先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

古い布を組み合わせた「布絵」やアイヌの伝統的文様の刺しゅうを展示するイベントが開催

2023-10-16 | アイヌ民族関連

STV10/16(月) 7:03

古い布を組み合わせた「布絵」や、アイヌ文化の伝統的文様の刺しゅうを展示するイベントが行われました。

アイヌ文化の伝承者・宇梶静江さんの講演会も開かれ、作品に込める思いを語りました。

古い布と、伝統文様などの刺しゅうを組み合わせて作った「古布絵」です。

「古布絵」には、権利回復への思いが込められていて、アイヌ文化の伝承者・宇梶静江さんが数多く手掛けました。

展示会では、宇梶さんの講演会も開かれました。

宇梶静江さん(アイヌ文化の伝承について)「自分たちのやっていることを理解され喜び、喜びあっていけたらいいなと」

道立近代美術館でひらかれたこのイベントでは、アイヌ文化の伝統的な歌なども披露され、訪れた人は聞き入っていました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/349706b817b59b914f34102f8db1c00e1f15171d


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「共に生き、平和な世界を」 アイヌ復権に尽力、宇梶静江さん訴え

2023-10-16 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2023/10/15 19:19(最終更新 10/15 21:22) 584文字

共生社会の実現を訴えた宇梶静江さん=札幌市中央区で、2023年10月15日午後1時33分、真貝恒平撮影

 アイヌ民族の復権に力を注いできた古布絵(こふえ)作家の宇梶静江さん(90)=北海道白老町在住=のトークショーが15日、北海道立近代美術館(札幌市中央区)であり、これまでの人生を振り返り、共生社会の実現を訴えた。宇梶さんが代表を務める一般社団法人「アイヌ力」などの主催。

 宇梶さんは旧荻伏(おぎふし)村(現浦河町)出身。23歳で上京し、1972年に新聞の投稿欄で「ウタリ(同胞)よ、手をつなごう」と呼び掛け、東京ウタリ会の設立に尽力した。

https://mainichi.jp/articles/20231015/k00/00m/040/161000c


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アイヌの伝統 和人とともに 古布絵作家・宇梶静江さん講演 札幌

2023-10-16 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年10月15日 21:42

講演会で「生きづらい世の中を良くしていこう」と語った宇梶静江さん

 アイヌ民族の詩人で古布絵作家の宇梶静江さん(90)=胆振管内白老町在住=の講演会が15日、札幌市中央区の道立近代美術館で開かれた。今月、道文化賞を受賞した宇梶さんは「2年前に関東から北海道に戻り、多くの同胞が歓迎してくれた。先祖が残したアイヌの伝統を、これからも和人とともに学んでいきたい」と語った。

 宇梶さんが代表を務める一般社団法人アイヌ力などが主催。約230人が来場した。

 宇梶さんは「当初は『アイヌの布絵なんて恥だ』と言われることもあったが、先祖を思いながら夢中で活動を続けてきた」と振り返った。今後の夢については「和人と一緒にアイヌの大きなお祭りを開きたい」と語った。

・・・・・

(津田祐慈)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/925321/


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松浦武四郎の歩み、楽しく学んで 有志団体が絵本発刊 3頭身「まつうらさん」で分かりやすく

2023-10-16 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年10月15日 20:33(10月15日 22:15更新)

松浦武四郎を愛らしい「まつうらさん」として描いたユニークな絵本を紹介する午来睦美代表

 【岩内、喜茂別】幕末期の探検家松浦武四郎(1818~88年)の足跡を追う有志団体タケシロードツアーグループ(事務局・後志管内喜茂別町)が絵本シリーズ「まつうらさんとたびするほん」の第1弾を発刊した。松浦をほのぼのとしたタッチで描き「面白エピソード」などをちりばめた。大人も子供も北海道ゆかりの探検家の歩みや素顔を楽しく学べる作品だ。

 第1弾のテーマは、松浦が1857年(安政4年)に行った5回目の蝦夷地(えぞち)調査。交通の難所だった雷電峠など現在の後志管内岩内町と周辺を主な舞台に、札幌の礎をつくった開拓判官島義勇やアイヌの人々との交流も描いた。

 石狩から現在の留萌管内天塩町に至るまでの移動経路を示した地図も掲載した。各地での松浦の様子や逸話も盛り込み、海岸で浮きを集めた様子は「コレクターだましい さくれつ!!」と軽妙につづった。

 特長は、分かりやすい文章と親しみやすい絵だ。松浦を、丸顔の3頭身の愛らしい「まつうらさん」として描いた。・・・・・

 A5判40ページで、1650円。石田製本(札幌市西区)のホームページやネット通販大手アマゾンで購入できる。問い合わせは午来代表、電話090・2694・0227へ。(酒井聡平)

