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「静かな大虐殺」が起きた実際の地を訪れて…ディカプリオの役を“FBI捜査官”から別の人物に変更した理由とは

2023-10-29 | 先住民族関連

週刊文春10/28(土) 6:12配信

画像提供: Apple TV+

 来月17日で81歳になるマーティン・スコセッシが、あいかわらずお元気だ。今月全世界公開された最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は、製作費2億ドル(約300億円)、上映時間3時間半の野心作。

【画像】レオナルド・ディカプリオが先住民の女性と結婚する白人男性役を熱演…「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の写真を見る

 2017年に出版された同名のノンフィクション本を映画化する今作は、100年前にオクラホマ州で起きた、白人による先住民オセージ族に対する凶悪な犯罪を描くもの。オセージ族の人々や文化を忠実に描くため、スコセッシは現地に足を運んでミーティングを持った。

脚本がラブストーリーに変化したワケ

「初めてのミーティングでは、オセージ族のチーフをはじめとする何人かの代表に会った。当然のことながら、彼らは注意深かったよ。私たちは、この話をできるだけ事実のままに語りますと彼らを説得した。

 そんな中で、(本作の主人公として描かれる)アーネスト・バークハートの親戚であるマギー・バークハートは、私の作った『沈黙―サイレンス―』を観たこともあって、私を信頼してくれるようになったようだ。彼女は私たちに、アーネストはモリーを愛していたし、モリーはアーネストを愛していたと言った。これはラブストーリーなのだと。そこから脚本が変わっていったんだ」

 第一次対戦後、叔父ウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)のいるオクラホマ州に引っ越してきたアーネスト(レオナルド・ディカプリオ)は、タクシーの運転手として働くうちに、客のモリー・カイルと知り合う。居住地区に石油が出て突然大金持ちとなったオセージ族の女性と結婚したがる白人男性は珍しくなく、アーネストもモリーにプロポーズをする。だが、それら先住民の女性らは次々に謎の死を遂げ、やがてモリーの周辺にも恐怖が及んでいく。

美しい場所は邪悪にもなりうる

 実際にオクラホマの風景を見ると、ここでそれらの事件が起きたことを、スコセッシは納得できた。

「私はニューヨークのロウアー・イーストサイド育ち。都会の人間なので、太陽がどこに沈むのかも意識しない。30年ほど前、ロサンゼルスを車で移動していて太陽が西に沈むのを見て、『ああ、だからサンセット通りと言うのか』と妙に納得したものだ。オクラホマには広々とした草原、まっすぐの道があり、野生の馬や牛が歩いている。その景色を見ながら、どこにカメラを置こうか、空をどれだけ、草原をどれだけ入れようかなどと考えたよ。

 そうしているうちに、ここには法など要らないのだと気づいたんだ。いや、法律はあるんだが、きちんと機能しないと言うのが正しい。美しいこの場所は、非常に邪悪にもなりうる。私はそれをとらえたかった。のんびりしているところに癌、あるいはウィルスが生まれ、静かな大虐殺が起きていく様子を」

 このプロジェクトが立ち上がった時、ディカプリオは、一連の事件を調べるFBI捜査官トム・ホワイトを演じる予定だった。しかし、外からではなく、内側からこの話を見つめると決め、ディカプリオには、オセージ族の女性モリーと結婚する白人男性アーネスト・バークハートを演じてもらった(トム・ホワイト役にはジェシー・プレモンスが抜擢された)。

 アーネストはただのお金目当てなのか、それともモリーに対する真の愛があるのか。その微妙な関係を、ディカプリオとモリー役のリリー・グラッドストーンが見事に描く。

ふたりの役者同士の間にあった、自然でリアルな関係

「ふたりが初めて一緒に食事をするシーンは、私のお気に入り。モリーは彼に多くの質問をする。まるで尋問するみたいに。彼女が彼をコヨーテに例え、『コヨーテはお金が好きよね』と言うと、アーネストはあっさりと『そうだね、僕はお金が好きだ』と認める。

 彼女は自分がどんなところに足を踏み入れようとしているか、わかっているんだ。だが、別のシーンでオセージ族の人々と話している時には、お金だけじゃないと思う、彼は良い人だ、というようなことも言う。

