先住民族関連ニュース

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遺骨返還「大切に供養」 恵庭アイヌ協会、15日儀式

2023-10-04 | アイヌ民族関連

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北海道新聞2023年10月3日 22:16

遺骨が納められた市の埋蔵文化財整理室の前で笑顔をみせる恵庭アイヌ協会の藤原顕達会長

 【恵庭】胆振管内白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)内の慰霊施設などに納められていたアイヌ民族の遺骨11体が2日に返還された恵庭アイヌ協会は15日、先祖供養の儀式「イチャルパ」を行う。遺骨を恵庭市埋蔵文化財整理室に納めた藤原顕達会長は「遺骨と市が保管していた副葬品がやっと一緒になった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 ウポポイの慰霊施設から遺骨が地域のアイヌ協会に返還されたのは初めて。市教委と同協会によると、国からは歯や頭蓋骨の一部など9体、道からも2体の遺骨が2日返還された。

 遺骨は共に恵庭市内で見つかり、9体は1987年から2013年の道路工事、2体は05年と07年の河川改修などに伴う発掘調査でそれぞれ発見された。この際、遺骨と共に掘り出された副葬品は市が保管していた。

 同協会は3年ほど前から返還に向けた協議を関係機関と始めた。市教委が国のアイヌ政策推進交付金を活用して同整理室内に安置室を整備するなど協力し、返還が実現した。

 ・・・・・・

(工藤さえら)

☆イチャルパのルは小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/919347/


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千歳高生、アイヌ文様鉢巻き30本手作り 末広小に贈る

2023-10-04 | アイヌ民族関連

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北海道新聞2023年10月3日 22:14

アイヌ民族の鉢巻き「マタンプシ」を身に着けた市立末広小の児童と千歳高ビジネススタディクラブの部員ら

 【千歳】千歳高ビジネススタディクラブと市内に工場がある岩塚製菓(新潟県長岡市)は2日、同クラブの生徒が手作りで、アイヌ民族文様を刺しゅうした鉢巻き「マタンプシ」計30本を市立末広小に寄贈した。

 同クラブは市内の企業と商品開発などに取り組んでおり、同社とコラボして2022年と23年春に石狩鍋風味のスナック菓子「しゃけっと」を限定販売。アイヌ民族と関わりの深いサケを素材に使ったことから、売り上げの一部をマタンプシの製作費に活用し、文化の継承活動に役立ててもらおうと作製した。

 デザインを北海道アイヌ協会の優秀工芸師に認定されている貝沢竹子さん、刺しゅうの指導を千歳アイヌ協会の上野亜由美さんが協力した。

・・・・・・

(工藤さえら)

☆マタンプシのシは小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/919342/


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自見アイヌ担当相、5日にウポポイ訪問 白老

2023-10-04 | アイヌ民族関連

会員限定記事

2023年10月3日 17:13(10月3日 22:53更新)

 自見英子沖縄北方・アイヌ施策担当相は3日の記者会見で、5日に胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」を訪問すると発表した。同施設への訪問は就任後始めて。北海道アイヌ協会の大川勝理事長と面会するほか、アイヌ舞踊の鑑賞などを予定している。

 ・・・・・・

(今井裕紀)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/919058/


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知里幸恵の生涯が映画に 「カムイのうた」公開 本物にこだわった音楽と差別の歴史<デジタル発>

2023-10-04 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年10月3日 14:00

 ―私たちを知って下さる多くの方に読んでいただく事が出来ますならば、私は、私たちの同族祖先と共にほんとうに無限の喜び、無上の幸福に存じます(アイヌ神謡集序文より)―

 大正期のアイヌ文化伝承者、知里幸恵(1903~22年)の生誕120年と著書「アイヌ神謡集」出版100年を迎えた今年、知里の生涯を描いた映画「カムイのうた」が上川管内東川町の製作協力で完成した。11月23日から道内各地で公開され、来年1月から全国で上映される。(旭川報道部 和泉優大)

北海道の自然の美しさを「アイヌ神謡集」の序文で表現した知里をモデルとする主人公テル=映画「カムイのうた」より©シネボイス

 映画「ぼくらの七日間戦争」などで知られる菅原浩志さん(68)=札幌市出身=が監督を務め、昨年7月から東川や旭川をはじめ、札幌、小樽など道内各地でロケが行われた。東川と札幌のオーディションで出演者を集め、地元ボランティアが美術や小道具製作に参加した。

・・・・・・

 

 荒城さんは「良い映画で感動もしたけど、現実はそんなもんじゃない」と話す。一方で「いろいろあったが自分は明るさで乗り越えた。アイヌであることを誇りに思うし、スクリーンにも映れた」と語る。