<ことば>松浦武四郎 江戸時代の末期に現在の三重県松阪市で生まれた。蝦夷地の踏査を計6回行い、多数の調査記録を残した。そうした功績が認められ、明治時代に入ると、開拓判官に任命された。「北海道」の名付け親としても知られている。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/925304/


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アイヌ「貝送り」実施?江戸期の遺構 アワビの魂を神の国に返す儀式

2023-10-16 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2023/10/15 11:11(最終更新 10/15 11:11) 290文字

アイヌ民族が「貝送り」の儀式を行ったとみられる遺構=8月、北海道・礼文島(北海道大アイヌ・先住民研究センター提供)

 北海道・礼文島でアイヌ民族がアワビの魂を神の国に返す「貝送り」の儀式を行ったとみられる江戸時代の遺構が見つかった。貝送りに関する具体的な証拠が確認されたのは初めてで、調査団を率いる北海道大アイヌ・先住民研究センター長の加藤博文教授は「アワビは重要な交易品として特別な存在だったのではないか」と話す。

 アイヌ民族には自然の恵みを神からの贈り物と考え、神の国に魂を送り返して再訪を願う儀式「イオマンテ」がある。地域によって儀式の対象に違いがあり「クマ送り」が広く知られている。

 加藤教授によると、遺構は8月、礼文島北部の砂丘にある遺跡で発掘。大量のアワビの殻が集中していた。(共同)

https://mainichi.jp/articles/20231015/k00/00m/040/063000c


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アイヌ 「伝統文化とテクノロジー」 札大で28日シンポ開催 古式舞踊の披露も /北海道

2023-10-16 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2023/10/16 地方版 有料記事 440文字

 札幌大アイヌ文化教育研究センターは28日、同大で「伝統文化とテクノロジー」と題したシンポジウムを開く。主催する同大の本田優子教授(アイヌ文化)は「アイヌの伝統文化と現代テクノロジーを結び付け、どのような未来が開けるのかを一緒になって考えたい」と呼び掛けた。

 28日午後1時から同4時半、札幌大プレアホール(札幌市豊平区)で開催。本田教授は「さまざまな分野における後継者不足や次世代への継承について、問題意識がある」といい、シンポジウムでは ・・・・・

入場無料、事前申し込み不要。【山田豊】

https://mainichi.jp/articles/20231016/ddl/k01/040/015000c


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アイヌイタクエエラムアン?アイヌ語しってる? キテ

2023-10-16 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2023/10/16 東京朝刊 有料記事 507文字

キテ もり先(さき)

 海(うみ)の沖(おき)で、メカジキやクジラなど大型(おおがた)の獲物(えもの)を捕(と)るときに使(つか)う道具(どうぐ)です。キテは大(おお)きく、(1)長(なが)さ3~5メートルほどの柄(え)(2)つなぎ(3)もり先(さき)――の三(みっ)つの部分(ぶぶん)からできています。もり先(さき)の部分(ぶぶん)だけをキテと呼(よ)ぶこともあります。

 ・・・・

<文(ぶん)/イラスト:ケニ(山丸(やままる)賢雄(けんゆう)、文化(ぶんか)振興部(しんこうぶ)体験(たいけん)教育課(きょういくか)アイヌ語担当(ごたんとう)) ウポポイ(民族共生象徴空間)協力>

https://mainichi.jp/articles/20231016/ddm/013/100/045000c


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故人への思いをつなぎ 現世を映す辺境の地 青森・恐山

2023-10-16 | アイヌ民族関連

毎日新聞10/15 08:00 

宇曽利山湖畔の極楽浜には故人を弔う積み石が並ぶ=青森県むつ市で2023年9月18日、萩尾信也撮影

 「死んだら、お山さ行ぐ」。青森県の下北半島と周辺部に住む人々に、今も息づく思いである。

 「お山」とは、その形から「まさかり半島」と呼ばれる半島の刃の中央にある霊場「恐山」(むつ市)だ。カルデラ湖「宇曽利山湖(うそりやまこ)」と、仏が座る蓮(はす)の花のように湖を囲む「蓮華八葉(れんげはちよう)」と呼ばれる八つの山々を含む一帯で、国定公園の中にある。

 名前の由来は諸説あり、「くぼ地」を意味するアイヌ語「ウシュロ」が「おそれ」に転化したとの説も。アイヌ語由来の地名が東北各地に存在することと併せて、アイヌ民族が暮らしていた時代を想起させる。

     ◇

 言い伝えによれば、恐山の起源は平安時代の862年にさかのぼる。空海や最澄と同様に唐に渡った、「入唐八家(にっとうはっけ)」の一人、天台宗の僧、円仁が開山したとされる。

 「円仁が唐で見た夢に、聖僧(しょうそう)が現れ、『帰国し、東方へ30日ほどの場所に霊山あり。地蔵菩薩(ぼさつ)を彫り、布教せよ』とのお告げに、行脚の末にたどり着いた」。お山の境内ガイドが教えてくれた。

 中世には、修験者が入山していた。民衆の登拝や湯治などの足跡も古文書などに残っている。戦乱の世に荒廃したが、1530年にむつ市にある曹洞宗円通寺の僧侶、宏智聚覚(わんしじゅがく)が再興。以来、同寺が恐山を管理している。

 大祭や秋詣(まい)りには、「イタコ」と呼ばれる霊媒師がやって来て、死者を降霊させて、故人の思いを伝える「口寄(くちよ)せ」が行われる。イタコは寺の管轄ではないが、昭和30年代にマスコミに度々登場し、その名は広範に知られることになった。

 私が初めて恐山を訪れたのは、10歳になった1965年夏。従兄(いとこ)の東北旅行に同行した折のことだ。

 そこは、「賽(さい)の河原」をほうふつさせる風景が広がっていた。数多(あまた)の穴から硫黄臭とともにガスが噴出。熱湯がボコボコと音を立て、湯気が上がっていた。供養のための地蔵や、黄泉(よみ)への旅支度のためのわらじや手ぬぐいが供えられ、風車がカラカラと回っていた。

 ♪一つ積んでは父のため 二つ積んでは母のため♪

 白砂の「極楽浜」では、人々が故人を偲(しの)んで石を積み上げ、設営されたテントで、イタコの口寄せに涙していた。

 そして今年9月、私は58年ぶりの再訪の旅に出た。滞在していた岩手県から沿岸部を北上し、半島の手前にある青森県三沢市に入ると、既視感に襲われた。

 米軍や自衛隊の基地が広がり、私の故郷で基地がある長崎県の佐世保や、取材で訪れた沖縄で感じた空気感と重なった。道端の店の看板や掲示板には英語表記が並び、コンビニエンスストアには家族連れの米兵の姿があった。使用済み核燃料再処理工場のある青森県六ケ所村や、原子力発電所のある東通村に差し掛かると、補助金で建てられた豪華な公共施設が散見された。

 「下北半島は、厳しい気象条件や痩せた大地から、かつては屈指の貧困地帯とされ、出稼ぎや娘たちの身売りの歴史もあった」。六ケ所村立郷土館長の説明だ。

 戦後、国策で開拓団が入植したが、「猫の目農政」に翻弄(ほんろう)されて先細りに。その後、さらなる国策で下北半島は「原発と基地の半島」と化した。それは、放射性廃棄物の最終処分場建設に向けた文献調査地に、過疎化や財政難で苦しむ辺境の自治体の名が上がることと通底する。

 58年ぶりの恐山は、猛暑がひと息つき、ススキの穂が風に揺れていた。火山の噴気は減少していたが、故人への思いを胸にした人々がいた。寺の御堂(みどう)には、未婚のまま亡くなった娘のための花嫁衣装の人形や、「生きて、成長していれば」との思いを込めて持参した衣服が置かれていた。「お山は、死者と生者をつなぐ場所」。寺の南直哉院代は、宿坊での法話や著書にこんな言葉を残している。

 仏教の枠を超えて、古来祈りの場として21世紀も存在し続ける恐山の、本堂と門を結ぶ延長線上には、蓮華八葉の一座である釜臥山(かまふせやま)(878メートル)が見える。山頂にある恐山の「奥の院」の隣に、高さ35メートルの自衛隊のレーダーがそびえ立ち、監視用のカメラや人員が配置されていた。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射、ロシアのウクライナ侵攻……。お山は、きな臭さを増す世界情勢も映しながら、今も存在し続ける。【客員編集委員・萩尾信也】

https://article.auone.jp/detail/1/2/2/101_2_r_20231015_1697324512159881


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白糠と古瀬

2023-10-16 | アイヌ民族関連

釧路新聞2023年10月16日 月曜日

根室本線の駅紹介に戻ります。今回は白糠駅と古瀬信号場です。

【白糠】

1901年7月20日開駅

アイヌ語の「シラル・カ」(平磯の岸)からでたものです。

 【古瀬】

1954年7月1日開駅(信号場→仮乗降場→駅→2020年3月14日再び信号場)

アイヌ語の「フル・センピリ」(丘の・陰)からでました。

※次回は11月6日ころ更新します。

https://kushironews.jp/2023/10/16/460758/


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吉田美月喜、加藤雅也『カムイのうた』トークイベント @日本橋高島屋

2023-10-16 | アイヌ民族関連

映画情報2023年10月15日

トークイベント@日本橋高島屋

日本橋髙島屋S.C.では本館8階催会場にて10月4日(水)~16日(月)の期間、北海道の美味などを一堂に集めた「第70回 北海道の物産と観光 大北海道展」を開催中。
更に会場では、豊な自然に囲まれた白老町・ポロト湖のほとりで、アイヌ文化を学び体験できる施設「ウポポイ(民族共生象徴空間)」の魅力が映像とパネルで紹介されています。

そして、10月14日(土)には、アイヌ民族の壮絶な史実を基に描かれた物語、映画『カムイのうた』(2024年1月26日(金)公開)のスペシャルトークイベントが開催され、主演の吉田美月喜、共演の加藤雅也が登壇しました。

日程:10月14日(土)
場所:日本橋髙島屋S.C.本館1階正面ホール
登壇:吉田美月喜、加藤雅也

吉田美月喜、加藤雅也登壇

立ち見客が多数出るほどの盛況を見せたこの日、実在のアイヌ民族・知里幸恵さんをモデルにした主人公・テル役の吉田は「アイヌ文化は調べれば調べるほど興味深い文化。この作品を通してアイヌ文化について勉強ができて良かったし、監督が情熱と覚悟を持って作品に向き合っていたので、北海道の方にもアイヌ民族の方にも納得してもらえるように演じたいと思いました」と熱演を報告した。

実在の人物・金田一京助をモデルにした兼田教授を演じた加藤も「アイヌ文化を調べる中で驚愕的な事実を知って、これはちゃんと映像として残して多くの方々に観ていただく必要があると思った」と全力で撮影に臨んだと口にしていた。

北海道では11月23日から先行公開。吉田は完成作品について「ショッキングさを感じるところが沢山あった。同時にこれは沢山の方々に知っていただかなければいけない事実だとも感じた」といい、加藤も「製作費も潤沢ではないのに、相当なことをやっています。監督は描かなければいけないところをしっかり描いている。本当にこの予算内で撮影したのか?と驚くぐらいの映像が出てくる」と迫力満点の作りに太鼓判を押していた。

中でも目を見張るのが、豪雪シーン。加藤が「冬のシーンは見ていてヤバいと思った」と吉田を労うと、吉田は「寒かったです!もうカッチカチになりながら」と苦笑い。「袴の中に防寒着、防水靴下を履いての藁の靴だったけれど、足先も耳も真っ赤。触ったら痛かった」と吉田はハードな状況を振り返るも「藁靴には雪も水も入ってこなかった。当時の方の知識に驚いた」と先人の知恵と工夫に感心していた。

ロケ地である北海道に吉田は約一か月間滞在。「近所のスーパーで買ったジャガイモが美味しすぎてストックしました」と北の大地の野菜に感動すると、加藤も「水も空気も美味しい。アイヌの方に教えてもらったお店もすべて美味しかった」と北海道ならではのグルメに痺れていた。

吉田はアイヌの伝統的な楽器、ムックリ演奏にも挑戦。撮影に入る前に自主練に励んだそうで「口の中で音を振動させて、息の吹き方や吸い方次第で音が変わる。やればやるほど自分の知らない口の動き方になって知らない音が出てくる。弁を揺らすところから難しくて、力を入れすぎると竹が割れてしまったりするので、家でひたすら飼い犬に聞かせながら練習していました」と振り返った。

テルのモデルである知里幸恵さんは、19 歳でアイヌ民族に伝わるユーカラという叙事詩を日本語に翻訳した。撮影当時19歳だった吉田は「19歳で自分の愛する文化のために命を捧げる覚悟は私にはできないこと」と知里幸恵さんの覚悟をリスペクトしながら「海道登別市にある知里幸恵 銀のしずく記念館に行き、知里幸恵さんとボーイフレンドとのやり取りを聞いたとき、初めて私と同じ19歳の部分もあるんだと安心しました」と等身大の姿に共感を寄せていた。

映画の冒頭では、知里幸恵さんが書いた実際の書籍「アイヌ神謡集」の序文と言われる部分の文章の一部がそのままナレーションとして使用されている。ナレーションで序文を吹き込んだ吉田は「監督にとっても私にとっても知里幸恵さんにとっても大切な部分なのでプレッシャーはありました。北海道の雄大な景色に自分の声が負けそうになったりして、試行錯誤で最終的にいいものができたと思います。私は今20歳ですが、あんなに魂のこもった言葉は自分では書けません」と聴きどころに上げていた。

最後に加藤は「是非とも映画館の暗闇の中で観ていただけると、僕らが伝えたかったことがクリアに伝わるはずです」とアピール。吉田も「私と同世代でアイヌ文化の現実を知らない人も沢山いると思うので、魂を込めてアイヌ文化を守ろうとした人がいて、それが今も続いているということを映画を通して知ってもらえたら嬉しいです」と期待を込めていた。

『カムイのうた』

2023年11月23日(木・祝)より、北海道先行公開
2024年1月26日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次公開

公式サイト:https://kamuinouta.jp

出演:吉田美月喜、望月歩、島田歌穂、清水美砂、加藤雅也

監督・脚本 菅原浩志 

プロデューサー:作間清子 

主題歌:島田歌穂

製作:シネボイス  

製作賛助:写真文化首都「写真の町」北海道東川町  

配給:トリプルアップ

Ⓒシネボイス 上映時間:125分 

https://eigajoho.com/archives/257265


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オーストラリアで国民投票、先住民の声を政策に反映する機関創設に反対多数

2023-10-16 | 先住民族関連

BBC2023年10月15日

オーストラリアは1977年以来、改憲を実施していない。写真はシドニーの投票所

オーストラリアで14日、先住民の政治的権利を拡大するための計画について国民投票が行われ、圧倒的な反対多数で否決された。

先住民を豪州の「ファースト・ネイション(最初の人々)」として承認し、政府に政策提言するための機関を創設するという政府案に、全6州が反対した。

アンソニー・アルバニージー首相は厳しい結果だと認め、「高みを目指すと、たどり着かずに落下することもある。そういう事態だと理解しているし、結果を受け入れる」と述べた。

野党・自由党のピーター・ダットン党首は、「この国にとって良い結果」だと歓迎した。

「The Voice(声)」と呼ばれた今回の国民投票は、1999年以来。大半の開票が終わった時点で、政府案への「反対」は約60%、「賛成」は40%だった。

投票に向けて、国内では厳しい運動を賛成派、反対派の双方が繰り広げた。

政府案賛成派は、先住民の地位を憲法で承認することで、オーストラリアは一致団結して新時代へ臨めるようになると主張した。

反対派は、政府案は国民を分断するもので、一部の市民が優遇されることになると反論。新しい政府諮問機関を作れば、政府の政策決定に遅れが出るとも反対した。

「議会への声」機関の設置は、オーストラリア国民の融和と一致を目指して、先住民代表たちが2017年にまとめた「心からのウルル声明」で提案された。

オーストラリアの先住民、アボリジナルとトレス海峡諸島民が国の人口2600万人のうち3.8%を占め、約6万年前からオーストラリアに暮らしているものの、現在のオーストラリア憲法で言及されていない。国内で最も不利な状況に置かれていることが、ほとんどの社会経済指標で示されている。

先住民ブンジャラン族で、政府案に反対してきたウォーレン・ムンディーンさんは、「アボリジナル(先住民)は発言できていないというのはうそで、そのうそをもとにした今回の国民投票はそもそも行うべきではなかった」と述べた。

一方、先住民クアラレグ族とカルカルガル族とエルバムレ・トレス海峡諸島出身で、賛成派で活動してきたトマス・メイヨさんは地元メディアに、「先住民の代表たちは懸命に活動してきた(中略)しかし、不誠実でひどい反対運動がオーストラリア国民にうそをついた」と批判。「自分はオーストラリア国民をまったく批判したりしないが、この結果は国民にうそをついた反対派のせいだ」と述べた。

賛成運動を推進してきたディーン・パーキンさんは、先住民でない国民から権利を奪うのが目的だという反対派の主張を否定。「かたくなではない心で今回、ノーと投票したオーストラリアの人たちに、直接語りかけたい。アボリジナルとトレス海峡諸島民は、皆さんから何かを取り上げるつもりなど決してなかった」、「自分たちの先住民の物語と文化を携えて皆さんの中に参加し、皆さんのものを奪ったり薄めたりするのではなく、皆さんのものに追加して強くしてより豊かにしたかった」のだと述べた。

(英語記事 The Voice: Australians vote No in historic referendum

https://www.bbc.com/japanese/67114594


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「国会への先住民の声」国民投票で否決

2023-10-16 | 先住民族関連

SBS2023年10月15日

オーストラリアで20年以上ぶりに実施された国民投票で、「国会への先

住民の声」の提案が否決されました。

オーストラリア国民は先住民の声を憲法に明記するという政策に対して、反対多数で否決しました。

14日行われた国民投票、レファランダムではオーストラリアの6州すべてに加え、ノーザンテリトリーで、反対票が賛成票を上回りました。唯一賛成が反対を上回ったのはACTでした。

アンソニー・アルバニージー首相は、レファランダムの結果についてオーストラリアを規定するものでも、分裂されるものでもないと主張しました。

「今こそ、私たち全員が団結し、同じ目的である和解に向けて道を見つけるときです」

野党のピーター・ダットン党首は国民投票について、オーストラリアに「必要ではなかった」とし、国民に団結を呼びかけました。

「この提案とプロセスは、オーストラリア国民を団結させるためのものであり、分断させるためのものではなかったはずです」

オーストラリア先住民は今回の投票結果を受け、「沈黙の1週間」を過ごすと述べる人もいれば、次の展開を期待しているものもいます。

オーストラリア先住担当相で「賛成」の支持者であるリンダ・バーニー氏は、この投票結果を受け、新たな世代の先住民リーダーが出現することを確信していると述べています。

一方、ノーを支持する著名な活動家で、ニョンガイ族のウォレン・マンディーン氏は、この結果はオーストラリア人が、先住民コミュニティが直面する問題についてなにかを「成し遂げたい」ことを示していると述べています。

「一部の先住民コミュニティーで行われている暴力や虐待、強制的な支配、破壊的な行動から目をそむけることを、人々はやめる必要があります」

2023、国会への先住民の声、国民投票については、NITVを通じたファースト・ネーションの視点を含め、SBSネットワーク全体から情報を入手することができます。

SBSのボイス・レフェレンダム・ポータルでは、60言語以上で、記事やビデオ、ポッドキャストにアクセスできます。また、SBSオンデマンドのボイス・レフェレンダム・ハブでは、最新のニュースや分析、ドキュメンタリー、エンターテインメントを無料でストリーミング配信しています。

https://www.sbs.com.au/language/japanese/ja/article/australia-has-voted-no-in-the-indigenous-voice-to-parliament-referendum/cfam6ypaj


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台湾バナナ糸が織り成す民族の証し=鈴木玲子(外信部)

2023-10-16 | 先住民族関連

毎日新聞 2023/10/16 06:00(最終更新 10/16 06:00) 有料記事 1871文字

クバラン族の民族衣装を着てバナナ繊維の束を手に持つ厳玉英さん(中央)=東京都中央区日本橋室町で2023年9月17日、鈴木玲子撮影

 カラカラに乾いた草の束はバナナの繊維だという。東京で開かれたイベントで、台湾東部・花蓮県新社から来た先住民クバラン族の厳玉英さん(84)が束を見せてくれた。「これを細かく裂いて糸にしてから織るんだよ」。織物はバッグや帽子などの手工芸品になる。陽光を浴びた生成り色の糸が織り成す風合いが、素朴な温かみを醸し出す。

 バナナは高さが3メートル以上になるので、樹木と思われがちだが多年生の草。木のような部分は葉が重なり合う葉鞘(ようしょう)で、偽茎(ぎけい)と呼ばれる。

 織物を作る手順を大まかに言えば、葉鞘をはいで、薄くそぐと繊維が見えてくる。天日干しして裂き、糸を作る。床に座って地機織りで織り上げて工芸品にする。原材料は北蕉(ほくしょう)という種類の台湾バナナ。ねっとりとした濃い味わいが特徴だ。その栽培から工芸品の完成まで、全て自分たちで取り組むため、とにかく時間と労力がかかるそうだ。

 厳さんらは9月中旬、東京・日本橋で開かれた台湾工芸品の展示会「台湾工芸の今」に参加するため来日した。関連イベントで、沖縄県大宜味村の伝統織物「喜如嘉(きじょか)の芭蕉布(ばしょうふ)」の伝承者である保存会の平良美恵子会長と対談した。

 喜如嘉の芭蕉布も、原材料の糸芭蕉の栽培から布づくりまで一貫して作業する。バナナ糸工芸と共通点は多い。両者とも後継者不足が悩みの種だ。バナナ糸工芸に取り組むのは二十数人にとどまる。

 対談後、糸作りなどの制作過程を会場で披露した。台湾で「人間国宝」に認定されている厳さんが、器用に細い糸をつないでいく。隣で娘の偕淑月(かいしゅくげつ)さん(65)が地機織りで布を織る。見事な手さばきだ。

 バナナ糸という珍しさもさることながら、実はこの技が、クバラン族が独自の民族である重要な証しになった。

 台湾は多民族社会で、政府が認めた先住民族は現在16に上る。全人口約2330万人のうち、先住民は約58万人(全体の約2・5%)。このうちクバラン族は約1600人。16民族以外にも、独自の民族だと主張する訴えは多い。

 クバラン族もそうだった。北東部・宜蘭の平野に住んでいたが、18世紀末ごろから入植してきた漢人に追われ、多くが南方に逃れ、東海岸の花蓮県新社などで暮らした。先住民アミ族の居住地に住んだり、漢人文化を取り入れて「漢化」つまり漢人に同化したとみなされたりして、その存在は認識されなくなった。

 転機は1980年代に起こった「原住民族運動」だ。先住民は、かつて「高砂族」「山地同胞」などと呼ばれたが、元々の住民として「原住民」、集団のアイデンティティーとして「原住民族」の呼称を求めた。台湾で使う中国語では、「先住民」は日本語とは異なり、「既に滅んでしまった住民」という意味合いが生じる。民主化が進展した90年代、憲法に「原住民」の呼称、民族の総称として「原住民族」が明記された。自らが主張する呼称を勝ち取った。

 クバラン族の運動も展開された。花蓮県クバラン族発展協会理事長の潘朝成(はんちょうせい)さんによると、87年11月23日、新社などの住民が台北で歌舞や儀式を披露した際、政府に対して独自の民族としての承認を求めたのが始まりだという。

・・・・・・・

外信部・鈴木玲子】

<※10月17日のコラムは熊谷支局の隈元浩彦記者が執筆します>

https://mainichi.jp/articles/20231015/k00/00m/030/083000c


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『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』デ・ニーロ史上“最恐”キャラをスコセッシ&ディカプリオが語る!

2023-10-16 | 先住民族関連

ムービーウォーカープレス2023/10/16 7:00

巨匠マーティン・スコセッシが監督を務め、主演にレオナルド・ディカプリオ、共演にロバート・デ・ニーロを迎えた10月20日(金)公開の最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』から、スコセッシとディカプリオがデ・ニーロ史上“最恐”ともいえるキャラクター、ウィリアム・“キング”・ヘイルの極悪ぶりを語った特別映像が到着。デ・ニーロ扮するヘイルの姿を収めた場面写真も解禁された。

【写真を見る】ロバート・デ・ニーロが劇中で演じるのは、先住民を巧みに操り財産を奪い取ろうとするウィリアム・“キング”・ヘイル

画像提供 Apple/映像提供 Apple

本作は、デイヴィッド・グランの同名小説を原作とした真実の愛と残酷な裏切りが交錯するサスペンス。1920年代のアメリカ、オクラホマ州で、先住民族のオセージ族は石油の発掘によって一夜にして世界でも有数の富を手に入れる。白人たちはすぐさまその財産に目をつけ、オセージ族を巧みに操り、脅し、奪える限りの財産を強奪し、やがて殺人に手を染めていく…。実際に起きた連続殺人事件を、アーネスト・バークハート(ディカプリオ)とオセージ族のモリー・カイル(リリー・グラッドストーン)の夫婦の愛を通して描いていく。

そんなアーネストとモリーの夫婦を利用しようと企むのが、デ・ニーロ演じるウィリアム・“キング”・ヘイルだ。今回解禁された特別映像では、スコセッシやディカプリオらがヘイルという“悪”について語っている。スコセッシはヘイルについて「ウィリアム・”キング”・ヘイルは並外れた人物。表の顔は優しいが残忍さを隠し持つ」とコメント。アーネストをオセージ族の町に迎え入れたヘイルは、すでにオセージ族の人々との関係性を築いていた。アーネストと結婚することになるモリーともすでに家族ぐるみで交流があり、ヘイルは事あるごとにモリーの母や姉妹らの病気や生活を心配するなど、人々からの信頼を得ていた。しかし、アーネストとモリーが結婚すると、ヘイルのもう一つの顔が見え始める。映像では、ディカプリオがヘイルという人物について話していて「実際、ヘイルは悪の典型だった」と指摘。「彼はオセージの富と領土を奪い取ろうとする。彼らを利用し操る」とヘイルの表の顔に隠された恐ろしい企みについて語っている。
コメントのなかでスコセッシは、2つの顔を持つヘイルについて「とても複雑。彼はまるで預言者。彼ら(白人)の時代が来たと信じている。『彼ら(オセージ族)を助けよう。ゆっくりと死に向かわせよう。楽にそうさせてやろう。文明は行き来するものだ』と話す。映像にはヘイルの「オセージはこの世で最も素晴らしい人々だ」というセリフがあるが、「肝心なのは、ヘイルは彼らのことが確かに好きだったということ」と語るスコセッシ。スコセッシが知るところでは、実際のヘイルの葬式には数名のオセージ族が参列しているそうで「だから、悪役とヒーローという単純な話ではない」と2つの顔を持つヘイルの複雑な人間性を語っている。
ヘイルを演じるデ・ニーロといえば、アカデミー賞助演男優賞を受賞した『ゴッドファーザー PART II』(74)などの“悪役”を思い浮かべる人も多いかもしれない。一方で『マイ・インターン』(15)や『ダーティ・グランパ』(16)などの作品で演じた穏やかでユーモアのある役柄を連想する人もいるはず。そんなデ・ニーロが、本作ではオセージ族から全てを奪おうとする男を演じていて、善良な笑顔から途端に切り替わる彼の演技からは“真の極悪人の恐ろしさ”が伝わってくる。
また、特別映像とあわせてデ・ニーロ演じるヘイルの姿を収めた場面写真も解禁。ヘイルとアーネスト、そしてモリーが笑顔で並ぶ3ショットに加えて、劇中の緊張感みなぎるシーンを切り取った写真も複数公開されている。

近年のスコセッシ作品に欠かせないディカプリオと、数々の傑作をスコセッシとともに作り上げてきたデ・ニーロが長編映画としては初タッグを組むことになった本作。特別映像を観ながら、間近に迫った劇場公開に備えよう!

文/スズキヒロシ

https://moviewalker.jp/news/article/1162043/


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ディカプリオ史上最強のクズが犯した最悪の罪…『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』がヤバイ!