 運転手のアーネストが客のモリーに何かを言い、モリーがわざと先住民の言語で答えて、彼が『今、ハンサムな悪魔って言ったのかな』と返すシーンがあるが、実は、あれは全部アドリブ。リリーの笑いは演技でなく本物。ふたりの役者同士の間には、自然でリアルな関係があったんだ」

ディカプリオと監督は30歳以上も年が離れているが…

 デ・ニーロとディカプリオはスコセッシ映画の常連だが、この3人が揃うのは初めてのことだ。

「デ・ニーロとはティーンの頃からの関係だ。お互いの古い友人も知っている。70年代、私たちは、いろんなことを一緒に試した。俳優が力を持ちすぎて映画をハイジャックしてしまうことはよくあるが、彼は力を持ってもそれをしたことがない。私たちの間には強い信頼がある。

 そんな彼が、ある時、『ボーイズ・ライフ』で共演した子役を軽く勧めてきた。それがレオだよ。彼が誰かを推薦することなんて滅多にないのに。それから何年かして、私は『ギャング・オブ・ニューヨーク』にレオを起用した。次に『アビエイター』でも組むと本当に私たちは意気投合し、『ディパーテッド』で真の絆ができた。30歳以上も年齢が離れているにもかかわらず、私たちの好みはとても似ているんだ」

 ディカプリオとは、次にセオドア・ルーズベルトの伝記映画でも組むことになっている。そこに、デ・ニーロにとっても素晴らしい役はあるだろうか。この特別な3人組の復活がまたあることを、映画ファンは心待ちにしている。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』10月20日(金)より世界同時劇場公開。

 本作は、実話をもとに、アーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)とモーリー・カイル(リリー・グラッドストーン)の間の思いもよらないロマンスを通して描かれる、

 真実の愛と残酷な裏切りが交錯する西部劇でありサスペンス超大作。ロバート・デ・ニーロとジェシー・プレモンス共演、マーティン・スコセッシが監督を務め、原作はデイヴィッド・グランのベストセラー、マーティン・スコセッシはエリック・ロスとともに脚本を手がける。

◆監督:マーティン・スコセッシ

◆キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーン、タントゥー・カーディナル、カーラ・ジェイド・マイヤーズ、ジャネー・コリンズ、ジリアン・ディオン、ウィリアム・ベルー、ルイス・キャンセルミ、タタンカ・ミーンズ、マイケル・アボット・ジュニア、パット・ヒーリー、スコット・シェパート、ジェイソン・イズベル、スターギル・シンプソン

◆脚本:エリック・ロス、マーティン・スコセッシ

◆プロデューサー:マーティン・スコセッシ、ダン・フリードキン、ブラッドリー・トーマス、ダニエル・ルピ

◆エグゼクティブプロデューサー:レオナルド・ディカプリオ、リック・ヨーン、アダム・ソマー、マリアン・バウアー、リサ・フレチェット、ジョン・アトウッド、シェイ・カマー、ニールス・ジュール

猿渡 由紀/週刊文春

https://news.yahoo.co.jp/articles/7739aefc4280e14481963d355703c0c86a1a767f


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家賃高騰で追い出され…カナダで路上生活者が急増

2023-10-29 | 先住民族関連

AFPBB News10/28(土) 13:04配信

カナダ・ケベック州グランビーの公園で路上生活を送る人々のキャンプサイト(2023年9月18日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】カナダで、家賃や不動産価格の高騰から路上生活者が急増している。

【写真10枚】路上生活者のテントの中の様子

 東部ケベック(Quebec)州では、路上生活者は大都市であるモントリオールが中心だったが、9月に公表された報告書によると、2人に1人は農村部で生活していた。

 モントリオール東方80キロに位置する人口7万人の町グランビー(Granby)に住むダニー・ブロダールコテさん(39)は、数か月前から墓地に近い森の中でテント生活を送っている。恋人とアパートを借りていたが、6月に退去を迫られた。

 用務員として「週5日」働いている。「住める場所がほとんどないのは、家賃が高過ぎるから」だと話した。

 数ブロック先の公園は、老若男女が野宿をする仮設のキャンプサイトと化している。ブロダールコテさんのように定職に就いている人もいる。

 ケベック州政府の報告書によれば、路上生活者となった4人に1人近くは、家に住み続けられなくなったことが原因だ。

 2018~22年に州内のホームレス人口は44%増加し、昨年1万人に達した。反貧困団体の代表を務めるカリーヌ・ルシエ(Karine Lussier)氏によれば、カナダの人口の5%を占める先住民族の中でも特に先住民イヌイット(Inuit)が多いという。

 グランビーのジュリー・ブルドン(Julie Bourdon)市長はAFPに対し、市はキャンプサイトを解体して居住者を別の場所に移動させるより、「許容地域」として、現状を維持することを選んだと説明した。

 こうした状況は氷山の一角にすぎないと指摘するのは、首都オタワから川を隔てた対岸に位置する、人口30万人弱のガティノー(Gatineau)のフランス・ベリル(France Belisle)市長だ。州がまとめた報告書の数値は「1年前のもの」だと話す。

 今年に入りインフレが加速する中で、現状は統計よりはるかに悪いと懸念する。

「もはや収入の範囲内でやり繰りできるレベルではなくなっている」と話した。

■出勤前に川で体を洗うのが日課

 国内で人口が2番目に多いケベック州は、新型コロナウイルスの感染拡大や記録的な移民流入など、さまざまな要因で人口が増加し、深刻な住宅不足が起きている。

 しかし、ケベック州のみならず、全国的に路上生活者が急増していると専門家は警鐘を鳴らしている。

 ウェスタンオンタリオ大学(University of Western Ontario)のシェリル・フォーチャック(Cheryl Forchuk)教授は、政府の統計では路上生活者は全国で約23万5000人とされているが、これは保護施設に入所している人数にすぎないと指摘する。

「実際の人数は、連邦政府による現在の推計の3倍に上る恐れがある」と話した。

 ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相も先月、「収入が十分にある人でさえ住居の確保に苦労している状況にある」と認めた。

 反貧困団体のルシエ氏は、支援を受けずに路上生活から抜け出すのは現実には不可能だと話す。

「私たちは憤り、悲しんでいる。何年も前からずっと、『気を付けて。人道危機が迫っている』と警告してきた」と話した。

 ブロダールコテさんは、手頃な価格の住まいを見つける希望をまだ捨てていない。だが、今のところは、出勤前に近くの川で体を洗う日課を続けるしかない。

「これまで一度も親に小銭ですらせがんだことはなかったのに、3か月前に初めて、お金を貸してほしいと頼んだ」と言う。冬が近づく今、数か月後はどんな暮らしをしているのか、先が見えないと話した。【翻訳編集】 AFPBB News

https://news.yahoo.co.jp/articles/097165485346221875b8ca00a2fdc035791c2307


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チリの歴史では教えられなかった、埋もれてきた歴史を描く「なんらかの形で語りたいと思った」【第36回東京国際映画祭】

2023-10-29 | 先住民族関連

映画.COM2023年10月28日 22:30

第36回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出されたフェリペ・ガルベス監督の「開拓者たち」が10月28日、東京・丸の内TOEIで公式上映された。ティーチインにはガルベス監督が出席し、観客からの質問に答えた。

20世紀初頭の南米パタゴニア地方を舞台に、チリの歴史の中で埋もれていた事件に光を当てた本作。白人と先住民の間に生まれた若者は土地の計測を目的とする白人グループと一緒に旅をしたはずだったが、やがて彼らの実際の使命が先住民を殺害することだったことを知る、という衝撃のドラマだ。

チリ出身で、現在はフランスに在住しているガルベス監督だが、この作品には世界各国のスタッフが参加。「自分にとってはこの映画が初の長編映画だったのですが、製作には時間がかかりましたね。チリでつくるのが大変だったので、その結果9~10カ国が参加する共同製作となった。それは非常にオーガニックな形でしたね。イギリスの俳優と一緒に組むこともできたし、サウンドデザインでは台湾の方(ホウ・シャオシェンエドワード・ヤン作品の録音技師として知られるドゥ・ドージー)と一緒に組むことができて、非常に面白い経験となった。そうやってユニバーサルな映画になったと思う」と明かす。さらに、「共同製作をすることによっていろんな方に脚本を見せることになるため、結果的に違う視点、フィードバックが返ってくる。どうしたらこの映画を伝えられるか、ということをあらためて考えさせられるきっかけにもなったので、ユニバーサルな映画になったと思います」とその効果について語った。

くしくも本映画祭のワールド・フォーカス部門では、19世紀のチリを舞台にしたクリストファー・マレー監督の「魔術」が上映。この作品も本作同様、19世紀を舞台にした先住民と白人移民との対立がテーマとなっていたが、そのことについて観客から指摘されると、「これは一部偶然というところもありますし、同世代が共有している興味というのもあるかもしれません。『魔術』に関しても、われわれの歴史の一部でありながらも、これまで語られてこなかったことを題材としています。学校で学ぶような歴史ではないですが、同世代人として、何らかの形でこの歴史を語りたいというところもあったのかなと。そういう意味で偶然性があると思います」と語ったガルベス監督。「実はこの映画をつくるのに9年かかっているんですが、チリがお金を出したのは最後だった。チリが話したがらない歴史ですし、政府も虐殺があったことを認めたのは最近のことだったから」と付け加えた。

本作の語り口は物語の進行に合わせて変わっていき、いくつかの映画ジャンルを横断するかのように描かれる。その理由について「西部劇というのは、その時代の最新鋭の技術で撮ったものという思いがあったので、自分としてはデジタルの6Kカメラで撮りました。一方で(レトロな画面が登場する箇所があるという点に関しては)自分としては(映画の元祖である)リュミエール兄弟からの影響が非常に強いということもあります。映画が現実を表すものだとは思っておらず、逆に映像をつくるにあたりディストーション(ゆがみ)を意識しています。そしてもうひとつはいろんなジャンルを超えていきたいと思ったんです。西部劇であり、会話劇であり、ホラーであり、政治的なスリラーでもある。いろんなジャンルを旅していくということです」とその思いを明かす。

そして「この映画は、いろいろなものに対する批判が描かれている作品。たとえば政治的なものに対する批判、さまざまな層に対して批判をしている。そこには映画に対する批判というのもあります。映画というのは20世紀の西部劇がそうだったんですが、植民地主義を正当化するジャンルをつくってしまったという責任があると思うんです」と語ったガルベス監督は、ミシェル・グアニャ演じる女性の先住民、キエプジャという役柄について、「だから女性であり、先住民族である彼女が(とあることを)拒絶するというのが非常に大事。それは現代にも通じるものじゃないかと思う。その表情で悲しさや怒りを伝えることができたのは、ミシェルという役者の才能のおかげであると思います」とその思いを語った。

https://eiga.com/news/20231028/21/


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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」でディカプリオが体現する愛と殺意

2023-10-29 | 先住民族関連

読売新聞2023/10/28 06:00

愛することと、だまして殺そうとすること。同じ相手に対する正反対の行為に、ほとんど矛盾を感じない。そんな心のあり方は存在するのだろうか。巨匠マーティン・スコセッシの新作は、それが存在することを恐るべき説得力で描き出す。レオナルド・ディカプリオの圧倒的な演技の力によって。

(c)Apple TV+

事実に基づく物語である。1920年代、米オクラホマ州。先住民のオセージ族が暮らす土地は、石油が発見され潤っていた。ディカプリオが演じる軍隊帰りのアーネストが、地元の有力者で叔父のウィリアム(ロバート・デ・ニーロ)を頼ってやって来る。そこでは先住民たちが次々と怪死する事件が続いていた。ウィリアムは、アーネストに先住民の女性と結婚して石油の利権を奪うよう命じる。

事実に基づく物語である。1920年代、米オクラホマ州。先住民のオセージ族が暮らす土地は、石油が発見され潤っていた。ディカプリオが演じる軍隊帰りのアーネストが、地元の有力者で叔父のウィリアム(ロバート・デ・ニーロ)を頼ってやって来る。そこでは先住民たちが次々と怪死する事件が続いていた。ウィリアムは、アーネストに先住民の女性と結婚して石油の利権を奪うよう命じる。

アーネストは、先住民の女性モリー(リリー・グラッドストーン=同左)と恋に落ちて結婚する。叔父の言葉がきっかけでも愛は本物だ。そこから彼は叔父に命じられるまま、モリーの家族ら石油利権の相続人たちを殺し始める。自ら手を下さずとも殺し屋たちに依頼して。そしてついに、モリーの命も狙う。

アーネストだけではない。先住民と結婚した白人の夫の仕業と思われる殺人が頻発する。連続殺人が主題のサスペンスだが、殺人場面そのものはほとんど描かれない。むしろドラマチックになりすぎないよう、先住民と白人たちが共に暮らす日常の描写が積み重ねられる。大量殺人があまりに淡々と描かれるのであぜんとしてしまう。コメディーのように思えるほどだ。

その代わりカメラはアーネストの表情をじっくりと捉える。恋人モリーを見つめる愛情のこもった顔。妻となった彼女と過ごす家庭での安らいだ顔。妻の家族の殺人を依頼しに行く冷酷な顔。叔父の前での弱々しい顔……。アーネストの行動は行き当たりばったりで何を考えているのかよく分からない。だが、スターのオーラを感じさせないディカプリオの迫真の演技が、異様な世界に観客をぐいぐいと引き込む。矛盾そのもののような男の存在を納得させる。

主人公たちの心を支配するのは、欲望の果てしなき肯定だ。スコセッシが過去作で描いてきたテーマは、ここでも通底している。後半はFBIの捜査官が事件を追い、西部劇、さらには法廷劇のような展開となる。法廷でアーネストが証言する場面が圧巻だ。様々な感情が一気にあふれ出したような顔のアップ。3時間26分の長い上映時間はこのためにあったのだと思わせるほど、見事だった。TOHOシネマズ日比谷など。公開中。 

(編集委員 小梶勝男)

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(米) 3時間26分。TOHOシネマズ日比谷ほか。公開中。

https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20231023-OYT8T50028/


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アマゾンの干ばつによる水位低下で、絵文字のような岩絵を発見

2023-10-29 | 先住民族関連

ビジネスインサイダーOct. 28, 2023, 03:00 PM 

Marianne Guenot原文] (翻訳:仲田文子、編集:井上俊彦)

ブラジルのマナウスを流れるネグロ川が干上がったことで発見された先史時代の岩絵。 REUTERS/Suamy Beydoun

アマゾンの干ばつにより、笑顔やしかめっ面など、現在の絵文字のようにさまざまな表情が刻まれた岩が、ブラジルのマナウスで発見された。

これらは2000年もの間、川に沈んでいたと考えられている。

誰がこれらを彫ったのかは不明だが、研究者はコロンブス以前の時代にこの地域に住んでいた先住民文化に関連していると考えている。

「この岩絵は先史時代、あるいは植民地時代以前のものだ。正確な年代は特定できないが、この地域に住んでいた人々の痕跡から、約1000年から2000年前のものだと考えている」とブラジル歴史遺産研究所の考古学者ハイメ・オリヴェイラ(Jaime Oliveira)は、ロイター通信に語っている。

またAFPに対して「これらは感情や雰囲気を表している。岩に刻まれた記録となっているが、現代の芸術作品にも通じるものがある」と語っている。

このエリアでは岩に刻まれた溝の跡が見られ、これは先住民が槍を研いだ跡だと考えられている。2010年の干ばつの際にも、刻まれた跡のある岩が見られたとロイター通信が報じている。

しかし、このようなミステリアスな顔が発見されたことは、これまでなかったとオリベイラは言う。

ブラジルの国立歴史的芸術遺産研究所(IPHAN)の歴史学者ベアトリス・カルネイロ(Beatriz Carneiro)は、この岩絵は先史時代の人々を理解する上で「計り知れないほど」の発見だとAFPに語っている。

さらに「残念なことではあるが、干ばつでこれらは再浮上した」と説明し、干ばつはラジェス遺跡の保護を脅かす可能性もあると指摘した。

ロイター通信によると、ネグロ川の水位は7月以来約15m下がっている。AFPによるとネグロ川の流量は10月半ばに過去121年間で最低を記録しており、アマゾンの川はこの地域の重要な水路であることから、供給と輸送に問題が生じているという。

「ここに来て、(彫刻を)見て、美しいと思う。しかし同時に心配にもなる…。この川が50年後、100年後に存在するのかどうか考えてしまう」

https://www.businessinsider.jp/post-277285


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アニメ『ゴールデンカムイ』第49話(最終話)あらすじ/ネタバレ感想!森林伐採の下敷きになるアシリパと杉本。カムイを絶やさせないアイヌの少女の答えは

2023-10-29 | アイヌ民族関連

ミルトモ2023/10/28

森林に棲む様々なカムイの話をして杉本と穏やかな時間を過ごすアシリパですが、多くの木に切れ目があることに気づきます。これは森林伐採のため、将棋倒しにして一気に倒す手法。これにより、杉本とアシリパは大木の下敷きになってしまいました。

金塊が見つかったら杉本は故郷へ帰ってしまうのだろうか……。不安を抱くアシリパに杉本は答えます。

暗号を解く答えを見つけながら、これを誰にも話さないアシリパ。

消えたカムイの地で、アシリパは何を思うのでしょうか。

第4期最終回。本当のラストへと続く決意の回と言えるでしょう。

アニメ『ゴールデンカムイ』第48話のあらすじと振り返り

杉本と白石の目的が自分であると知った房太郎は、手を組む提案を破棄し、2人を亡き者にしようとしました。しかし、これに気づいたアシリパによって失敗。水中に杉本を引きずり込んだものの、髪が船の車輪に絡まり、危うく命を落とすところでした。結果、杉本が髪を切って助けたことで和解。房太郎は杉本達が自分以外の刺青人皮をすべて手に入れた時、持っている情報をすべて話すという条件の元、彼らと手を結びます。

その頃札幌では、宇佐美や菊田が連続殺人犯探しを開始。精子から犯人の行動パターンを宇佐美が割り出した結果犯人を遭遇。逃げられてしまうも、菊田は間近で顔を目撃することが叶いました。

土方陣営では、連続殺人犯はジャック・ザ・リッパーの模倣犯の可能性が高いという情報を入手。5人目の娼婦を殺したのち、男は姿を消してしまう可能性があると推察されます。結果、殺人が行われるであろう40日以内に見つけ出す必要があると土方は考えます。

また新聞では娼婦連続殺人犯の事件と共に子供の失踪事件が取り上げられていました。犯人は旭川、歌志内、江別で犯行に及んでいることから、札幌に近づいていると予測。
網走監獄の囚人の中で、子供を攫って埋める囚人がいたと語る房太郎。囚人・上ヱ地圭二の特徴を聞くなり、杉本達は歌志内で出会った飴売りこそがその男だと理解するのでした。

【ネタバレあり】アニメ『ゴールデンカムイ』第49話あらすじと感想

おかしいか、おかしくないか

連続殺人の犯人を捜すため、宇佐美は結果を残している唯一の操作方法である自慰行為での捜索を続行。第七師団にいた尾形もおかしな奴だったがと、菊田が尾形百之介の名前を出すと、宇佐美は遮るように彼の話を始めます。

腹違いの弟・花沢勇作を殺して、父の愛を確かめようとするも愛されず、鶴見の命で父を殺した尾形。そして裏では造反組を煽っていたと宇佐美は言います。
鶴見中尉の指示に従えば自分は愛されるのだろうと思い、自身の父や腹違いの弟を殺した尾形は、望んだ愛をもらえずにふてくされ、すべて鶴見中尉のせいだと立てついていると考える宇佐美は、自分のように鶴見中尉の駒になれと考えます。
杉本に冬の海に突き落とされ、病院で治療を受けている際にこれを宇佐美に言われた尾形は、彼に対し、駒の中でもお前は農民出身の一番安い駒だと笑い、おまるを彼にぶつけて逃げ出しました。

自分は間違っていない。と肯定し続ける宇佐美はそれからというもの、尾形はまた鶴見中尉を困らせるためにやってくるだろうと苛立ちながらも、独特の操作を続けるのでした。

KAMUI

尾形という名前だけで、話の路線を忘れてしまうほどフラストレーションを口にするということは、相当苛立っているといえますね。

そのころ、尾形は鴨を撃って土方達の元へと戻ります。左で銃を撃たねばならず、練習を重ねてきてようやく慣れてきたと口にします。これで狙撃兵は復活かなと土方は言いますが、尾形は不敵な笑みを浮かべながらこう返します。

「狙撃兵は人間を撃ってこそ」

KAMUI

職人的といえばそうなんですが、その笑みが怖いです。尾形の狙撃の腕を考えると本当に…

房太郎の疑問、アシリパの疑問

白石という人間を知っているからこそ、どうして彼が杉本やアシリパと共に行動するのか、房太郎には理解できません。一緒にいれば土方や第七師団と衝突することになるのは必然。リスク覚悟で同行するということは、金塊を手に入れる算段が出来ているのではと思う房太郎はこれを白石に問います。

協力体制とは言え、自分の考えを人に自分の持っている情報を安易に出してはいけないと考える白石。房太郎もそれは理解していますが、アシリパの目がのっぺらぼうと同じ深い青い目をしていることから、彼女が金塊の鍵だと察していることから、彼は自分の持つ情報を出します。

懐より取り出した一枚の金貨を白石に渡す房太郎。この模様が、自分達に刻まれている刺青によく似ていないかと、房太郎は白石に当のでした。

KAMUI

支笏湖の底で見つけたという金貨。これ、かなり大きなカギになりそうな予感がします!

その時アシリパは杉本にまたカムイの話をしています。可愛らしいアッカムイ(エゾモモンガ)を見つければ、獲って杉本に手袋を作ってやろうと話しますが、杉本は笑顔でいらないと返答。そんな穏やかな時間を過ごしていました。

自然が減り、ホロケウカムイの姿も当たり前に見られなくなってしまったことを悲しむも、レタラの子孫が次の世代の子達が見られたらいいなと語り合います。

KAMUI

イイ感じのほんわかシーン。しかし、アシリパさんの心中はどうも穏やかではないようですね。

ウイルクに連れられて星を見に行った時に教えられたことこそが、金塊を見つける鍵だと気づいたアシリパ。鶴見や土方の手に渡る前に見つける約束を杉本としていますが、もし金塊が見つかったら、杉本は故郷に戻ってしまうのだろうかと、アシリパは人知れず悩みます。自分との協力体制を続け、杉本の盾になり続けるためには、わざと金塊のありかに辿り着けない方が良いのでは…なんて思いも、アシリパの中に沸き上がっているのでした。そしてその想いを、アシリパは直接聞くことに…。

杉本が周りの木に切り込みが入っていると不思議に思っていると、これは森林伐採のための傷だとアシリパは気づきます。急いでこの場を離れるようにとアシリパは声を上げましたが、2人が逃げ出す前に木は将棋倒しになってドンドンと倒れていくのでした。

KAMUI

え!ここにきてこんな緊急事態起きるってどういうことですか!?しかも大事な答えがここで聞けないままという焦らしまでしてくれるってどういうことですか?

ソフィアの怒り

鶴見中尉から札幌で待つようにと命じられた月島軍曹と鯉登少尉がめんこで勝負。
その時、遠くから2人を見つめる一人の女性がの存在に月島軍曹は気づきました。何だろうと思う鯉登ですが、彼女のただならぬ雰囲気から、月島は危険そうだと察知しました。

何も言わず静かに去っていくその女性は、アシリパを見つけるために樺太からやって来たソフィアでした。月島たちは彼女の存在に気づいてはいませんが、月島がキロランケを撃ち殺した瞬間を岩陰から見ていたため、彼に対する怒りを必死で抑え、その場を去って行ったのです。

今は怒りを抑え、アシリパの居場所を見つけるため、彼女はまた歩き出すのでした。

KAMUI

シーンの長さとしてはちょっとでしたが、ソフィアと月島の衝突がこれからあるのではと思われる瞬間に思えました。

杉本の答え

杉本やアシリパのいる方向で木が大量に倒れたことで、白石は2人を必死に探し、房太郎は木を伐採した者達を見つけて救助を要請します。

そして、杉本はアシリパを庇う形で身動きがとりにくい状態になっていますが、ここで彼は彼女の先ほどの質問の答えを口にし始めます。

戦争で自分の身代わりになって命を落とした虎次との約束を守らねばならないと考える杉本。しかし、梅ちゃんの治療費となるお金を渡さないと行けないという使命を持ちながらも、杉本はアシリパが納得できるまで側にいるつもりだと語りました。それはアシリパの求めていた答えではないが、彼女はそれでも納得しようとします。

脱出は難しそうだが、杉本は白石の助けを待つことに。地獄の金の亡者である白石なら必死に探しにくるだろうと考えます。樺太で杉本がアシリパと離れ離れになっている間、白石は杉本との約束を守り、アシリパの側を離れたかったことから、彼へを信頼し始めたのです。だから、暗号を解くカギを白石に言ってもいいのではないかと、杉本はアシリパに提案。ちょうど助けに来てくれた白石の顔を見たアシリパはこれを承諾。白石自身は、樺太でのことが無駄じゃなくて良かったと涙するのでした。

KAMUI

なんだかんだ言って白石も仲間だと。金の亡者ではありますが、それだけではないと思われるのは良いですね。

少し残せばアイヌは消えない

木が切り倒された森を見て、ここにいたカムイはどこに行ったのだろうと考える杉本。

アイヌだって木を切るし、獲物を狩って食べます。しかし、倭人と違いアイヌは少し残すことを心がけています。木も動物の肉も、少し残せばカムイは消えない。そうアシリパは語るのでした。

KAMUI

倭人は欲張ってすべて取ってしまう。その思想がアイヌと違うということなんですよね。

白石は房太郎からもらった金貨をアシリパに手渡し、これが刺青と似ていることを伝えると、アイヌの文様に似ていることが発覚。ウイルクが金塊の一部を溶かし固め、この金貨にしたと考えられます。これおを見たアシリパは、父が救おうとしていたアイヌを自らの手で殺すはずはないと確信。そしてアシリパは、自分がやるべきことが何なのか、その答えに辿り着くのでした。

KAMUI

うわ!ここで終了!?ここからってところで!

アニメ『ゴールデンカムイ』第49話まとめ

ここから!ってところで終わったんですけど……。アシリパと杉本のほんわかした雰囲気からこれからのお話し、そして宇佐美の尾形の私怨がとっても印象的すぎました。

ここで刺青と同じ模様の金貨が出てきたのは本当に驚きました。暗号の鍵はアシリパだけが知っている状態。おそらく最終章がスタートすれば彼女の口からすべてが語られ始めるのでしょうが…待つのが辛いです。

全てが札幌に集結し、どのような結末に向かっていくのか、アニメの続きを待ち続けます。

https://mirtomo.com/kamuy-episode49/


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共同調査研究などで連携 国立アイヌ民族博物館 室工大と協定締結 白老

2023-10-29 | アイヌ民族関連

苫小牧民報2023.10.27

白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館と室蘭工業大学は26日、共同調査研究や研究者間の相互交流、人材育成、学術振興、アイヌ民族の歴史文化への正しい理解促進などを盛り込んだ包括連携協定を締結した。同館の佐々木史郎館長と同大の空閑(くが)良壽学長が協定書にサインし、取り交わした。

協定書を交わした佐々木館長(左)と空閑学長

 佐々木館長は「アイヌ文化の正しい理解を深める上で、理工学系の知見を生かすことは重要」と連携に期待。空閑学長も「協定は地域貢献に資する。互いの強みを生かし、地域との共創に力を入れていきたい」と述べた。

 協定は5項目あり、アイヌ民族の歴史と文化を含む地域の伝統文化に関する教育や共同調査研究、その成果展示など博物館活動に関することのほか研究者の相互交流などを定める。有効期間は締結日から1年とし、異義の申し出がなければ、さらに1年更新する。

 具体的な実施に当たっては連携協力推進会議(仮称)を年内にも設置し、両者で在り方を話し合う。大学側は、アイヌ文化の「食と薬」に注目。先住民が暮らしの中で取り入れてきた植物の薬効成分や機能性の解析などを担い、博物館と大学相互の「総合知を生かし、地域のために役立てていく」(空閑学長)と語った。

 両者はすでに、博物館の建築や構造に着目した学生対象のバックヤードツアーなどで交流がある。締結後は連携、協力体制をさらに深めたい考えで、同館に所属する地質学と環境学の専門学芸員らと大学の研究者間の相互交流、互いの施設を往来しての授業、大学関係者の研究成果の博物館での展示を検討していく。

 協定は2019年、大学側が当時の同館設立準備室に打診。コロナ禍での中断を経て今年5月以降、再び協議を重ね、実現の運びとなった。

https://hokkaido-nl.jp/article/31400


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