 製作に協力した川村副館長は「今もアイヌは社会でどう生きるか葛藤を抱えている。差別に関する表現は意見が分かれると思う。差別という問題、アイヌに対する迫害について、和人に見て考えてほしい」と話す。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/918352/


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アイヌ民族差別をなくすためには 杉田衆院議員の人権侵犯から考える<北海道新聞ポッドキャスト>

2023-10-04 | アイヌ民族関連

北海道新聞2023年10月3日 10:01

 10月3日配信のテーマは「アイヌ民族への差別」。

 自民党の杉田水脈衆院議員のブログなどの表現について、札幌法務局が「人権侵犯の事実があった」と認定しました。差別をなくすためには、何が必要なのか。担当記者と考えます。

 毎週火曜日は「ニュースの時間」と題して、記者が取材時のこぼれ話を交えて北海道のニュースを解説します。(収録は9月22日)

杉田水脈議員の「人権侵犯」認定 「啓発」措置とは? アイヌ民族を侮辱的に表現

 

先住民族ファーストの観光とは 先進地カナダ・ハイダ族の島訪問<デジタル発>

【出演】

MC:藤田夏子、津田祐慈

ゲスト記者:(報道センター 金子文太郎)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/918841/


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アイヌ民族への差別の実態と「ヘイトスピーチ」

2023-10-04 | アイヌ民族関連

毎日新聞10/3(火) 7:50配信

民族共生象徴空間(ウポポイ)がオープンし、来場者に披露されたアイヌの民族舞踊=北海道白老町で2020年7月12日、貝塚太一撮影

 法律(アイヌ施策推進法)でアイヌ民族は日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族として認められています。

【写真】アイヌ文化施設内覧会

 先住民族であると同時に少数民族でもあり(2017年に北海道庁が実施したアイヌ生活実態調査の対象者は1万3118人)、「ヘイトスピーチ」の対象になっています。

 「現代におけるアイヌ差別」(※)などの論文がある、旭川市立大学准教授の佐々木千夏さんと考えました。【聞き手・須藤孝】

 ◇ ◇ ◇ ◇

 ◇だれがアイヌ民族か

 ――実態の把握が難しいともされます。

 佐々木氏 09年から14年にかけて北海道内の五つの地域で実施したアイヌ民族の社会調査に関わりました。

 対象者は264人でしたが、そのなかで、自分の認識として「両親ともにアイヌで自分の先祖に和人の血は入っていない」とおっしゃった方は一人だけでした。

 調査対象者の約半数は、アイヌ民族であることを普段は意識していないと答えました。

 23年は、北海道庁が行う「アイヌ生活実態調査」の実施年で、私も有識者検討会議の委員を務めていますが、この調査自体、だれをアイヌ民族として対象とするかに課題があるとされています。

 アイヌ民族とはなにかということは、北海道でさえわかりにくい状況です。

 ――少数民族では民族のアイデンティティーをどう保つかが問題になります。

 ◆調査そのものに難しさがあります。「意識していますか」と聞けば聞くほど、「普段は感じていない」と答える傾向もあります。アイデンティティーの有無や強弱を聞くこと自体に難しさがあります。

 北海道アイヌ協会に加入して活動したり、文化継承に関わったりしている人たちでさえ、皆さんが民族としての強いアイデンティティーを持っているかといえば、必ずしもそうではありません。

 一方で調査では、アイヌ民族としてのアイデンティティーに否定的な感覚を持つ人はどの世代でも減っていることが分かりました。

 ◇時代によって変わっているが

 ――差別があります。

 ◆年代によって差があります。調査当時60代、70代の人たちの中には、過去にあからさまな差別を受けた経験がある方がいました。

 たとえば学校での子ども同士のいじめや、教員から差別的な対応をされた方、結婚する時にアイヌ民族であることを理由に反対された方などです。

 その後の世代は目に見える差別を受けた経験は少なくなっていきます。

 それは差別がなくなったのではなく、アイヌ民族であることを理由に差別されてきた世代が、下の世代に出自を伝えなかったり、差別から逃れるために和人と結婚したりしてきたということです。

 そのためにアイヌ文化が継承されなかった面もあります。しかし、さらに若くなり、孫の世代になると、また別の意識が出てきます。

 話を直接聞いて、アイヌ民族の血筋であることを「かっこいい」というような、肯定的に受けとめる若者がいることも実感しました。

 ――では若者には差別されているという意識はないのですか。

 ◆そうとは言えません。石を投げられるような直接的な差別はなくなっても、もっと見えにくい日常的な偏見の目にさらされていることは若者も感じていました。

 「アイヌなのにアイヌ文化も知らないのか、踊れないのか」などと言われた若者がいました。単純に昔より生きやすくなった、とは言えません。

 ◇歴史を知らない

 ――「ヘイトスピーチ」はいったいどこから出てくるのでしょうか。

 ◆私は北海道生まれ、北海道育ちですが、義務教育でアイヌ民族の問題を詳しく学んだ記憶はありません。

 北海道旧土人保護法(1997年廃止)のような差別的な法律の意味も含めて、北海道でもアイヌ民族の歴史はあまり周知されていないと感じます。

 21年に民放のテレビ番組でアイヌ民族を傷つける表現が放送された問題が起きた際、北海道大学のサイトにあった私の論文に非常に多くのアクセスがありました。

 問題になった表現についての記述があったためだと思いますが、アイヌ差別の実態について、日本ではほとんど知られていないことを実感しました。

 ただ、こうしたことをきっかけに関心を持って、アイヌ差別について調べようとする人がいる。それは重要な一歩だと思っています。

 ◇差別禁止規定があっても

 ――アイヌ施策推進法には差別を禁止する規定があります。

 ◆現在のアイヌ民族の方たちが置かれている状況やその前の歴史を知らなければ、法律に差別の禁止だけがあってもその意味が理解できません。

 北海道に住む私としてはアイヌ民族に対する「同化」政策などの歴史のうえに現在の生活があることも含めて、無知・無関心でいることはできません。

 アイヌ民族に関する政策について、差別の解消や文化の継承についてはアイヌ民族でも和人でも同じように賛成が多いのです。

 ところがアイヌ民族への雇用や教育を巡る政策について聞くと、和人の場合は賛成が少なくなります。

 それは、なぜ今の時代にも施策があるのかが理解されていないからです。歴史を含め、知る機会がほとんどない状況の一つの結果だと思います。

 日本政府は、アイヌ民族を先住民族として認めています。であれば、北海道だけではなく国全体が知るべき歴史です。

 ――知らないから差別をするのでしょうか。

 ◆少しだけ知ったからこそ起きる差別もあります。

 北海道のなかでも札幌市は、日本の他の都市部と近い状況にあると思います。アイヌ民族の割合は少ないのですが、なにかのきっかけで出自を知られた時には深刻な差別につながりやすいこともわかっています。一方で、アイヌ民族が昔から比較的多い地域で調査をすると状況は大きく違います。昔からアイヌに対する差別的な用語が日常で見られることがあります。

 物事を初めて少しだけ知った時に、次の段階が重要です。差別につなげないためには、まず正しい認識が必要になります。同時に、自分の言葉が他人にあたえる痛みを想像できるようになることも大切だと思います。

 ※ 小内透編著「先住民族の社会学 第2巻 現代アイヌの生活と地域住民」(東信堂、18年)第3章

https://news.yahoo.co.jp/articles/1accb9e128a82d0f87057894223cf0aaf67594d6


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世界の観光地域づくりで注目される「先住民観光」、カナダ先住民と北海道アイヌの交流で見えた可能性とは?

2023-10-04 | 先住民族関連

トラベルボイス2023年10月03日

知らないことを学びたいという知的好奇心は、その土地を訪れる大きなモチベーションになっている。知らない文化と出会い、その土地の人々と語らい、綿々と続く風習や習慣に触れてみる。その異文化体験の中でも、世界で注目されているのが先住民観光だ。その土地の神話を語り継いできた人々が創り出してきた文化は示唆に富み、未来への知恵にもつながる。

しかし、先住民観光には課題もある。それは民族を超えた普遍的な課題かもしれない。その視点から、カナダ観光局は、北海道大学観光学高等研究センター、アイヌ民族文化財団、国立民族学博物館と共催で国際シンポジウム「先住民観光の挑戦」を北海道大学で開催した。

カナダからはブリティッシュ・コロンビア州ハイダ・グアイおよびコモックスから、それぞれの民族の文化を継承するアーティスト6人が来道。北海道からは、世界で活躍するアイヌ工芸家の関根真紀さん、アイヌアート彫刻家の藤戸康平さん、民族共生象徴空間(ウポポイ)運営本部副本部長の野本正博さんが参加し、それぞれの取り組みや観光の役割について意見交換をおこなった。

パンデミックから急回復、カナダの先住民観光

基調講演にはカナダ先住民観光協会(ITAC)のキース・ヘンリー会長兼CEOが登壇。カナダにおける先住民観光の現状と将来に向けた活動を説明した。

カナダの先住民観光の市場は拡大を続けている。年間の投資額は2014年の489万カナダドル(約5.4億円)から2022年には約6倍の2900万カナダドル(約32億円)ルまで拡大した。ヘンリー氏は、その要因として「全国的な組織としてITACが立ち上げられ、州や準州の先住民観光組織と連携を強めたことが大きい」と話す。

先住民観光によるGDP寄与額も、パンデミック前の2019年で年間19億カナダドル(約2100億円)。2017年の15億カナダドル(約1650億円)から大きく成長した。コロナ禍で大きな打撃を受けたが、ヘンリー氏は「先住民は積極的に観光回復を進めてきたことで、コロナ前の水準への回復は計画よりも2年前倒しで実現できる見通しだ」と明かす。

2030年に向けたビジョンも野心的だ。GDP寄与額を60億カナダドル(約6600億円)、先住民観光関連企業数を2019年の1900社から2700社、就業者数を3.9万人から6万人、総売上高を38億カナダドル(約4200億円)から120億カナダドル(約1.3兆円)に引き上げる目標を掲げている。

売上高が伸びれば、税収も増えることから、連邦政府から州・準州政府、地方自治体まで、先住民観光への投資に積極的だという。

カナダの旅行といえば大自然の周遊が人気だが、今では先住民観光も強力な観光コンテンツになっている。ITACの調査によると、カナダへのインバウンド旅行者のうち、3人に1人が先住民観光に関心があると回答。日本では21%が関心を示し、今後2年間では約53万人の潜在需要を見込んでいるという。

ただ、課題もある。ヘンリー氏は、先住民観光の成長を阻む要因として、需要と供給のバランス、労働力不足、奥地コミュニティへのアクセス、事業者の資金調達、マーケティング力などを挙げた。

また、知的好奇心の強い旅行者の満足度を維持・向上させるにはコンテンツの質の保証もカギになる。質が高ければ、現地消費額の拡大にもつながる。そこで、ITACでは、これまでの取り組みを進化させる形で、2022年6月、新たな認定プログラム「The Original Original」を立ち上げた。

先住民観光は持続可能な地域づくりに不可欠

ヘンリー氏は、トラベルボイスとのインタビューのなかで、アイヌ民族との交流の意義について、「アイヌの人たちと我々が直面する課題について共有したい」と話した。アイヌの歴史を聞くと、政府との関係などカナダの先住民と同じような歩みを辿っていることから、「同じ解決策を見出せるのではないか。ITACとしても、アイヌの人たちから学ぶことはあるだろう」と続けた。

ITACは、メキシコ、ニュージーランド、オーストラリア、米国、南米など、これまでにも他国の先住民組織との交流を続けてきたという。ヘンリー氏は「カナダは先住民観光では世界をリードしていると思う。そのベストプラクティスを世界と共有していく」と話し、先住民ネットワークの重要性を強調した。

一方で、「観光産業は非常に競合が激しく、複雑。先住民観光もまだビジネスとして十分に成熟していない」という。そのうえで、「将来に向けては、ホテル、職人、アートセンターなど先住民観光に関わるプレイヤーが自らの力で持続可能な地域をつくっていくことが重要」との考えを示す。

持続可能な地域づくりに向けて、コミュニティは、ただ人を受け入れるだけでなく、そこで消費しもらい、経済的な恩恵を残してもらうことが大切になる。ヘンリー氏は、それを「フェアトレード」と表現する。フェアトレードとは、そもそも途上国との貿易で公正な取引をすることで途上国の人々の生活を助けるという意味だが、「価値に対して正当な対価を払うこと」と説明する。その価値を高めるために、認証プログラム「The Original Original」が立ち上げられた。

「OTAなどでは質をコントロールできない。彼らは我々のビジネスをダメにしてまうかもしれない。だからこそ、サプライヤーサイドで世界クラスの本物の体験ができるように質を高めていく」。

カナダの先住民は単独民族ではない。ITACは、ファーストネーションズ630社以上、メティス約100社、イヌイット65社の事業者とともに先住民観光を推進している。ヘンリー氏は「文化も、地域性も、規模もさまざまだが、観光に対する考え方は同じ方向を向いている」と話す。

ただ、今でも先住民アーティストのなかには、観光に対して懸念を持っている人はいるという。ヘンリー氏は、観光開発とともに、「観光がどのような経済的恩恵をコミュニティにもたらすのか、地域の文化にどのような貢献ができるのかを伝えていく必要がある」と付け加えた。

交流で生まれた先住民観光への思いとは

カナダの先住民グループは、北海道・白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」も視察で訪れた。アイヌの人たちは歓迎の儀式「ウエランカラプ」を開き、伝統の舞「タプカラ」で迎え入れ、カナダ側は伝統の舞でそれに応えた。

ウポポイでアイヌの歓迎に応えるカナダ先住民の人たち。

シンポジウムで、ハイダ・グアイ博物館で学芸員を務めるジスガング・ニカ・コリソンさんは、「アイヌの文化もカナダ先住民の文化も洗練されたもの。土地に根付き、超自然につながるなど共通する部分がある。先住民文化は過去ものではなく、現在も息づき、未来に結びついている」と話した。

また、ウポポイ民族共生象徴空間運営副部長兼文化振興部長の野本正博さんは、「日本では、カナダほど先住民族のことは知られていない。ウポポイには、交流を通じて、アイヌの歴史文化を知ってもらう役目がある。国民の理解促進が大切だが、長いスパンで考えていく必要がある」と話し、ウポポイの意義を強調した。

先住民観光について、ハイダ族アーティストのジム・ハートさんは、「ハリウッド観光ではない。本物の体験を提供していく」と話し、同じくハイダ族アーティストのエイプリル・ホワイトさんは「(先住民観光で)まず、私たちがここにいることを示すことが大事」と続けた。

ウポポイを視察した感想として、トーテンポールアーティストのクリスチャン・ホワイトさんは、「伝統とモダンが見事に融合した場所」と評し、ジュエリーアーティストのエリン・ブリロンさんは、「アイヌコミュニティの調和が取れていることに驚いた」と明かした。

一方、さまざまなアイヌ工芸を手がける平取町の関根真紀さんは、カナダとの交流を通じて、「もっと人を受け入れて、アイヌ文化を伝えていく必要性を感じた」との思いを表し、オリジナルデザインでアイヌ文化を世界に紹介する阿寒町の藤戸康平さんは、「アイヌとしてカナダ先住民観光から学ぶことは多い」と続けた。

アイヌには、ITACのような観光を促進する組織はない。「本物」の体験が求められているなか、観光を通じた文化保護・継承や持続可能な地域づくりの動きは広がるのか。北海道のアドベンチャー・トラベルの普及とともに注目されるところだ。

※カナダドル円は1カナダドル110円でトラベルボイス編集部が算出

トラベルジャーナリスト 山田友樹

https://www.travelvoice.jp/20231003-154304


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奥深い版画の世界から“沼る”一点を見つけて

2023-10-04 | 先住民族関連

豊岡市立美術館「伊藤清永記念館」特別展「はんが沼-多様多彩な版画の世界展-」

Kiss PRESS2023年10月03日

期間:2023年10月28日(土)~12月5日(火)

豊岡市立美術館「伊藤清永記念館」で10月28日から特別展「はんが沼-多様多彩な版画の世界展-」が開催されます。

版画には、木版画、シルクスクリーン、エッチング、リトグラフ、アクアチントと様々なテクニックがあります。そこに作家オリジナルの表現も加えられ、版画技法のバリエーションは無限大!

同展では、兵庫県養父市在住の版画家夫妻、ウェイン・イーストコットさんと鈴木道子さんの膨大な版画コレクションから、厳選した約80点を展示します。アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、葛飾北斎、横尾忠則、カナダの先住民族による作品など、世界中の多種多様な版画が並びます。
また、11月3日と4日には版画技法「モノプリント」でクリスマスカードを作るワークショップ、11月23日には版画コレクターの夫妻が展示作品・版画の歴史・技法について詳しく解説するトークショー(要申し込み)も実施されます。「関西文化の日」の一環で11月23日は入館無料!
<版画コレクターのプロフィール>
キャピラノ大学(カナダ)で版画の指導をしていたウェインさんと、同大学の版画科から第一号客員芸術家として招聘され、版画制作をしていた道子さんは、養父市へ移住後、豊かな自然の中での暮らしを活かした創作を行っています。現在、日本国内だけではなく海外の展覧会へも出品するなど精力的に活動中。

<記者のひとこと>
版画と聞くと、図工で学んだ彫刻刀で彫る画を思い浮かべますが、いろんな技法で描かれた作品があるんですね~!じっくり間近で見ながら今まで足を踏み入れたことのなかった版画の世界に“沼って”みたい!

期間

2023年10月28日(土)~12月5日(火)

場所

豊岡市立美術館「伊藤清永記念館」

(豊岡市出石町内町98)

GoogleMapで探す

開館時間

9:30~17:00 ※入館は16:30まで

入館料

一般500円、大学・高校生300円、中学生以下無料

休館日

水曜日

11月16日(木)、11月17日(金)

関連イベント

詳細はこちら

https://kisspress.jp/articles/40777/


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ブラジルのアマゾンで水温上昇でイルカが大量死

2023-10-04 | 先住民族関連

ケンミンショー10月 3, 2023 1 min read

Nakanishi Jun 

報道によると、ブラジルのアマゾン熱帯雨林で、深刻な干ばつと熱水温度の中、過去1週間で100頭以上のイルカが死んでいるのが発見された。

ブラジル科学技術イノベーション省から資金提供を受けている研究施設「マミラワ持続可能な開発研究所」は、過去7日間にテイフィ湖でイルカの死骸を発見した。 CNNが報じた。 CNNによると、研究者らは大量死はアマゾンで続いている干ばつと最近の天候に関連していると考えている。

同氏はさらに、「この極端な現象の原因を特定するにはまだ時期尚早ですが、専門家によると、テイフィ湖の乾季と高温が関係していることは間違いなく、一部の地点では摂氏39度(華氏102度)を超えています」と付け加えた。 )。」 同研究所が通信社に語った。

イルカの死以外にも、 ウォッチマン テイフィ湖では数千匹の魚の死骸も発生したと報告されている。

アマゾン川は世界最大の水路であり、その流域は何百万もの種が生息する豊かな生物多様性で有名なアマゾンの熱帯雨林につながっています。

しかし、この地域での人間活動と異常気象により、環境への懸念が高まっています。 アマゾナス州は歴史的な干ばつを受けて9月に環境非常事態を宣言し、2,000万ドルの対応計画を開始した。

「テフィでの先月の状況は、SFの気候変動シナリオのようでした」と、この地域に住む英国人研究者のダニエル・トレギジョー氏はガーディアン紙に語った。 「ピンクカワイルカを定期的に目撃できることは、アマゾンの中心部に住むことの大きな利点の一つです。…イルカの一頭が死んだことを知るのは悲しいことですが、この干ばつでさらに多くの命が失われたことを知ると、死体の山を見ることができます。 100人というのは悲劇だ」

「壊滅的な災害」: 研究は気候変動と数千人の命を奪った恐ろしい洪水を関連づけている

何十万人が影響を受ける可能性がある

ブラジル当局は、干ばつは年末までに約50万人に影響を与える可能性があると発表した。 多くの先住民族はすでに食料や水などの基本的な物資へのアクセスに苦労しています。

この地域の主な交通手段は水路ですが、長期にわたる干ばつにより、歴史的に川の水位が低下してきました。 干ばつは、多くの川沿いのコミュニティにとって生計手段である漁業にも影響を与えている。

アマゾナス州民間防衛局は9月の声明で、当局が地域社会を支援するために食料、水、個人衛生用品を配布すると発表した。 アマゾナス州知事ウィルソン・リマ氏によると、さまざまなレベルの政府が影響を受けた自治体を支援する予定だという。

民間防衛局は、先週の時点で15の自治体が非常事態にあり、他の40の自治体が警戒態勢にあると発表した。

気候変動が干ばつを悪化させている

民間防衛局によると、エルニーニョ現象の影響で干ばつはさらに深刻化し、長期化すると予想されている。

エルニーニョは、この時期の熱帯中部および東部太平洋の海水が通常よりも暖かい自然気象パターンです。 この現象は、雨雲の形成を防ぐなど、世界中の嵐や気象パターンに影響を与える可能性があります。

気候変動と地球気温の上昇により、干ばつがより頻繁に、より長期化し、より深刻になっています。 空気が暖かくなると、乾期には蒸発量が増加し、地表水が減少し、土壌や植物が乾燥します。

気候変動と教育: アメリカの学校の多くは気候変動について教えていません。 生徒たちはそれを不満に思っている

寄稿者: ドイル・ライス、USA TODAY。 AP通信

https://kenmin-souko.jp/ブラジルのアマゾンで水温上昇でイルカが大量死/


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先住民女性に避妊具強制装着、損害賠償求め国を提訴 グリーンランド

2023-10-04 | 先住民族関連

AFP2023年10月3日 16:12 発信地:コペンハーゲン/デンマーク [ デンマーク グリーンランド ヨーロッパ ]

グリーンランド・イルリサットでAFPの取材に応じる被害女性の一人(2022年6月27日撮影、資料写真)。(c)Odd ANDERSEN / AFP

【10月3日 AFP】デンマーク領グリーンランドの先住民イヌイット(Inuit)の女性67人が2日、数十年前に子宮内避妊具(IUD)の装着を強制されたとして、国に1人30万デンマーク・クローネ(約630万円)の損害賠償を求める裁判を起こした。

 グリーンランドは1953年に植民地から脱したが、依然としてデンマークの支配下にあった。

 デンマーク政府による先住民に対する人口抑制策が実施された当時、IUDを強制的に装着された女性たちの多くはまだ10代だった。

 デンマークの公共放送DRによると、1960~70年代にこの処置を強制された若いイヌイットの女性は約4500人に上る。

 同じくIUDを強制的に装着された経験を持ち、損賠賠償訴訟を主導した心理学者のナジャ・リベルト(Naja Lyberth)氏によれば、多くの女性は避妊具を装着されていたことを知らず、グリーンランドの婦人科医らが見つけて初めて知ったという。

 リベルト氏は、「政府は違法に人権を侵害し、私たちに深刻な害を与えたのは100%明らかだ」と指摘した。

 昨年発足した委員会は、2025年に調査結果を公表する予定だが、原告の女性たちは早く償ってほしいと考えている。

「私たちは調査結果が出るまで待っていられない」とリベルト氏は言う。

「私たちは年を取っている。1960年代にIUDを装着された最年長の人は1940年代生まれで、もうすぐ80歳になる」「今すぐに行動を起こしたい」と訴えた。

 デンマーク政府は昨年3月、1950年代に北極圏でデンマーク語を話すエリートを育成する社会実験のために家族から強制的に引き離したイヌイット6人に対し、謝罪するとともに損害賠償を支払っている。(c)AFP

https://www.afpbb.com/articles/-/3484504


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ブラジル》食卓に並ぶアマゾン料理と和食=パラー州の移民家庭の食事風景

2023-10-04 | 先住民族関連

ブラジル日報10/3(火) 7:49配信

ファロファを箸で器用に食べるメリッサさん(@melissayuis)

 「箸でお椀に入ったタカカー(先住民料理)を食べると味噌汁みたい」――パラー州在住の日系ブラジル人女性、メリッサ・ユイ・シバタ(17)さんは、寿司、焼きそば、シュラスコ(ブラジル風バーベキュー)、アマゾン料理マニソバ(キャッサバの葉の煮込み)など、現地の郷土料理と和食が混在して食卓に並ぶ移民家庭の「異色な」食事風景をSNSで紹介し、2日午後5時現在で15万回再生、3万1千いいねを獲得するなど話題を集めている。9月30日付けG1サイトが紹介した。

 地球の真反対に位置する日本とアマゾンの二つの食文化が、食卓の上で最高の形で融合する。アマゾン河下流にあるパラー州北東部トメアスー市に暮らすシバタ家は、特別な日を祝う時には決まって、両国のご馳走を組み合わせて楽しむ習慣があるという。

 メリッサさんは「祖父母は日本から海を渡ってきた。この一家の伝統は長い間続いていて、父や叔父たちが子供の頃からいつも週末に集まって親睦を深めていた」と語る。

 彼女は現在高校3年生で、学業のために州都ベレン市に住むが、毎週末はトメアスー市の実家に帰省する。州都から187キロ離れていて、日本移民がアマゾン地方最大の移住地を作った場所として知られる。

 大きな話題を集めた動画「異色のランチ」は、彼女の「バッチャン(祖母の愛称)」シバタ・クメコさんの米寿のお祝いパーティーを収めたもの。

 彼女の実家では、各料理を混在させることで食の楽しみを追求し、面白さを引き立てるのだという。パラー州の伝統料理マニソバ(キャッサバの葉の煮込み料理。完成までに1週間かかる)と、新鮮な生サーモン寿司が同時に楽しめる。

 みんなが箸を持ってタカカ(アマゾンハーブのジャンブーや干しエビが入った先住民のスープ)を食べる姿は、まるで味噌汁を飲んでいるよう。ブラジル料理に欠かせないファロファ(キャッサバ粉)も箸を使って食べる姿が注目を集めた。最後のデザートはアサイーアイスクリームで華やかに締めくくる。

 「私たちは『モチヨリ(持ち寄り)』でパーティーを開き、参加する各家族が何かしらの料理を持って来る」と話す。飲食をともにして喜びを分け合う、古き良き日本の伝統文化が根強く残っていることを説明した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dcd29814609adf8e59f902f5f641e8b059030915


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SNS隆盛のいまこそ人類学! 世界中を覗き見れる時代に求められる「みずからの目で確かめる」ことのススメ

2023-10-04 | 先住民族関連

ダ・ヴィンチ2023/10/3

はじめての人類学』(奥野克己/講談社)

 人類学とは「人間とは何か」を問う学問だ。歴史は古く、誕生のきっかけは「15世紀の大航海時代」にさかのぼる。当時、「海のむこうに住む『他者』たち」と出くわした西洋の人びとは、未知なる文明に探求心をかきたてられた。

 そこから年が経った現在も、人類学の研究は続いている。やはり、時代がどれほど経っても、人間は私たちの「生」を追い求めているのだろう。そう思わせてくれるのが、書籍『はじめての人類学』(奥野克己/講談社)だ。

 本書は、人類学に関わってきた先人たちの知見を紹介し、現在までの変遷を分かりやすく伝える初歩的な一冊。「自分自身と他者を知るための学問」は、現代の私たちにも生き方のヒントを与えてくれる。

■SNS全盛の今、人類学の役割が変わりつつある

 誕生のきっかけこそ「15世紀の大航海時代」にさかのぼるが、近代人類学が産声を上げたのは「19世紀」。ダーウィンが「進化論」を発表したのを機に、「文化や社会を原始から文明に至る直線的な進化の過程として捉える進化論的な考え方」が広まっていったという。

 以降、弁護士や実業家でありながら「ネイティブ・アメリカン」との出会いにより「先住民の比較研究」を進めたアメリカのルイス・ヘンリー・モーガン。文化とは「知識や宗教や法律、様々な能力や習慣からなる複合的な要素をすべて合わせたもの」として、より細分化された「宗教人類学」や「芸術人類学」の発展に貢献したイギリスのエドワード・タイラー。そして、民族に伝わる呪術の研究を続け「人間は呪術から宗教へ、そして科学へと至るという説」を唱えたイギリスのジェームズ・フレイザーらの功績で、近代人類学の礎が築かれた。

 そこから100年以上が経過し、2023年現在、この日本では「戦後三度の人類学ブーム」が来ているという。背景にあるのは、スマートフォンやSNSの普及だ。はるか遠く「未開」の地に住む人たちともネットを介して通じ合える現代では、「外部」と「内部」の境界線もあいまいになってきた。そのため、人類学は「これまでとは違った人間の生き方」を探る、新たな役割を求められつつあるのだ。

■「フィールドワーク」の視点は現代でも役立つ

 未知なる文明と正面から向き合い、人間とは、世界とは「何か」を研究し続けた人類学者たち。学問が未成熟だった時代を生きた彼らのアプローチもまた、私たちに知見を与えてくれる。

 19世紀〜20世紀を生きたポーランド出身の人類学者、ブロニスラフ・マリノフスキはその1人だ。彼は「本や文献、資料」にあたるだけではなく、「遠く離れた場所に住む人たち」の文化へ飛び込む「参与観察」の手法を編み出し、みずからの目で確かめる「フィールドワーク」にこだわった。

 大学時代に論文『オーストラリア先住民の家族』で「科学博士号」を取得したマリノフスキは、「文献だけに依拠する研究には限界がある」と感じ、その後、オーストラリアへ渡り、先住民たちの暮らしをその目で確かめた。

 現地の人びとが「海を越えてカヌーで航海したり、呪文を唱えたりする行動を事細かに記録」した「民俗誌」、そして、研究の日々にあった葛藤などを綴った彼の「日記」は、今なお学術的価値を見出されている。

 そして、文献の研究だけでは「限界がある」とした彼の思考は、ネットで“すべてが分かる”と錯覚しがちな現代にも通じるのかと思わされる。現地を自分の目で見て、声を聞き、空気を感じる。その大切さも、教えてくれるのだ。

 人類学と聞くと“難しそう…”と尻込みしてしまう人もいるかもしれないが、本書を読めばハードルが下がるはずだ。未知の世界へ飛び込んだ先人たちの経験は、私たちにとっても大きな学びとなる。

文/カネコシュウヘイ

https://ddnavi.com/review/1187144/a/


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「エシカル」な本作り紹介 試し刷りを背表紙に インドの出版社コラボ、渋谷で企画展 7日まで /東京

2023-10-04 | 先住民族関連

毎日新聞 2023/10/4 地方版 有料記事 851文字

タラブックスの製本過程で出た試し刷りの絵を表紙に使ったカタログ本=渋谷区で

 手製本が有名なインドの出版社「タラブックス」と、日本の印刷会社「ライブアートブックス」がコラボした企画展が、渋谷区神宮前2の「LIVE ART GALLERY」で開かれている。題名は「FLUKES ARE NO MISTAKE タラブックス、失敗と本づくりの未来」。一見「失敗」にみられる作品を失敗と捉えないタラブックスの文化や、作品作りにかける人々の思いを映像や本で紹介している。7日まで。

 企画したのはライブアートブックス代表取締役の川村佳之さん(38)。タラブックスはインドの先住民の絵画を、布を貼った板を使ったシルクスクリーンと呼ばれる手法で刷る手製本が知られる。日本でも「夜の木」(タムラ堂)など翻訳本が出ている。

 2017年に板橋区立美術館で開かれた展示などで作品の魅力に触れた川村さんは、タラブックスの品質への考え方や本作りのスピードが日本と違うことに驚いた。日本では作品に少し汚れがついたら捨てるのが普通だが「タラブックスは試し刷りした紙もノートの背表紙にしたりお客さんへのプレゼントにしたりとおおらか。日本の印刷業界が学ぶことは多い」と感じた。

 ・・・・・・

 カタログ本は3960円(税込み)で購入でき、付属のQRコードから自宅でも映像作品も見ることができる。午後1~7時。無料。【南茂芽育】

〔多摩版〕

https://mainichi.jp/articles/20231004/ddl/k13/040/002000c


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