2023-10-16 | 先住民族関連

シネマトゥデイ2023年10月16日提供:東和ピクチャーズ

今年5月のカンヌ国際映画祭でお披露目されるやアカデミー賞有力とたたえられ、早くから映画ファン注目の1作だった映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』がついに10月20日に日本公開を迎えます。6度目となるレオナルド・ディカプリオ×巨匠マーティン・スコセッシ間違いないタッグで、石油利権と人種差別を背景にした人類史上類を見ない大量殺人事件の顛末を意外な視点から映し出した本作は、スリリングで美しく、おかしくもグロテスクに人間の闇をあぶり出す、ヤバすぎる魅力が満載のまごうことなき傑作でした!(編集部・市川遥)

ディカプリオ史上最強のクズ野郎でオスカーノミネート確実!

 『タイタニック』で一世を風靡した“美少年イメージ”を打ち破って真の名優となるべく、これまでもさまざまな難役に挑んできたレオですが、本作で演じたアーネストはそんなレオ史上でも最強のクズ野郎です。アメリカ南部オクラホマ州の先住民オセージ族の土地へ、人々から“キング”と呼ばれる有力者の叔父を訪ねてやって来たアーネストは、大好きな金のためなら手を汚すこともいとわない小悪党。オセージ族の女性モリーと恋に落ちて結婚するも、叔父には逆らえない小心者であり、かつ持ち前の強欲さゆえに、この先住民大量怪死事件において進んで重要な役割を果たしていくことになります。

 最低のクズ野郎なのにどこか愛嬌を感じさせるのは、レオが持ち前のカリスマ性を発揮しつつ、卓越した演技力で人間の残酷さ、軽薄さ、情けなさをすさまじくリアルに体現しているがゆえでしょう。まさにレオだからこそ演じられた役柄といえ、アカデミー賞主演男優賞ノミネートは確実であり、『レヴェナント:蘇えりし者』以来となる2度目のオスカー獲得も現実味を帯びています。

 叔父“キング”役は名優ロバート・デ・ニーロで、ついに実現したスコセッシ監督作品におけるレオ×デ・ニーロの長編映画初共演は映画ファンには至福のひと時。全てを掌握しようとする策士のキングとちょっと頭が足りないアーネストの掛け合いには、時に笑わされ、時に戦慄させられ、気付けば二人の名優が発散するエネルギーにのみ込まれ、歴史の闇に葬られた大量殺人事件の恐ろしさを肌で感じさせられます。

戦慄の実話!人類史上類を見ない大量殺人

 本作のヤバさは、何と言ってもこの大量殺人が1920年代にアメリカで本当に起きた事件だという点です。先住民オセージ族はもともと暮らしていた豊かな土地から、荒れたオクラホマ州の保留地へと追われた部族。そこには白人たちも知らなかった大量の石油が眠っていたことからオセージ族は巨万の富を築きますが、富は邪悪な白人たちも引き寄せ、石油利権をめぐって二十数名の先住民と関係者が次々と不審死を遂げる事件(総数は数百名とも……)が発生しました。

 この巨大な陰謀を捜査したのは後にFBIとなる組織であり、もともとスコセッシ監督は捜査官視点でこの大量殺人事件を描こうとしていましたが、オセージ族との会合やレオとの対話を経て路線変更。“この事件がオセージ族にどう影響を与えたかこそ、語るべき物語である”との指標を得て、石油利権を持つ裕福なオセージ族の女性モリーと、彼女と結婚した強欲な白人アーネストの二人をメインに据えた物語に書き直したのですが、これが大当たり。レオ、そしてモリー役リリー・グラッドストーンのその瞳だけで心の機微を雄弁に伝える名演によって、単なる捜査官モノにとどまらない、人の業に満ちた愛と裏切りの悲劇の物語が誕生することになりました。

3時間26分があっという間!圧倒的テンポの良さ

 上映時間3時間26分という大長編ぶりも話題の本作ですが、さすがスコセッシ監督だけあってあっという間にスリリングな物語の虜にさせられ、体感時間は2時間ほど! 俳優陣から引き出した繊細かつダイナミックな名演から、膨大な情報を必要な箇所に必要なだけ的確に配置した緻密な脚本、シームレスに変わるアスペクト比に生と死のコントラストが鮮やかな映像、スコセッシ監督とのタッグで知られ、先住民の血を引くロビー・ロバートソンさん(今年8月に死去)ならではの唯一無二の音楽、さらには意外性に満ちた映画ファン歓喜のラストまで、「これぞ映画!」というべき魅力に満ちあふれているのです。

 いち早く巨大スクリーンかつ最高の音響で観なければ、後悔することになるのは必至の超絶クオリティー。一体アカデミー賞では何部門ノミネートされてしまうの!? というレベルの、今年一番の傑作となっています。

映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は10月20日より全国公開
公式サイト 劇場情報

https://www.cinematoday.jp/page/A0008926


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