売り込みに尽力した前田の子孫が、アイヌ民族に土地を提供したことに触れ、「縁やつながりを感じている。どんな仕上がりになるか楽しみ」と期待を膨らませた。
 久保田製陶所の染付の試作品を披露した久保田社長(49)は「魔よけのアイヌ文様は、自然界への畏敬が込められていると感じた」と、吉祥文様を描く有田焼との違いに触れた。
 9種類の皿は2月中旬から、海外にもアイヌ文化を発信するため、米国のクラウドファンディング(CF)のキックスターターなどで順次取り扱いを始める予定という。(古賀真理子)
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/780579

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台湾の国民的スナック、花蓮限定「塩漬けポーク」味発売=農協とコラボ

2021-12-09 | 先住民族関連
中央社フォーカス台湾 12/8(水) 16:17配信
(花蓮中央社)東部・花蓮県光豊地区農会(農協)は7日までに、台湾の有名スナック菓子「可楽果」とコラボレーションした商品の販売を開始した。台湾原住民(先住民)族アミ族の伝統料理「塩漬けポーク」の味付けを再現した商品で、同県光復郷と豊浜郷にある農会のスーパー2店舗だけで購入できる。
両者のコラボは、国産の穀物を使った加工品の発展を推進するのを目的に、行政院(内閣)農業委員会農糧署東区分署(花蓮県)が後押しした。コラボ商品には光豊地区で栽培された生産履歴付き大豆が使用されており、サクサクの食感が楽しめるという。
7日には新商品の記者会見が行われ、同農会と「可楽果」を手掛ける聯華食品(台北市)が協力覚書に調印。両者は大豆や黒豆、木豆など光豊地区の良質な穀物を原料に、地域の特徴を持ち合わせた商品の開発を協力し続けていき、光豊地区のブランド価値の確立を目指すとしている。
聯華食品はこれまでにも東部・台東県池上郷農会とコラボレーションし、米を使った可楽果を開発している。売り上げは好調で、行楽客が池上を訪問した際に必ず購入する名物商品の一つになっているという。(李先鳳/編集:齊藤啓介)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2df16085647a54a59514fe27ff030bf3d4b698e2

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

障がいのある生徒とともに生活する…日豪「教育」の決定的違い

2021-12-09 | 先住民族関連
幻冬舎ゴールドオンライン 12/8(水) 11:46配信
本記事では、慶應義塾普通部、東京海洋大学、早稲田大学等で非常勤講師をしながら「海外教育」の研究を続ける、本柳とみ子氏の著書『日本人教師が見たオーストラリアの学校 コアラの国の教育レシピ』より一部を抜粋・再編集し、教育先進国である「オーストラリア」の教育現場について、日本と比較しながら紹介していきます。
【関連記事】子どもと接するだけではない…「業務過多」に苦しめられる保育園職員たち
オーストラリアは「特別支援学校」の数が少ない
障がいのある生徒の多くが通常の学校に通っている。本来は当たり前なのだろうが、日本でその経験が少ないので新鮮に映る。
オーストラリアでは特別支援学校(special school)の数が少ない。全体の5%程度しかなく、障がいのある生徒の多くが通常の学校に在籍している。連邦が成立するころまでは、障がいのある生徒は教育の対象とされていなかった。
植民地時代は、民間の慈善団体やボランティアが障がい児のための学校を設立し、世話をしており、福祉の要素が強かった。1860年代に視覚聴覚障がい児の学校が初めてつくられ、1920年代になると他の障がいを抱える子どもたちの学校もつくられはじめた。
1970年代には各州で障がい児のための学校が設立されるようになり、通常学校の中にも特別支援ユニットが設置され、障がい児教育(special education)への取り組みが本格的に始まった。
特別支援学校に行くか通常学校に行くかは保護者次第
さらに、1990年代以降はインクルーシブ教育が推奨されている。障がい児教育の対象となる生徒は、障がいの内容や程度に応じて特別支援学校に行くか通常学校に行くか判断される。保護者が専門家と相談して決めるが、最終的には保護者の意向が尊重される。
インクルーシブ教育が推進されている現在は、通常学校に就学する生徒が多い。それゆえ、通常学校は障がいのある生徒が生活しやすいような手立てを講じなければならない。生徒が学校に合わせるのではなく、学校が生徒に合わせ、ニーズに対応するのがインクルーシブ教育だ。
通常学校には特別支援ユニットがある。障がいのある生徒も通常クラスに在籍し必要な支援を得ながら授業を受けるが、十分な支援が行えない場合は特別支援ユニットで自分に合った学習を行う。
つまり、障がいのある生徒は常に特別支援ユニットに在籍するというわけではなく、あくまでも通常のクラスで、通常の授業を受けることが基本。また、特別支援ユニットは、障がいのある生徒だけでなく、授業についていけない生徒や、社会経済的な支援を必要とする生徒、先住民族の生徒など、様々なニーズを抱える生徒が利用する。
それゆえ、通常クラスから隔絶した「特殊な」クラスという印象はあまりない。日本の特別支援学級に対する印象とはずいぶん違う。
「自律性」を重視し、学校の裁量幅が広がっている
学校教育の責任が州にあるオーストラリアでは、学校経営のあり方も州ごとに異なる。だが、総じて言えば、学校経営は自律的に行われる方向に進んでおり、多くの判断が各学校に委ねられている。特に、ビクトリア州は1990年代の初めから自律的学校経営を実施し、成果を挙げている。
他の州でも、近年は自律性が重視され、学校の裁量幅がどんどん広がっている。自律的学校経営とは、カリキュラムや人事、予算などの権限を学校が持ち、それぞれが主体的に学校を運営していくやり方である。各学校では校長が中心となって学校経営計画を策定し、実施する。
その一方で、学校にはアカウンタビリティ(説明責任)が求められ、結果について保護者や行政に納得のいく説明をしなければならない。結果は評価の対象となり、次年度以降の予算にも影響するので、校長には高い学校経営能力とリーダーシップが求められる。権限を持つ代わりに責任も大きいということだ。
***********************************************
教育学博士
本柳 とみ子
公立中学校で26年間教鞭をとったあと、大学院で海外の教育について研究を始める。その後、慶應義塾普通部、東京海洋大学、早稲田大学等で非常勤講師をしながら研究を続ける。2012年、早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e89f7f47f4cef9e867da4486813c9d3199383564

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする